トック氏が送る
ホラー映画レビュー




13日の金曜日特集

(Special issue on FRIDAY the 13Th 1980〜2002)



おどかすわけじゃないけど・・・・・・、ジェイソンについてありのまま話しておこうと思う。

湖で溺れた後、彼の死体は揚がっていない。

町の人達は今もこの森にいると信じてる。

「恐ろしい怪物に変身して、森を彷徨っている」とね。

肉体は大人になり、森の獣や・・・・・・時には畑の作物を盗んで野獣のようにしぶとく生きている。

「その姿を見た」と言う者もいる、この近くで。

5年前の13日の金曜日の惨劇で、たった一人の生存者も・・・・・・、彼を見たと言ってる。

・・・・・・2ヶ月後、彼女は消えた。行方不明だ。

部屋は血塗れだった。何が起きたか誰も知らない。

町の人達は「彼の仕業だ」と言っている。「殺された母親の復讐を遂げたのだ」と言う。

「ジェイソンは今でも新たな犠牲者を求めて森を彷徨っている」と言う。

「湖の近くに行けば、彼は復讐し続ける」と・・・・・・。

13日の金曜日 PART2



えー、第3回は13日の金曜日記念!ということでジェイソン特集!みんなテレビで一回くらいは見たことあるよね。
最近は流れてないから、もしかしたらジェイソン知らないって人もいるかもしれないけれど。
ホッケーマスクを被った大男、どんなに傷を負っても立ち上がる怪物。
現在ジェイソンに匹敵する認知度を持つキャラクターは「エルム街の悪夢」のフレディと「チャイルド・プレイ」のチャッキーくらいだろうか。
ジェイソンはクラシックな怪物「ドラキュラ・狼男」に代わる、新しいモンスター像と言えるかもしれない。
完全無敵の殺人鬼、そのイメージが先行している感があるが、それでは肝心の映画はどうなのだろう。
「13日の金曜日」は1つの殺人シーンに重きを置かない、その分、量をふんだんに散りばめ、息も切らせぬ展開で観客を驚かし続ける。
ショック・ムービー、お化け屋敷型映画である。
一般人を対象にし、ホラー映画をポピュラーな地位に押し上げたという点で、歴史に残る作品と言える。
しかし弊害もある。13金のヒットに乗じ、似通った亜流版や模倣映画が濫作されたのだ。
結果、作品の質が低下。ホラー映画に対する印象が、一部マニアを除き13金的ステレオタイプなものに変化してしまった。
現時点で10作目に突入した本家の方も、その零落ぶりは見るに耐えない。
とは言え、最盛期の作品はそこらの糞ホラーとは違う何かを持っている。今なお魅力が感じられるホラーなのだ。



13日の金曜日シリーズ(評価は13金内での7段階評価)



 13日の金曜日

13日の金曜日。キリストが死んだ日。
クリスタル・レイクのキャンプ場で働く監視員達が次々に殺されて行く。
なぜ彼らが狙われるのか?殺しているのは誰なのか?
「今日はあの子の誕生日なの・・・・・・。あんなに良い子だったのに!」
悲劇が悲劇を招いたサイコ・サスペンス。

感想 ジェイソンママの怪演が見物。鬼気迫っていて、気の違いっぷりにゾクゾクくる。はっきり言ってジェイソンより怖い。
    息子の人格と入れ替わってしまうシーンは「サイコ」のノーマン・ベイツを彷彿とさせる。
    殺害者数は少なく、その分インパクトに拘った見せ方している。サスペンスとスラッシャー半々と言った構成か。
    ジェイソンママの首が飛ぶシーン、危機を乗り越えた少女に後ろからジェイソンが襲い掛かるシーンが秀逸。
    スローで流れる映像、細部まで凝ったメイク、優しい曲調から一気にチェロを使った激しい曲調へ。
    『13日の金曜日』シリーズは全般的に驚かせるという点を重視していて、そういう意味での音の使い方はかなり上手い。
    子供騙しと思うかもしれないが、音と動きはホラーの基本。
    ここがしっかりしていると、見ている方はすんなり映画に入って行けるし恐怖心を煽られる。
    逆におざなりだと、展開や演技の欠点が目につきやすくなってしまう。
    話の内容的に考えさせられるものはないが、スラッシャームービー、ショックムービーとしては間違いなく名作である。


