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新世紀エヴァンゲリオン
SS DVD
セガ
デジタルアドベンチャー |
新世紀エヴァンゲリオン初のゲーム化作品。
ゲーム的な要素は乏しく、描き下ろしや原作流用のアニメムービーが常時流れる中、
戦闘や、節々で登場する選択肢を選ぶことでシナリオが分岐するのみである。
この時期はまだエヴァンゲリオンはただのアニメであり、知名度も微々たるものだった。
にも関わらずのこのゲーム化は綿密なメディアミックス計画の賜物だろう。
しかし、綾波レイによる碇シンジへの呼称が一貫して「シンジくん」である等、
その早すぎるゲーム化は設定の不備を招いてしまっている。
だが逆に考えれば、碇シンジが記憶喪失になるという今作のシナリオも加えて、
偶然ではあるが原作では有り得ない行動を可能とした、とも言える。
洞木ヒカリへの接吻行為がその最たる物だ。
ファンの反発が皆無だった時期だけに、やりたい放題なのである。
それ故、今作は設定に囚われ、ファンの反発を恐れ、
中途半端な自由度で作成された後の数々のゲームよりプレイしていて面白いと断言しよう。
尚、ジャケット画像は廉価版の物であり、通常版とは違ったデザインとなっている。
筆者は通常版も発売日に購入していたのだが、
後にエヴァブームが起こると「ここだ!ここで売り払うんだ!」と確信。
高額で中古ショップと取り引きし、後に後悔と共に廉価版を再入手したという経緯がある。
現在は当然サターンのムービーとは比べ物にならない画質のDVD版も出ているので、
そちらを手に取ってみるのも良いだろう。
ここでは、パワーメモリーにしぶとく残っていた無数に存在するシナリオの内の一つで、
隠しシナリオ的なエピソードのリプレイを紹介しよう。
原作の設定では有り得ない出来事の起こるこのシナリオだが、
だからこそ意外性があって面白いという
このSSエヴァ第一作の魅力の多くが詰まったシナリオである。
という大義名分を建前にアスカシナリオだから選出したといった意味合いの方が大きいのは
実に否定し難い。
素直になれなくて