Battle 1
テリー・ボガード
VSダック・キング
VSマイケル・マックス


北斗十番勝負のようなサブタイトルに軽く脱力しながら1ページ目をめくると、
まず――

※このまんがはスーパーファミコンソフト「餓狼伝説」をまんが化したものです。
内容が一部ゲームとことなる場合があります。


と書いてある。
どうやらこのマンガはNEOGEO版ではなく、あの忌まわしいタカラ餓狼が元らしい。

ボンボン+タカラ

この悪夢のようなタッグにNEOGEOファンとしては
むしろ「一部ゲームとことなる」部分に期待が膨らむだろう。
まぁ、そもそもタカラ餓狼自体がゲームと異なっているのだが。

壮大な物語はナレーションから幕を開けた。

1981年――
世界最強(キング・オブ・ファイター)とよばれたストリートファイトのチャンプ、
ジェフ・ボガードが暴漢におそわれ死亡した・・・・。


アニメ版のバーチャファイターは主人公アキラのことを
「人は彼を『バーチャファイター』と呼ぶ!」と豪語していたが、
どうやらこのマンガの中ではキング・オブ・ザ・ファイターズのチャンプは
問答無用でキング・オブ・ファイターと呼ばれるようだ。

なにはともあれゲームの通りギースの手によってKOFは開かれ、
そしてテリー、アンディ、ふたりの兄弟が暴力の街、サウスタウンへと戻って来た。
しかしその時ふたりの背後に黒い影が!!



それは ファイターと言うにはあまりに怪しすぎた


黒く薄く暑く そして男前すぎた


それはまさに
変態 だった





黒い拳士 ジョー・東登場

さすがにパンツルックで街を徘徊するのは不自然に感じたのか服を着ているようだが、
それがなぜか黒マント。(ゲーマント!?)
下はいつものパンツルックなのは間違いないだろう。裸足だし

恐らくバトルに入ったらマントを脱ぎ捨てて戦闘(パンツ)スタイルになるのだろうが、
パンツ一丁で街を歩くのを変態的と判断し、上から着衣させたはずが
なぜかますます変態的な絵となっているのは気のせいだろうか?
しかも無意味に仲むつまじい兄弟の間を割って入り、さらにまた無意味に男前
完全に主役を喰っている
テリーが「すげえ気をもってやがる」とドラゴンボールのようなセリフを吐いてしまうのも無理はない。
呆然と立ち尽くす二人が印象的である。

そこへタン先生が登場。「なんだじィさん」と驚くアンディ。
しかし餓狼1時点ではタン・フー・ルーがテリー達の師匠という設定はなかったはずなので
これは作者ではなくSNKが悪い。

KOFのルールを解説するタン。
なにやら街の七ヶ所に散らばるギース子飼いの殺し屋を倒し、
ギースの(タワーではないようです)のギースの下へ辿り着いた者が優勝らしい。
大会として機能してないようなルールだが、そういうことらしい。

アンディと別れてひとりバトルエリアへと向かうテリー。


すると変身途中のウルトラセブンのようなダック・キングが現れた。
どうやらダックもギースの手下になっているようだ。

「ぶっ殺したるーっ!!」と叫んで襲って来るダックを不思議格ゲーマンガお約束の
「ニークラッシュ!」「サニーパンチ!」「フェイスキック!」等、
通常技まで叫びながら繰り出すラッシュで一蹴するテリー。
餓狼1の通常技の資料がないのでこれらの技が本当にあるのかは謎だが、
サニーパンチは今後度々出て来るボンボンテリーの得意技だ。

劣勢のダックは必殺技のヘッド・スピン・アタックを敢行。
観客が「でたぞ! ヘッド・スピン・アタックだ!」と大騒ぎする中、
テリーは「空中殺法か!」とどこかズレた反応を見せた。
一度は喰らってダウンするものの、連発して来るヘッドスピンにパワーウェーブをぶつけてKO。
ダックは気功技の前に散った。
本当はパワーウェーブではなくパワーウェなのだが、以後、全てウェーブである。
まぁそんな些細な間違いはどうでも良いのだが、タカラ餓狼ではパワーウェーブだったのだろうか?

「空中殺法はあたればきくが飛んでいるあいだは方向をかえられない……
 つまり相手の攻撃もかわすことができないということだ!」


と、ダックに敗因を解説してやるテリー。
言ってることはよく解るが今時空中殺法はないだろう
作者コメントで自ら格闘技マニアと語る作者だが、
実際は昭和プロレスマニアの間違いである可能性が出て来た。

その闘いをカラス型監視カメラで監視するギース。
れっきとした大会なんだから堂々と撮影すれば良いと思うのだが……


次のバトルエリアで顔を洗っているテリーをマイケル・マックスが急襲した。
ボコボコにされるテリー。
そこに突然木の陰から現れたタン先生がマイケル・マックスの解説を行い、
テリーは相手が有名なボクサーだと知った。

テリーはダックを一撃で屠ったパワーウェーブを放つ。しかし、
「一流のボクサーはガードも一流だ
どんな威力のある技も間合いをとればふせぎきれる」

と言われて普通にガードされてしまった。
遠い間合いから撃つから飛び道具なのに
「間合いをとればふせぎきれる」と言われてしまってはテリーもどうしようもなく、
マイケル・マックスの必殺技、トルネード・アッパーを喰らい「ぐははっ!!」とダウン。

攻め手を失ったテリーは「イチかバチか」と言いながら
バーンナックルでトルネード・アッパーに突撃し、
「げぇぇっ オレの竜巻(トルネード)をつきやぶった!?」
と、ゆでたまご風に驚くマイケルに拳を浴びせて二人目もKOした。