作品評価 ☆☆☆☆☆☆



13日の金曜日 PART2 13日の金曜日 PART2

あれから二ヵ月、悪夢の夜から生還した少女は事件のトラウマに悩まされる日々を送っていた。
或夜、少女の家に突然かかってきた無言電話。嫌な予感がする。部屋をあてどなく歩き、ふと冷蔵庫を開けると、
中に入っていたのは、自分があの夜切り飛ばした、パメラ・ボーヒーズの首。
立ちすくむ少女の後ろから、第二の殺人鬼が忍び寄る。

少女の失踪から5年・・・・・・、クリスタル・レイク周辺にはよからぬ噂が流れている。
湖で溺れ死んだはずのジェイソンが、生きているのだと言う・・・・・・。

感想 前作のサスペンス要素は成りを潜め、殺しを前面に押し出した作りになっている。
    本作でジェイソンはズタ袋を被ったKKKのような格好をしているが、これはこれで趣があってよい。
    まだ人間らしく(怪物じみていないという意味)設定されている点もリアルで好きだ。
    印象的な殺害シーンが多く、何気にカメラワークに凝っている。
    ジェイソンの母親に成りきって諭すシーン、またテーブルに母親の首が祀られているシーンは
    ジェイソンの幼児性と異常さをよく表現している。
    とりあえず驚かしておこう、というラストが気に食わないが、それ以外は綺麗に纏まっていると思う。
    余談で真っ先に死にそうなお調子者が生き残ったのは(途中から全く出てこなかったが)意外だった。
    

作品評価 ☆☆☆☆☆

 

13日の金曜日 PART 3 13日の金曜日 PART3

ジェイソンは生きている!平和な田舎町に再び震撼が走った。
二度の大量殺人事件に地元警察は必死の捜索を行ったが、依然としてジェイソンの足取りは掴めない。
やがて月日は流れ、また何も知らない旅行者達がやってくる。
彼らを再び毒牙にかけるため、ジェイソンは息を潜めて待っていたのだ。

感想 今作からジェイソンが人間離れした怪力とタフネスを披露する。ドーピングでもしたのだろうか。
    ちなみに、彼がホッケーマスクを被ったのも今作から。
    ジェイソンの何を考えているか分からない不気味さ、無情さが出ていて成功していると思う。
    とは言え、他の演出では目立ったところがなく、殺害シーン、メイクとも手抜き。目が飛び出すシーンなんか、まんまバネだ。
    何より演出がパワーダウンしていてタルイ。ラストは1の二番煎じ、かつストーリーを無視した展開でげんなりしてしまった。

作品評価 ☆☆☆



13日の金曜日 Part.4 完結篇 13日の金曜日 −完結編−

死体安置所でジェイソンは再び目を覚ます。復讐はまだ終わらない。クリスタル・レイクに帰ってくる殺人鬼。
湖周辺で生活していたトミー少年とその母親、姉。復讐を誓いジェイソンを追う男。新しい旅行者達。
彼らとジェイソンの最後の夜が始まる。

感想 完結編と言うだけあってラスト近くの演出は鬼気迫るものがある。
    ジェイソンがドアを蹴破り入ってくるシーン、手を切りつけられ傷を眺めるシーン、死体が外から投げ込まれるシーンが好き。
    数ある名演出の中でも、トミー少年が頭を剃りジェイソンと対峙する場面は13金きっての名シーンと言える。
    やってることは2の二番煎じに見えるが、トミー役の子供の演技からして空気が張り詰めて行くような緊迫感がある。
    少年時代のジェイソンになり切り、死の淵にあるジェイソンを痛めつけるトミー。
    「死ね!死ね!死ね!」と狂ったようにナタを振るうトミーからは、序盤に見られた無邪気な少年の面影が消えさっており、
    まるで殺人鬼の魂に支配されてしまったかのような、第二のジェイソンと言うべき匂いがする。
    そしてその「匂い」はラストのトミー少年の表情で「確信」に近づいて行く。
    ジェイソンは死んだ。しかしまだ続くのではないか。そんな不安を残したラスト。
    今作は13日の金曜日シリーズの中でも文句なしの傑作である。

