「近代ヒロインはポリゴンで決める! KOFのヒロイン、不知火舞よ!
さあ始まったわね、いまいち誰がヒロインなのか浸透していない
KOFのヒロインを決める格調高い私のための会議が今再び!」
「……それはめでたいことだとは思いますし、
ポリゴンで〜のくだりもなるほどと思わせる部分はありますが、
なぜ舞さんはKOF MAXIMUM IMPACTで私はNEOGEOCD SPECIALなんですか?
私どうしても納得が行きません」
「何よ、どうでも良いようなことをつべこべと。
アンタのルックスじゃKOF MAXIMUM IMPACTだろうと
NEOGEOCD SPECIALだろうとたいして変わんないわよ。
別に良いじゃないの、それで」
「……不愉快です。私もKOF MAXIMUM IMPACT、
無理ならせめてATHENA 〜Awakening from the ordinary life〜の
私にして貰わなければストライキの意思を表明します」
「は? 勝手にやれば?
とにかくアンタはそれで充分なの。それ以上何を望むってのよ。
それにそのNEOGEOCDで無理にポリゴンを使った苦々しさが、
自称永遠の女子高生を語る無理な若作りと重なってとても似合ってるわよ、ほほほ」
「ちょっと押入れから餓狼伝説 WILD AMBITIONを出して来ますね」
「すみませんでした。すぐにKOFMIを用意しますので」
「ふぅ、やっぱりこうでないとしっくり来ませんね。
ありがとうございます、舞さん」
「礼には及ばないわ。
同じ土俵で競わないことには真のヒロインとは言えないものね」
「ポリゴンは反対です」
「……!?」
「……キモッ!」
「ちょ、ちょっと何なのよアンタ、その姿は!」
「ですから、ポリゴンは反対だと言っています」
「ですが今回はポリゴンで参加が義務のようなものですし、どうしましょう?」
「それより貴女先程キモッ!とか言いませんでしたか?
私の耳が確かなら間違いなくそう聞こえたのですが」
「い、言ってないです! 言ってないですよ、ねぇ舞さん!?」
「アンタそれいつにも増してキモイわね。どこか病気なんじゃないの?」
「ダ、ダイレクト!?」
「ちょっとPS2のKOFに出たからといって調子に乗ってますね、舞さん」
「っていうか、そもそもアンタはKOF自体に出てないじゃないの。
何で今回もまた現れるわけ?」
「私もKOF2000のストライカーで活躍していますので、
ヒロインの話をするならば欠かせない存在かと思いますが」
「その顔ででもですか!?」
「貴女、会議シリーズにおける最初の死者になりたいですか?」
「ぶるぶるぶる…… ミニョンはとても怖いところにやって来てしまいました……」
「あ、あれ? ミニョンさんも呼んだんですか?」
「呼んでなんかないわよ、そんなポッと出の女」
「はじめまして〜! 無邪気なウィッチ、ミニョンで〜〜〜〜っす!」
「帰れ」
「こ、怖いです…… 目玉ギョロリとしてます、この人……
か弱いミニョンは頭からバリバリと食べられてしまいそうです……」
「まぁあながち間違ってはないけど、
分不相応な女は帰った方が身のためなのは確かね。
さ、お帰りはあちらということで、アテナ、案内してやりなさい」
「そう言ってますけど、帰りますか?」
「いいえ、ミニョンは負けません!
同じ魔女っ娘アイドルとして特にあなたには負けられないのです!」
「え? 私は確かに永遠のサイキックアイドルですけど……
魔女っ娘なんですか?」
「魔女に怪しいサイキッカーに妖怪に、
KOFヒロイン候補にはろくなのがいないわね」
「妖怪にカテゴライズされているのが誰なのかとても気になりますね」
「まぁその縦に平べったそうな脳味噌でよく考えてみることね。
……入ってるならだけど」
「は、刃物でケンカは見てる方も怖いからやめてくださ〜〜〜い!」
「そうですね。手を汚すときは場所を弁えるのも大事なことですから、
この場は私から退きましょう」
「……ふん、命拾いしたわね」
「自分のことですか?」
「表情が表情だけに冗談に聞こえませんね……」
「骨格を疑うほどカッ!と見開いてますし、DHAが多分に含まれてそうですねぇ〜
それにすごい確率で目にゴミが入りそうです」
「すでに入ってますよ、視界にふざけたロール頭のゴミが」
「ひ、ひぃ〜! 何気ない一言で矛先がこちらに向いてますかぁ〜!?」
「……今回ばかりはさすがの私もゾッとするわ」
「でもミニョン負けません! 平和を愛し、闘う意志は何よりも人を強くするのです!
