冒頭、S.I.Nの基地でジュリが機械の左目、風水エンジンのチェックを受けている。
それを見守るセス。
ゲーム中では全裸のセスだが、今回のアニメでは前回同様、スーツ姿でバシッと決めている。
しかし似合わない。この男は何を着てもおよそ似合いそうにない。
むしろ全裸が一番良く似合っていると言える。全裸が一番似合う男、それがセスだ。
経過は良好との報告を聞き、「いい子だ」と微笑むセス。
そしてジュリもまた不敵な、邪悪な笑みを浮かべていた。
人で賑わう夕暮れのアミューズメントパークに銃声が鳴り響く。
武装した男達は恐怖に引きつった表情でマシンガンを撃ち続けているが、
女一人に撹乱され、ただただ一般客を巻き込むばかり。
やっと女――ジュリへ直接、ロケットランチャーを撃ち込めたかと思えば、
弾をあっさりと蹴り飛ばされてしまい、まるで通用しない。
それは少し強すぎはしまいか。
男達は次々とジュリに始末されていった。
パークの外では当然、警察が集まっていたが、何故か突入の気配はない。
そこに駆け付ける仲良し三人組。
その
明らかに場違いなイデタチ(あと髪型)の三人に警官も「
何だ!? キミ達は!?」と驚きを隠せないが、
春麗がインターポールであると身分を明かすと警官も敬語で話すようになった。
パーク内の説明を受ける三人。
中で暴れている男達は元S.I.N社員、つまりはS.I.Nの脱走兵であり、
突入出来ないでいるのは、身内の問題は身内で処理するとS.I.Nの圧力が掛かっているかららしい。
しかし中にはまだ逃げ遅れた一般客達が取り残されている。
内部に凄まじい“気”を感じた春麗達は、たった三人での突入を決意する。
パーク内では脱走兵の男が多数の人質を取っていた。
半狂乱で、近づけば人質を殺すと叫ぶが、ジュリは「好きにすればぁ?」と意に介さない。
マシンガンを乱射しても、
何か風水バリアみたいなのが出てまるで通用しない。
これはもう力士とかプロレスラーとかじゃ勝負になりそうにない。
ちなみにゲームでのジュリの防御力(体力)はむしろ
低い。
さらにジュリが風水エンジンを解放すると大爆発が起こり、アミューズメントパークは崩壊した。
ゲームでの風水エンジンは
ただチェーンコンボが使えるだけなのだが……
この必殺技がゲームでも使えたならば、ジュリも弱キャラの汚名を返上出来たであろう。
ガイル達が突入すると、爆発した内部は地獄絵図となっていた。
犠牲者は当然、S.I.N脱走兵だけでなく、逃げ遅れた一般客にまで及んでいる。
ガイルは真っ先に「
オレとキャミィで怪我人を救助する!」と言い放ち、春麗を爆心地へと送った。
この人、男――それも
軍人のクセに女性を戦地へ放り込み、自分は後方で救助に当たるという。
こんなときにまで“待ち”である。
脱走兵の男は、爆発の中心にいたにも関わらず何故か原型を留めて生き残っていた。
ジュリが敢えて生かしていたのだろうか?