作品評価 ☆☆☆☆☆☆☆



 新・13日の金曜日

前作から数年後、トミーは事件のトラウマから満足な日常生活が送れず、精神病院に通院していた。
母親を殺された哀しみ、相手が殺人鬼とは言え、人を切り刻んだ哀しみ。それらは少年の心に背負いきれるものではなかった。
病院側の自然と触れ合い心を癒そうという試みで、トミーはキャンプ場に建てられた施設に送られる。
しかしそこはあろうことか因縁の地、クリスタル・レイクだった。ジェイソンの幻覚に悩まされるトミー。そして起こった新たな殺人事件。
まだジェイソンは生きているのか?まさか・・・・・・。トミー青年の心は迷走する。

感想 1のような「サスペンス風味」に回帰したのはいい傾向だと思う。ジェイソンの幻覚が現れるシーンが印象的。
    トミーが正常と異常の狭間にいるような描かれ方をしているのも面白い。
    この作品だけ物語りの中心がジェイソンとトミーに上手く二分されていて新鮮さを感じる。
    現実の殺人鬼は死んだものの、トミーが自らの内なる悪に屈服してしまったラストはとても興味深い。
    言ってしまえば前作の二番煎じだが、はっきりと形に出てしまったところに諦めの混じった哀しみを感じる。
    どうでもいいけど便所で鼻歌口ずさんでいたマイケル・ジャクソンもどきのニーチャンが好きだ。

作品評価 ☆☆☆☆☆

 

 13日の金曜日 PART6 −ジェイソンは生きていた!−

前作からさらに数年が経過。成人したトミーだが、なおジェイソンの幻影に悩まされる日々が続いていた。
奴の生死を確認するまでは・・・死体をこの世から消すまでは・・・!
決意を固めたトミーは車にガソリンを積み、友人と共に墓地へ向かう。
門を抜け、ジェイソン・ボーヒーズと刻まれた墓を掘り起こす。棺の中にあったのは、蛆が湧き虫が巣食う腐乱死体。
少年時代の記憶がよみがえる。怒りに身をふるわせるトミー。墓場の鉄柵を一本抜き、死したジェイソンになお制裁を加える。

「死ね!死ね!死ね!」

渾身の力を込めた一撃一撃に跳ね上がる死体。ようやく落ち着きを取り戻したトミーが墓を離れた時、辺りに雷鳴が轟く。
二度、三度、やがて雷光は鉄柵を通してジェイソンを貫いた。
死体の目が開く。落雷のショックで殺人鬼は復活を遂げた。友人を殺され、ほうほうの体で逃げ帰るトミー。
既に生きた人間でさえない、殺人本能の塊と化したジェイソンは再びキャンプ場を惨劇に陥れる。
自らの過去に決着をつける、トミー3部作の完結編。

感想 トミー3部作の完結編、というわけでなかなか感慨深いものがある。
    ラストのトミーとジェイソンの死闘は、まさに決着の舞台という感じでグッド。ていうか、そこしか観るべきところがない。
    殺害シーンは無茶し過ぎだし、演出が恐怖に拘っていない。テンポはいいが、雷で生き返るという展開からしてかなりいい加減。
    署長の娘がまためちゃくちゃで、彼女の思考回路がどうなっているのか知りたい。もはや人間でなくなったジェイソンが見物ではある。

作品評価 ☆☆☆☆



 13日の金曜日 PART7 −新しい恐怖−

再びクリスタル・レイクに沈んだジェイソン。しかし超能力少女(!)のサイコキネシスが彼を蘇らせてしまう。
解き放たれた悪魔。今、ジェイソンと超能力少女の壮絶な死闘が始まる。

感想 特殊効果以外に見るとこなし。超能力を持ってしまった主人公の苦悩と亡き父親への思いがもっと描けていればよかったと思う。
    本命に相手にされない腹いせからどうでもいい男を誘った性悪女が印象に残っている。寸前でおあずけ食わすシーンが特に。
    「実はあたし、あなたが好きじゃないの。あなたといると彼が振り向いてくれると思ったの。ごめんなさいね」 
    え、えげつねえーー!

作品評価 ☆☆☆



 13日の金曜日 PART8 −ジェイソンNYへ行く−

三度湖に沈められたジェイソンだが、いつのまにか復活。ひょんなことから出航船に乗り込み、ニューヨークへと流れ着く。
ついにジェイソン全国区!都会に放たれた殺人鬼の末路は?