炎の精霊さん、お願い!!」
「ハーハッハッハッハハハハ!!」
「!?」
「何なの!?」
「八神さん!?」
「……何だ、ここは。なぜ俺はこんなピンク色の場所に居る」
「あ〜 残念。外れが出ましたぁ〜…… ミニョンしょんぼりです」
「外れ!?」
「当たりだと草薙京さんが出るようになってるんですよぉ〜
今回は自信あったのにミニョン大ショックで茫然自失です……」
「京が当たりで俺が外れだと!?
……いや、今はそんなことは良い。それよりなぜ俺はこんなところに居る。
それに何だ貴様等。無表情に俺を見るな」
「さぁ……? どうもミニョンさんに召喚されたみたいですね。
何か身に覚えはありませんか?」
「全くない。なぜ俺は召喚などされているのだ」
「私としてはなぜノリノリに笑って現れたのかの方が気になるわ」
「だから無表情に俺を見るな。
いつも媚びへつらっている貴様等からそんな視線を受けると気味が悪い」
「もう良いです。外れはさっさと帰ってください。ばいば〜い」
「ちょっと待て。召喚というのは貴様がやっ」
「……帰られたようですね」
「強制送還ですね。無事本国へ戻れていれば良いのですが」
「ちなみに大はずれだとアッシュ・クリムゾンさんが出るようになっていて、
もし大はずれを引いてしまった場合、
その日一日ミニョンに関わった人達すべてに世にも恐ろしい不幸が訪れるという……
あわわわ……」
「アンタにじゃないんだ! アンタに関わった人になんだ!
アンタさり気なく私達にすごい危ない橋渡らせたんじゃないの!?」
「……彼女は刺激しない方が良いみたいですね」
「えっへん! ミニョンすごいでしょ〜!」
「精霊などに頼っているようでは永遠に半人前ですね。
三流、いや五流女優以下の所業です。見るに耐えません」
「アンタ、ひょっとして妹さん嫌い……?」
「むぅ〜! ミニョンをバカにしてるぅ〜!」
「まぁまぁ皆さん、戯れはこのくらいにして、
誰がKOFのヒロインという唯一無二の存在なのか、
じっくり話し合って行きましょう」
「そうね、何か疲れる展開だったけど、やることはやっとかないとね」
「同感です。早く私に決めてしまいましょう」
「えぇ〜? そもそもあなた誰なんですかぁ?
ミニョン全然知らないです」
「……あぁ?」
「ひ、ひぃぃ! ミニョン余計なこと口走ってしまいましたぁ〜!
水の精霊さん助けて〜!!」
「あ、ちょっと! アンタ何また勝手に召喚してんのよ!」
「きゃあああああああああああ!!」
「…………」
「…………」
「…………」
「……誰も、現れないですね」
「……失敗したみたいです」
「失敗って、大丈夫なわけ!?」
「えへ、全然大丈夫ですよ。
水の精霊さんは気難しい方なので来てくれないことの方が多いのです。
だからさっきほど落ち込んではいません。ご心配ありがとうございま〜すっ!」
「アンタがじゃないわよ!!」
「ちなみに外れの場合、水島新司先生が出ることになっています」
「聞いてないし!
そもそも水島新司先生は苗字に水の字があるだけで水とは直接関係ない!
それに精霊でもない!!」
「……とりあえず大丈夫のようで、
もうナコルルさんも彼女を刺激しないで下さい」
「そんなつもりはないのですけれど、
どうもミニョンさんは緊張なされているようですね」
「そうなんですかぁ? 確かにちょっといつもより調子が悪い気はしますね〜
風の牧師さんに悩みを聞いて貰うことにしますかぁ」
「あ、ちょっと!?」
「風の精霊さんお願い!」
「……風が荒れている!?」
「来るの!?」
「いやぁあああああああああああああ!!」
「きゃああああああああああああああ!!」
「ぬうぅおおぉ!
ハリケーンヌアッパー! ハリケーンヌアッパー!」
「ああああああああああああああああ!!」
「ぁぁああああああああああああああ!!」
「ハリケーンヌアッパー! ハリケーンヌアッパー!」
「…………」
「…………」
「ハリケーンヌ……」
「…………」
「…………」
「…………」
「……何してんのよ、アンタ」
「い、いや、何だろうな……」
「さっさと帰りなさいよ」
「あ、あぁ、悪ぃな、邪魔しちまったみてぇで……」
「もう今日はダメですね。ミニョン帰ります。ばいば〜い」
「…………」
「……もう、今回はお開きにしましょうか」
「……そうね」
「次は2Dでお願いします。では」