小鉄会議

Tweet

「はい、そういうわけで小鉄業界に咲く一輪の花、小鉄の大冒険の小鉄でおす。
 これから色んな小鉄はんが集まって会談していきますよって、よろしゅう」

「おう、小鉄と言えばわしやな。じゃりん子チエの小鉄や」

「山本小鉄です」

「会津の小鉄、よろしくお願いします」

「おぅあぁ! 究極戦隊ダ●ンダーンの小鉄だぁ!」

「ダダン●ーンの小鉄はん、横幅長いでおすなぁ」

「そうしねぇと俺様のまばゆいふんどしが写らねぇからな」

「写らんでええわい、そんなもん」

「なんだと!? 小鉄と言えばふんどし! ふんどしと言えば小鉄だろ!」

「アホぬかせ!
 そういうイメージを変えるために冒険する小鉄が体はっとるんやないか!」

「まぁまぁ、チエの小鉄はんもふんどしの小鉄はんも同じ小鉄同士、
 仲良うしはってください」

「ふざけんな!
 ふんどしでもねぇ野郎が小鉄を語るたぁ寒い時代になったもんだぜ!
 ここに居るやつぁおっさん以外みんなふんどしだよな!? ええオイ!
 ほらおめぇらも俺様の様にふんどしを悩ましげに露わにしてみせろ!
 見せろ! 見せろ! オラおい!」

「…………」

「すんません…… 悪ノリしすぎました……
 ホントすんません……」

「まぁ、よろしゅうおす。
 そろそろ会議を始めますえ。
 議題は21世紀の小鉄業界についてでよろしゅうおすか?」

「ふんどしとは勇ましいですなぁ」

「…………」

「!?」

「おう。俺様の趣味は俳句なんだが、
 おめぇさんらは趣味とか特技とかあんのか?」

「演歌ですかねぇ」

「まだ自己紹介でおすか?
 うちは剣術にはちょっと自信ありますえ」

「ダイビングヘッドバットは得意でしたね」

「わしはようわからん」

「わからん?」

「実はじゃりん子チエ観たことないねん。
 ホントに小鉄なんかも自信ない」

「大人の事情ですなぁ」

「みんな結構、格闘系得意なんだな。まぁ小鉄だしな。
 俺様も衝天砲ってんだが気を撃てるんだぜ。
 コマンドは…… ああ、ぶっちゃけた話、波動拳だ」

「懐かしいですなぁ、コ●ミの究極戦隊●ダンダーン。
 よく力道山先生と二人プレイしましたね。
 私がアンで力道山先生がイーグル、いや懐かしい」

「おお! ハゲのおっさん話せるじゃねぇか!
 つーか、俺使えよ!俺!」

「力道山先生はマッスルハンマー(→↓)を実戦に導入するんだと
 張り切っていましたが…… ご存知の不幸で……」

「昭和プロレスは味があってええな。
 わしもガキん頃は悪役レスラー見てビビリよってな。流血見ては泣きよってん。
 はは、ええ思い出や」

「……ダダ●ダーンは平成生まれですえ」

「こりゃあ一本取られましたなぁ」

「……そろそろ議題に入ってよろしゅうおす?」

「女の子がいると和みますなぁ」

「わしら必要以上に暑苦しいもんな」

「だからおめぇら俺様を見習って涼しげに露出しろっつってんだ!
 ふんどしだ! やっぱふんどしだろオイ!
 おめぇらもホントはふんどし好きなんだろエエ!?
 よし! 俺が特別にスペアふんどしを分けてやる!
 ほらさっさと脱いでそこ並べ! 脱げオラ! ええオイ!」

「…………」

「すんません…… 悪ノリしすぎました……
 ホントすんません……」

「もうつべこべ言わんとさっさと議題始めますえ」

「ふんどしというのも中々オツですなぁ」

「…………」

「!?」

「うちが思うにこれからの小鉄業界はもっとオープンにいかなあきまへんえ。
 うちとしてはゴールデン進出。国民的アニメ化でおす。
 そこでチエの小鉄はんに成功の秘訣でも教えてもらえたら思て
 色々質問あるんやけどええどすか?」

「いや、わしじゃりん子チエ観たことないし」

「…………」

アホダマ〜〜!!
 運を手にすりゃあ自分の勝つ方程式が見えてくるんじゃあ!」

ビクッ!

「おお、アカテン教師梨本小鉄さんじゃないですか」

「遅刻してくるたぁホントにアカテンな野郎だぜ!」

「俺は常勝無敗の梨本小鉄だぜ!
 遅刻もできねぇで教育ができるかよぉ!」

「ここまでアカテンだと逆に清々しいですねぇ」

「おお! あんた! 解ってるじゃねぇか!
 あんた博打に向いてるかもな! がははは!」

「……あのぉ、メジャーデビューの話はどうなってますえ?」

アホダマ〜〜!!
 いくら学歴ぶら下げても天下を取らなきゃ親が泣くぜ!」

  ビクッ!
「え? ええ?
 メジャーデビューが学歴として天下は何でおすの?
 え? あれ? デビューが天下? え? あえぇ?」

「奥が深いですなぁ」

「結局どうやったらメジャーデビューできますの?
 うちそれ知らな一応司会として帰れまへんえ」

「運がよけりゃ必ず活路は見い出せる!!」

「……運でおすか」

「運と添い寝の一発人生よ!!」

「奥が深いですなぁ」

「お前は千尋の谷に突き落としても這い上がって来ねえ子だ!
 そのまま川の流れに乗っかって……
 いざ海に出たら太平洋でも泳ぎきっちまう!!」

「な、なんだかよく意味解りまへんけどやる気出てきましたえ!
 そんなところで結論も出たし! ここらでお開きにしまひょか!」

アホダマ〜〜!!

ビクッ!

「涙が枯れちまうまで泣いてみな……
 最後の一滴が打ち止めになるまでよォ……!!」

「へへっ…… 頬を伝う汚れ無き涙が止まんねぇぜ……」

「くぅぅ…… あんた救世主でおま! 小鉄業界の救世主でおま!」

「奥が深いですなぁ」

小鉄よ!天に向かって唾を吐け!

アカテン教師梨本小鉄が天高く吐いた唾は美しい虹となって小鉄達を包みこんだ。


「レ…… 虹(レインボー)!!」

「さぁおめぇらもやってみな!
 必ずできるはずだ! お前たちが小鉄魂を持っているならな!
 さぁ! やってみせろ! 小鉄業界の明日のために!
 さぁ吐け! 唾を吐け! 天に向かって唾を吐け!!」

「…………」

「すんません…… 悪ノリしすぎました……
 ホントすんません……」

「…………」



戻る