感想 『星の王子ニューヨークに行く』のパロディホラー。
    ジェイソンが自分の映画広告を見てきょとんとする、など人によっては笑えるシーンが挿入されている。
    が、言ってしまえばそれだけの駄作。殺人シーンはインパクトに拘り過ぎ。もはや笑いの域に達している。
    また開放的な都市空間を舞台にした分(スラムや下水へ逃げ込む場面はあるが)、恐怖度が薄れてしまっている。
    船の中にいた前半部は良かった。結末について、結果はアレでいいと思うけれど、
    そこまでの見せ方に問題があり、カタルシスが足りない。突拍子過ぎて意味不明。

作品評価 ☆☆



13日の金曜日〜ジェイソンの命日〜 13日の金曜日 −ジェイソンの命日−

クリスタル・レイクに舞い戻ってきた(どうやってニューヨークから帰って来たのかは不明)ジェイソン。
事態を重く見た政府は軍隊を出動させ掃討に当たる。
流石のジェイソンも多勢に無勢。兵士に囲まれ集中砲火を浴びた挙句、爆弾ぶっ放されて粉々になってしまう。
だがジェイソンは己の身体を捨て、死体搬送先の検死官に乗り移ることによって生き長らえたのだった。
逃走を続け、殺戮を繰り返すジェイソンの魂。彼の望みは叔母の肉体を奪い、完全復活を遂げること。
ジェイソンをこの世から葬り去る方法はあるのだろうか?

感想 しょっぱなから「もうどうでもいいや、爆死!」となげやりになっている監督の姿が目に浮かぶ。
    画面がやたら薄暗くて観辛い。さらにジェイソン=ホッケーマスクというキャラクター性を捨てたのが痛い。
    新しいイメージを打ち出そうとしているのだが、失敗に終わっていると思う。
    ラストはいい加減にしろと言いたい。結論、見んでよし。

作品評価 ☆



緊急企画 ジェイソンをぶっとばせ!!



緊急企画!ジェイソンをぶっとばせ!ぶっとばせ!ぶっとばせ!

「生意気なジェイソンをシメてやるッッ!!!」

「調子こいて宇宙行ってんじゃねえぞシャバ憎がッッ!!!」

そんな気骨ある漢達に送る秘伝の奥義。乗ってきた?乗ってきたか?

「カモーンジェイソン!!ヘイヘイッ!かかってこいカモーン!!」

よし、その意気だ。しかしあまりテンション上げ過ぎるとスキを突かれて殺されてしまう。
覚えておくといい。戦場では臆病なくらいでちょうどいいのだ。

「ねえ、私女なんだけど、ジェイソンに勝てるの?超能力とか持ってないと無理なんじゃ・・・・・・」

いや、違う。勝機はある。むしろ女性の方が生き残る可能性は高い。だから諦めずがんばろう。
地獄の底で薄っすら垂れる蜘蛛の糸。それを掴めるのはあなたのやり方次第、自分次第なのだ。

つーわけで、あなたがうっかり13日の金曜日にクリスタル・レイクを訪れてしまった時、
どうやって生き残るのか、どうやってジェイソンに対抗するのか、その方法をレクチャーしていく。
していくったらするんだ。文句あるか。


「えー、クリスタル・レイクに行かなきゃいいじゃーん」


行くの!いいから行くの!お婆ちゃんが倒れても行くの!


「13日の金曜日でしょ?なんで休日でもないのにわざわざキャンプ場行くのさ?」



うるせッッッーー!!



ファックオフ!!とにかく行くったら行くんだ。ガタガタ抜かす奴は俺が連れてく!拉致して置いてく!

つーわけで、13日の金曜日の登場人物になったつもりで読んでいただきたい。
はい妄想ターイム。トリップしよう、トリップ。ハイになろう。馬鹿になろう。

 

〜明日のための〜 その1 ジェイソンの特徴を把握せよ!

