CR新世紀エヴァンゲリオン 〜奇跡の価値は〜
PS2
D3PUBLISHER
パチンコ
前作 に引き続いていきなりこんなことを書くのは間違いかも知れないが、
筆者はパチンコにおける知識をまるで持ち合わせてはいない。
オプションの項目を見ても何の暗号なのかと首をひねるばかりである。
実機を研究する意思もなく、家で練習してホールへ乗り込む行動力も一切ない。
よって筆者の今作の楽しみ方はどうしても液晶デモを眺める、
といった一種の美術鑑賞となってしまうわけだが、
今回は大当たり演出に“心よ原始に戻れ”と“FLY ME TO THE MOON”が追加されており、
“残酷な天使のテーゼ”“魂のルフラン”のデモもCG部分が新作となっている。
が、ほとんど同じと言ってしまえばその通りで、
新曲のアニメーション演出も素材があれば素人でもPCで作れそうなほどに単調。
一枚絵が淡々と流れるだけで、曲と映像のシンクロで盛り上げようという趣向を感じない。
ハイセンスなPVや新作OPアニメ的なものを期待していると肩を落とすことになるだろう。
実際、何度も観て楽しめるものではない。
しかし、それで
現ナマが増える とあれば
何度観ても飽きない 、
いや、
何度だって観たい と思うのは悲しみに綴られたヒトの世の真実であり、
曲が終わろうとする度、動け! 動け! 動け! 動いてよォ!
と叫ぶいい大人達を誰が責められようか。
多彩なスーパーリーチ演出、ノリの良い原曲アレンジや完成度の高いオリジナル曲、
ボイスやアニメーション等、やはり非常に出来の良いエヴァゲーと言えるだろう。
特に、IF展開による(3Dモデルでない)完全新作アニメ部分は、
画風に違和感こそあるもののかなり手の込んだ描き下ろしカットとなっており、
一度は観ておく価値のある一品である。
このPS2版では残念ながら
現ナマは増えない が、ここまで演出に凝っていると、
何か別の作業をしながらバックグラウンドで起動しておいても楽しい。
玉の出るジャランという音が耳に心地良いし、壮大な名曲もあって下品な感じがしないのだ。
先の通り歌も増えているので、パチンコは演出以外全部同じにしか見えない筆者ではあるが、
演出マシーンとしては順当にパワーアップしているのが有り有りと解る新作である。
確かにこれで
現ナマが増えるとあれば 、これほど面白いエヴァゲーもないだろう。
惜しむらくは、実機の研究というコンセプト上、仕方がないのかも知れないが、
筆者のようにパチンコをやらないファンのためにも人知れずネルフをクビになったミサトが
ネルフへ行く振りをして家を出て早朝からパチンコ屋に並び、
タバコの箱を置いて台を確保する場所より始まる
ゲーム性の高いストーリーモードが欲しかった所ではある。
よく解らないのだが、どうも
今作はアスカが主役 らしい。
演出関連がアスカだけやたらと多いし、ヤシマ作戦でもアスカが射撃手というIF展開を見せる。
vsゼルエルでもレイは武器を与えられず、必死に
拳で 闘っているのに対し、
アスカは原作アニメ未登場の大型破砕兵器、
デュアルソーを手に派手な立ち回りを見せてくれる。
どうにも量産機に嬲られるだけといった印象だった前作から破格の躍進と言えるだろう。
「もっともっと出してね!」 という卑猥なボイスが耳から耳から離れない。
また、前作では何故かボイスのなかった渚カヲルもデモ、セリフ演出が多数搭載されており、
使徒に敗れ、大ピンチのシンジの元へ颯爽と助けに現れたりと、IF展開が強烈に熱い。
ファンの誰もが「これが見たかったんだ!」というワンシーンだろう。
それで現ナマが増える とあれば尚更だ。
「待たせたね、シンジ君。さあ……お仕置きだ!」
尚、くれぐれも、このPlayStation2版で現ナマは増えません。