必死に命乞いをする男を踏み躙り、ジュリは満足そうに笑った。
そこに到着する春麗。
もう任務は終わったと、立ち去ろうとするジュリだが、多くの人を巻き込んだこの女を春麗は許さない。
蹴り掛かるジュリに春麗は迷わず応戦した。
だが、覇山蹴、スピニングバードキック、気功拳と必殺技の限りを尽くすも軽くあしらわれるのみ。
ぽっと出の新人に軽くあしらわれる春麗。
ついには生き残りの親子に目を奪われた隙を突かれ、
気が背中に突き抜ける密着風破連刃のような感じ(?)であえなくKOされた。
ぽっと出の新人にあえなくKOされた。
止めを刺そうとするジュリ。
しかしその時、左目の風水エンジンがけたたましくエラーを告げた。
ジュリの風水エンジンはまだプロトタイプであり、未完成品だったのだ。
そこに駆け付けるガイル達。
「
春麗は無事か!」と声を荒げるガイルだが、お前が後方で待っていたせいである。
いつかの映画のようにまたボロボロで病院に担ぎ込まれる春麗。
「
一体何者なんだ…… 春麗を、あそこまで……」
と苦々しく呟くガイルだが、お前が後方で待っていたせいである。
春麗は意識を取り戻すと、ガイル、キャミィにPCを要求し、何やらデータを扱い始めた。
目が覚めると枕元に見覚えのないUSBメモリが置かれてあったらしい。
データを解凍すると、ジュリの映像がリアルタイムで映し出される謎のサイトへと繋がった。
ジュリの向かう先は多国籍企業ソスナの研究所。
ガイルとキャミィは提供された情報を信じ、足早に北へと向かった。
輸送機の中、モニターのセスから任務の説明を聞くジュリ。
目的はやはりソスナの研究所。そこに潜伏する、セスの命を狙う12人の女達。
乗り気のしないジュリだったが、彼女らが元シャドルーのベガ親衛隊と聞くと目の色が変わった。
その全員を生け捕り、S.I.Nの実験動物とすることが今回の任務である。
一方、ガイル達も春麗からの情報でジュリのデータを手に入れていた。
ハン・ジュリ。韓国籍。
父は高名な検事で、シャドルー摘発へ動いていたが、それが仇となり家族もろとも誘拐される。
後に救出されるもその際、ジュリは左目を失明。両親は結局、死亡した。
今、その左目には、完成された風水エンジンが埋め込まれている。
輸送機にはすでに次々と、昏倒したベガ親衛隊の少女達が運び込まれていた。
最後の二人、ユーリとユーニでジュリを挟み込むが、
回旋断界落を浴びせられ、まとめて意識を失うのだった。
ジュリが二人を運び出す頃、ついに到着するガイルのジェット機。
ガイルはハンドルを握っているという理由でここでも“待ち”を選択し、キャミィがジュリへと飛び掛かる。
だが、かつての自分と同じ境遇であるユーニを盾にされ、手が出せない。
結局、ぽっと出の新人にひと蹴りでKOされ、もはや止めを刺されるのみ。
だが、絶体絶命のその瞬間、ついにあの男が動いた!
ついにガン待ちの封印を解いたガイル少佐の一撃である!
と言っても
充分に距離を取ったソニックブームだが。
さすがに実力者だけあってジュリを相手にも互角の攻防を演じるガイル。
しかし、一撃もクリーンヒットを奪えないまま、結局はぽっと出の新人に押され始める。
ぽっと出の新人に押されるガイル。
余裕のジュリは前に闘った春麗をなじり始めた。
それがガイルに火を点ける。
怒りをあらわにしたガイルの重い蹴りがついにジュリの急所を捉えた。
もっとも、一番の実力者が後方で待っていたから春麗が大怪我をした
わけだが。
今度はジュリが怒り狂う番だった。
常に浮かんでいた残忍な笑みは消え、怒りの形相のみが浮かんでいる。
ついに風水エンジンを解放したジュリはガイルでさえ反応出来ない速度で踏み込み、
また密着から気が背中に突き抜ける貫通レーザーを放った。
ガイルは吹き飛び、奔り抜けた気はジェット機に激突して大爆発を起こした。
どうやらアニメジュリの決め技らしいこの貫通レーザーがゲームでも使えれば、
ゲームのガイル相手でも圧勝出来たであろうに……
もはや致命傷を受け、瀕死状態のガイル。
ぽっと出の新人相手に瀕死状態のガイル。
後を任せられたキャミィは決意の表情でジュリを追った。
全てのベガ親衛隊を回収し、飛び立つS.I.Nの輸送機。
キャミィはギリギリでそれに飛び付き、内部への侵入に成功した。
ジュリと対峙するキャミィ。
移動中の輸送機の中で風水エンジンを全開にすれば、また爆発して機が墜落してしまう。
地の利はキャミィに有り。
なのに手も足も出ない。ぽっと出の新人に手も足も出ないキャミィ。
とうとうキャミィはユーニを投げ付けられ、その勢いで輸送機から叩き落とされてしまうのだった。
雪がクッションになり、一命は取り留めたキャミィとユーニ。
しかし、かつて境遇を同じくしたベガ親衛隊の少女達を蹂躙された屈辱は拭い切れるものではなかった。
「
許さない…… 絶対……!」
一方、事件の顛末をホテルの一室でモニターするババァの姿があった。
ババァの名はクリムゾン・ヴァイパー。今回の情報提供者である。
これからシャドルーとS.I.Nの、泥沼の潰し合いが始まる。
これが見たくてここに来たのだと、ジュリは笑った。