敵を知らずして勝ちはない。というわけでジェイソンについて多少なりとも知っておこう。
特にニセモノと本物の見分け方を知っておくと便利だ。



Profile

本名 ジェイソン・ボーヒーズ(母親はパメラ・ボーヒーズ)

生年月日 不明 13日の金曜日に生誕

所在地 クリスタル・レイク周辺(後グリーン・フォレストに改名)

身長 2メートル前後。未だ成長期。回を追うごとにでかくなる。

体重 100キロを優に超える。

趣味 覗き。殺人。驚かすこと。

性癖 マザコン

特徴 ホッケーマスクを被り作業服に身を包む。超人的タフネス。動きは鈍いが、先回りが得意。接近戦に長ける。

格闘術 不意打ち 暗器全般 顔面クラッシャー(脇から両手で頭部を押さえつけ破壊する) パンチ(その威力は身体を突き破り首を飛ばす)

主な武器 ナイフ 斧 ナタ 

ニセモノ



上の写真、実はジェイソンのニセモノなのだ。服装が全く同じ、ごついガタイもそっくりだが怯むことはない。
中身はただのおっさんだ。とは言え当然のように武装しているので気をつけよう。
見分け方はホッケーマスクについているマークの色。マークの色が赤だとホンモノ、青だとニセモノだ。
青と出会った際、銃を持っていたらしこたまぶち込んでやろう。
おっさんが防弾チョッキでも着てない限りたぶん勝てる。ダメならショットガンなりボウガンなりで距離を取って応戦しよう。
赤ジェイソンと出会った時は?んなもん効くわけないので(ショットガンだと一応倒れる)必死こいて逃げよう。


〜明日のための〜 その2 生存確率を上げろ!

ここではあなたが実際にキャンプ場に行った時『絶対やってはいけないこと』をレクチャーしていく。
掟を忠実に守れば、あなたは無事終盤まで生き残ることができるだろう。
なぜなら犠牲者のほとんどが、下に記された不文律を破って次々殺されてしまうからだ。
つまりこれは消去法で生き残ろうという作戦である。消極的だが重要だ。くれぐれも肝に命じておいてほしい。

第一条 セックスするな。

100%の確率で殺される。バックだろうが騎上位だろうが松葉崩しだろうが殺される。
運が悪ければヤッてる最中にグサッ。気をつけよう。キスはOK。どんどんやれ。

第二条 シャワー浴びるな。

女性はたっぷり覗かれた後で殺される。ご用心。野郎はシャワー浴びてる最中に殺される。出るまで待ってくれない。
バスルームでのん気に鼻歌なんか歌っていると、死亡確率がさらに上昇する。
「ねえ・・・・・・後で部屋に来て」なんて自室に戻って勝負下着に履き替えたりするのも止めた方がいい。覗かれてる。

第三条 マリファナ(ハッパ)吸うな。

100%の確率で死ぬ。朝吸っても昼吸っても夜吸っても同じ。
もう吸った時点で死亡確定。みんなと盛り上がっている時だからこそ、ノーと言える強さを持とう。

第四条 悪戯で仲間を驚かせるな。

これも危ない。初犯は大丈夫。「なんだよテッドー(仮名)、ふざけんなよー」で済む。
しかし二度目、三度目はない。何故なら次はあなた自身がジェイソンに襲われているから。
あなたの本当の叫びは仲間に届かない。「どーせ悪戯だろ」と流されてしまうのだ。

第五条 『キャシー(仮名)が心配だからちょっと見てくる』とか言うな。

助けたくなるのはやまやまだが、放っておいた方が懸命。まず帰って来れないし、キャシー(仮名)は既に死んでいる。
それでも助けに行きたい場合は――、必ず自分の愛する彼女を連れて行くこと。女性は頼りがいのある彼氏について行くこと。
単独行動は命を落とす。気をつけよう。

第六条 売れ残るな。

キャンプは出会いの場。上記の様にエッチまで行くと不味いのだが、売れ残るのもまた問題。
何故なら1人の時間が増えてしまい、必然的に狙われやすくなるから。
あなたがキャンプ場の監視員なり旅行者である場合は、必ず誰か1人をキープしておこう。

第七条 ベッドに寝そべってごろごろするな。

朝方は可。夜になり、仲間が1人2人見当たらない、そんな時にベッドに寝そべるのは自殺行為。
二段ベッドなら上から友人の死体がこんにちは。普通のベッドなら下(もしくは上)から刃物でグサッ。
クリスタル・レイクに着いた瞬間、徹夜する覚悟をしておこう。

第八条 部外者として登場するな。

これもかなりの高確率で死亡する。
主なキャラクターを挙げると、警察官、ヒッチハイカー、地元民(老人)、墓守、検死官、など。
目立たなければ生き残れるというわけでもない。きちんと物語の輪の中に入ろう。

