魔王復活
烈風再襲の章

テリーはギースの顔を見てすぐにダックをやったのはお前だと決め付けました。
ギースはあっさりと容疑を認めました。
「それがどうした? この街はわしの街
 わしをうらぎったうすぎたないドブネズミの住むところではない」

開き直ることで、自己の正当性を主張しました。

当然、テリーは怒りました。でもアンディはもっと怒っていました。
そして、よせば良いのにギースと闘うと言い出しました。
それを聞いたギースはおもむろにレイジングストームを繰り出しました。



すると、最上階がまるごと吹っ飛びました。
自分の館なのにも関わらず、ギースは何の躊躇もなく吹き飛ばしました。



昔、岬の先がちょこっと吹っ飛んだだけで大騒ぎになったのは
何だったのかとぼくは寂しく思いました。

ギースはまだこんなものは本気ではないと言って威嚇しました。
でも、アンディはそれを聞いて喜びました。マゾなのかと思いました。
でも、それは違いました。

「こんなコケおどしで力(パワー)を使い果たしたお前をたおしてもおれのうらみははれない
 全力(フルパワー)のおまえをぶちのめし
 きさまの野望も自信(プライド)もズタズタにしてやらなければな」


そう口から出たアンディの言葉はとても美形キャラのものとは思えませんでした。
理性的でない状態のアンディはギースを一方的に叩きのめしました。
2での睡眠学習効果が残っているのか、アンディは一方的な強さでした。



しかし、トドメの飛翔拳は躱されてしまいました。
あまり躱しているようには見えない絵なのですが、
ジョーが、「よ よけた!? あの近距離からの飛翔拳を」と言っていたので、
元祖「はおっ!」の使い手の見解を尊重するべきだとぼくは判断しました。



ギースは実はピンピンしていました。
アンディはスピードこそ自分より上だが、小柄ゆえにパンチが軽いとダメ出しを行いました。
「な なんと! 一撃でアンディが数メートルもふっとばされた」
と声を荒げるジョー・東の解説は実に見事でした。
ダックの無念がジョーに乗り移っているかのようでした。

ギースは「一門の大砲は百の拳銃に勝る!」とカッコ良いことを言いました。
アンディはズタズタにされました。
そして、トドメの力(パワー)を手に集めたので、ジョーはマントを脱ぎ捨ててカットに入りました。
舞も入りました。テリーは入りませんでした。
しかし、二人の攻撃もギースには効かず、一撃で倒されてしまいました。

テリーはギースの背中にメンチを切りました。
「おま……え 誰だ?」
テリーは「たしかにアンディの攻めは軽い!!」とダメ出しを行った上で、
それでもまったくダメージがないはずはないと訝しげに思いました。
ギースは得意気に言いました。

「わたしはギースだ 正真正銘の」



ギースは新(ネオ)ギースになっていました。

「のぼせあがるなよ テリー 成長するのはおまえたちだけではない
 おまえと闘(や)ったあの日からこのわしも成長している」


そしていつかと同じように成長論を唱えました。
ネオギースのすごい気を見たテリーは自分も本気でやってやると言いました。
そして、因縁のテリーvsギースの闘いが始まりました。アンディはまた負けました。
テリーは殺人技の限りを尽くしてギースを一方的に叩きのめしました。



ギースはまったく成長していませんでした。

ついにパワーゲイザーで地面にめり込んだギースはもう完全にKOされているように見えました。
ギースは泳いだ目で「ち…… 力をかせ…… て……天龍」と口を動かしました。
すると「好!」という返事が返って来て、ネオギースは復活したのでした。
テリーはメンチを切りました。



徒手神拳の章

テリーはネオギースのことを人間ではないと言いました。
「人間ならあれだけのダメージうけて立ちあがるなんざ絶対できねぇ」と言いました。
ネオギースはそういう言い方をするのならすべての人間を超えた自分はすでに人間ではなく、
「そう…… 魔王」だと主張しました。


(C)ドラゴンボール 鳥山明 集英社

その技はまさに大魔王そのものでした。

解説ポジションに戻ったアンディは「小石をまるで弾丸のように!」と評価しました。
アンディ・ボガードは石の解説が多いキャラクターだとぼくは思いました。
テリーはネオギースから感じる二人分の妖気が怖くなりました。
攻め込めなくなったテリーをネオギースはノーガードで挑発しました。
テリーは簡単に挑発に乗る男でした。しかし、テリーの攻撃は当たりませんでした。
ネオギースはここぞとばかりに通常技を叫んで繰り出しました。
「飛燕天破拳!!」「不動殺活裏拳!!」「村雨打ち」「中段打ち」「天倒割り」「暗夜光突きーっ」
ネオギースはやりたい放題でした。

さすがのテリーも血を噴き出して死を覚悟しました。
それが解ったので、アンディは飛翔拳でカットしました。ネオギースは怒りました。
「ひっこんでおれ〜っ」と指ビームを撃ち、アンディを退治しました。

「ぬ……ぐ……お…… た……立て テリ……ィ…… おれた……ち……は……
 おれ達は父さんにあきらめるという事は教わっていないぞーっ!!」


アンディは最後の力でそう叫びました。
その言葉で勇気付けられ、立ち上がったテリーへネオギースはまた通常技を出しました。
「稲妻蹴り!!」「天破拳!」「うおーっ 村雨返し!」「昇天明星打ちーっ!!」
ネオギースはやりたい放題でした。

しかし、トドメのレイジングストームを打つ際に気を溜める隙が出来ました。
テリーはそれを待っていました。テリーはここぞとばかりに飛び上がりました。







それはもうすでにパワーダンクではありませんでした。

「おぼえておけ…… おまえが魔王ならおれの拳はそいつを砕く……」



まさに神の拳(て)そのものでした。

ギースはまた起き上がって天龍に声を掛けましたが、今度は駄目だと言われました。
そしてギースは力尽きました。
ギースを見限った天龍の声は舞へと伸びていました。
天龍の声は秘伝書を手にしろと言いました。

その頃、山崎竜二はやっとサウスタウンへ到着していました。



山崎はいかにも田舎者丸出しで、ぼくは恥ずかしくなりました。
将来は都会へ出てお金持ちになりたいと思いました。