第九条 怪しくても覗くな。

ドアが独りでに開いた。どこからか物音がした。窓の外に気配を感じた。探し物が見つからない。
異質な雰囲気を万が一感じたとしても、調べようなどとは思わないこと。
これらはジェイソンが接近しているサイン。彼は構って欲しがりなのだ。
ジェイソン自ら扉を蹴破るなりして出てくるまでは、こちらから仕掛けないようにしよう。

第十条 夜中、湖で素っ裸になって泳ぐな。

湖というのは、もちろんクリスタル・レイクのこと。それ以外の場所でも夜中の水浴びは危険だ。
久しぶりのバカンスで開放的な気分になるのは分かるが、ここはぐっと我慢。
湖に飛び込んだが最後、あなたが二度と陸に上がることはない。


〜明日のための〜 その3 対ジェイソン用必勝戦術

その1を頭に叩き込み、その2を忠実に守った諸君は終盤まで生き残っていることだろう。
始まってから一時間行くか行かないかという時間帯だ。この辺になってくると、ジェイソンも積極的になって堂々とコテージの中に進入してくる。
もはや消去法戦術は通用しない。頼る相手もほとんどいない。怪物を倒すしか道はないのだ。
そこでこの「対ジェイソン用必勝戦術」が役に立つ。これを読めばあなたは無事悪夢の夜を乗り越えることができるだろう。

戦術1 逃げろ!

とりあえず初見、ジェイソンがなりふり構わず襲ってきても立ち向かってはいけない。
ハンドガンを撃ったところで怯まず向かってくるし、接近戦に持ち込んだところで一撃で屠られるのがオチだ。とっとと逃げよう。
ただ闇雲に逃げるだけではいけない。ドアを棚で塞ぐ、きちんと退路を確保する、など後のことも考えながら逃げよう。
逃げていると、いつのまにか姿の見えなくなっていた仲間が死体となってわんさか出てくるが、気にしてはいけない。ひたすら走るべし。
この逃げるという戦術は基本中の基本で、下手な逃げ方は先回りされて即、死につながる。
普段からサバイバル・ゲームなどで鍛えておくとよいだろう。重要なのは逃げ方である。
ジェイソンは動きが鈍い。人並みの走力さえあれば大丈夫だ。

戦術2 転ばせろ!

息の根を止めようと思うからいけない。
ジェイソンに効果的に一撃を加えた後「ここで息の根を止めなければ!」と追撃して散って行った猛者は多い。
ナメてはいけない。ジェイソンはあなたが自ら近づいてくるのを待っている。
いったんつかまれたが最期、そこで生き残りの道はほとんど途絶えてしまう。ジェイソンの腕力は並大抵ではないのだ。
基本はヒット・アンド・アウェイ。一発与えて逃げまくり、も一発与えて逃げまくり、こういう形が望ましい。
そこでどのように効果的な一撃を加えて行くか、答えは意表を突くこと!不意打ちだ。
真正面から斧で切りかかる、パンチを浴びせる、そういった戦法はオススメできない。まずかわされるか、当たっても怯まない。
下手をすれば殺されてしまう。ジェイソンが無防備で追ってくる時、自分が物陰に隠れている時などがチャンス。
棒切れや体当たりでも不意をつけば転ばせることができる。真正面から行く時はショットガンを携帯しよう。命中すれば転んで時間が稼げる。
背後から接近して攻撃をしかける場合、首や目など急所一点で攻めよう。

戦術3 子供を利用しろ!

ジェイソンは何故か子供には優しい。
優しいというのも殺さないわけではなくて、殺す優先順位が1番最期というわけだ。
というわけでキャンプ場に子供がいた場合、彼らと一緒に行動すればよいだろう。
運悪くジェイソンに出会ってしまった!子供と二人でいた場合、ジェイソンはまずこちらに向かってくる。
自分がジェイソンを引き付けている間に、子供が武器を調達、後ろから斧で殴る、などと言った戦術が可能になる。
一人だけでジェイソンに立ち向かうのは流石に心もとない。信頼できるパートナーが必要なのだ。
キャンプ場に子供がいなければ、彼氏・彼女とコンビを組もう。
おそらく一発で気絶させられたりして全く役に立たないが、忘れた頃に助けに来てくれるケースもある。
間違っても警察官をパートナーにしては行けない。銃が効かずびびって「FUCK」とか言ってる間に殺されるのがオチだ。
パートナーが役に立ちそうになくても、希望を捨てないこと。これが1番大事。

戦術4 訴えかけろ!

絶対絶命・・・・・・武器も尽き、退路も尽きた。そんなどうしようもないピンチに選択する最終兵器。
それがジェイソンの心に訴えかける戦法なのだ。具体的にどうするかと言うと
女性はジェイソンの母親になり切る。「よしよし、ジェイソンいい子だね、ご褒美をあげよう」と適当なことを言って
手なづけてしまい、隙を見せた瞬間、手近な武器で攻撃。成功すれば効果的な一撃を与えることができる。
男性の場合は、もうジェイソンになり切る、これしかない。その場合、剃刀で頭をツルッパゲにしなければならず
時間がかかってあまり実践的とは言えない方法であるが、一応頭に入れておくとよいだろう。
パートナーが狙われていて、もう殺されてしまう!そんなせっぱつまった状況では挑発するのも手だ。
「ヘイ、ジェイソン!僕が怖いのか!来いよ!決着をつけよう!」などと叫んでこちらに注意を向けさせよう。
上手く行けば切れたジェイソンがこちらに向かってきてパートナーは助かる。
しかし必然的に今度は自分が危なくなるというわけで、諸刃の剣的な戦法でもある。使いどころを間違えないようにしたい。

戦術5 仮面を剥がせ!

過去、生き残った者のほとんどが行った戦術。それがジェイソンの仮面剥がし。
シリーズ中、例外は「PART6」と「ジェイソンの命日」のみ。
仮面を剥がすこと自体に意味はないが、仮面を剥がさずして勝利を掴んだものは少ない。
よって隙があれば後ろからナタで切りかかるなどして、仮面を飛ばしてしまおう。狙うは後頭部。
留め金やバンドを断ち切ればなんのことはなく仮面は外れる。この世の者とは思えないジェイソンの素顔を見ても怯まないこと。
仮面を剥がされたジェイソンは必ずこちらに向かってくる。
逆にその習性を利用して、手痛い一撃を加えてやろう。勝利はもう目の前だ。

戦術6 トドメはどうする?

仮面を剥がした(ジェイソンの素顔を見た)後は、いよいよフィニッシュブロー。
ここをしくじるとせっかくの努力が水の泡。武器は慎重に選択したい。
過去作品のフィニッシュ・ブローを調べたところ(1作目は除く)、

・斧で後ろから切りつける
・斧で脳天直撃
・ナタを側頭部をぶち込んだ後、めった切り
・針山に串刺し
・鎖でつないで湖に沈める
・超能力で親父を生き返らせる
・汚水で流す
・聖霊を呼び出してあの世へ連れてってもらう


できっこないことまで混ざっているが気にしないで欲しい。ようするに斧・ナタで致命傷を与えるのが有効。
隙を突き、狙うは頭部。渾身の力を込め、即死級の致命傷を与えれば勝てる。くれぐれも機を逃さないように。

戦術7 闘いを終えて

上記の戦術を駆使して、ついにジェイソンを倒した!やった!
しかし果たしてそうだろうか?ジェイソンは本当に死んだのだろうか?気になっても調べてはいけない。
彼は調べられるとムクッと息を吹き返す習性を持っているからだ。
ジェイソンが生きていようが死んでいようが、この一日を乗り切ればそれでよい。ここは冷静に割り切ろう。
それから朝まで過ごす場所がないからと言って(コテージの中は死体だらけだ)
湖にボートを浮かべて救助を待つのは止めた方がいい。中から変なのが飛び出してきて湖に沈められてしまう。
くれぐれも気をつけよう。最後まで気を抜かず、これらの難関を全てクリアした者が生還できるのだ。


Congratulation!!!



あーっと、今回生き残ったからと言って続編に出るのはオススメしない。

なぜなら続編では、あなたが最初の犠牲者になるかもしれないから・・・・・・。

きゃっ!ベタ!ベタ過ぎ!(頬を赤らめ)


END

 

えーと、そういうわけで(どういうわけで?)次回は90年代初めに流行ったシリアル・キラー物で行こう。
何かとモデルの多いこのジャンル。ヘンリー・リー・ルーカス、サムの息子(デイビット・バーコウィッツ)、エド・ゲイン。
事実はホラーよりも奇なり。サイコ・ムービーは人間の心の闇を映し出す。
それではまた。さようなら。



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