「ギニャー! わいがあの名作、元祖龍虎の拳のロバート様や」
「イェェアン! わいが龍虎の拳2のロバート様やで」
「そいやー! そしてこのわいがART OF FIGHTING 龍虎の拳 外伝の主人公、
ロバート・ガルシア様っちゅうわけや」
「KOFからは'94RE-BOUTのわいがロバート代表として来てやったで。
どないや!」
「わいはアレやな。NBCで生まれ変わったネオロバート様や。
今日はロバート会議っちゅうわけで、まぁよろしゅうな」
「よろしゅう」
「よろしゅう。わいこそ今日は頼むわ」
「しかしまぁ何やな。こんだけわいが揃うとコラ壮観やな」
「せやな。こない豪華なメンツが揃うこともそうそうあれへんで、ホンマ」
「各シリーズの花形が大集合やさかいな。
美形キャラに目の肥えたわいかて目移りしてまうで、これはさすがに」
「花形っちゅーか、わいに至っては主役やさかいな。
まさにそうそうたるわいのヒストリーが集約されとるっちゅーわけや」
「わいらなんぞ人気シリーズのKOFにフル出場やで。
人気キャラの宿命とはいえ、たまには休暇が欲しなって来るで、実際」
「……何や? そら遠まわしに龍虎シリーズが不人気シリーズて言いたいんかいな?」
「そらアカンな。そういう言い回しはアカンで、お前」
「ちょ、ちょう待ってくれや、お前ら!
何でそない後ろ向きにネガティブシンキングやねんな」
「龍虎シリーズナメとったら浮かすで、ワレ!」
「待て待て、お前ら。KOFシリーズは実際わいで持っとるようなもんやないか。
KOFのわいが言うとるんも一理あるで」
「まぁそれはそうなんやけどな。 言い回しがな」
「せや、こういうデリケートな問題やからこそ言い回しには気ぃつけて貰わんとアカン」
「……そら悪かったわ。そない気ぃ悪ぅせんといてくれ」
「まぁわいもナイーブになりすぎた面があったかも知らんな」
「せやな。こうして歩み寄れる所がわいっちゅうキャラの人間が出来とる所やな」
「まったくや」
「そら人気が出るんも当然の成り行きになってまうわな」
「わいなんぞ主人公やしな」
「勤続疲労が心配やで、ホンマ」
「せやかて育っとる若手もアレやろ?
梅酒…… アッシュ・クリムゾンっちゅう溜めキャラだけやないかい」
「その溜めキャラ人気もNBC発売と共にわいに流れるやろうし、人材不足が深刻やな」
「何やお前、美形キャラのクセして溜めキャラに降格しとんのかいな。
わいは溜めキャラはマッチ使わんと火ィ点かんストーブみたいな
しょーもないキャラがやるもんやと思うとったが」
「一種の罰ゲームやな」
「ハハハ、さすがに100Mショック初期のわいらは考えが古いねんな。
今を生きる若者の間では溜めキャラこそが人気キャラの証明なんやで。
コマンドキャラは今やお前らの時代で言う
上にヤカン置いたら中身沸騰するストーブみたいなもんや」
「NBCでわい、また溜めキャラになっとんのかいな……
こらキツイで、ホンマ……」
「何言うとんねや、KOFのお前かて溜めキャラやないかい」
「一時期だけやで! ほんの一時期…… 二年くらいやな」
「ああ、最近はコマンドキャラに降格されとんのやったな」
「いや…… 降格っちゅうかな……
むしろわいにはどうも性能被る波動昇龍キャラん中で
一番どうでもええキャラが溜めキャラにされとる感がしてならんのや……」
「!? おまっ、お前は何を言うとんねや!? そら問題発言やで!?」
「そもそも何や、NBCのお前は。
さっきから溜め技が一切ない龍虎シリーズのキャラの言葉とは思えへんで」
「見損のうたで! 龍虎の魂はどこ行ってしもたんや!」
「う、うっさいわい!
お前かて何かっちゅーと美形キャラがどうのこうのて、
どこの世界にアゴ割れた美形キャラがおるっちゅーんじゃ!」
「何やと!?」
「お前それは言いすぎやで!」
「お前もや! 何やその中途半端な真ん中分けは!
昔のデモのジョー・東かいな! センス古いんじゃ!」
「何やと!?」
昔のデモのジョー・東 |
「それでお前、ゲーム始まると普通にオールバックて何や!
オールバック詐欺かいな! ホンマにガッカリやわ!」
「!? お前それ言うてええことと悪いことがあるで!」
「まぁまぁそうケンカ腰にならんと。
意見が食い違う部分は譲歩し合ったらええやないか」
「何や!? お前ちょっとマグレで主人公になったから言うて、
ゲームの方がクソゲーやないかい! そんなん全然意味あれへんで!」
「お、お前! 一番輝いとった頃のわいを掴まえてクソゲーて何や!?」
「輝くどころかコンパネにカップラーメン置かれてモニターが曇っとったわい! ドアホ!」
「わいらの時代は吉田栄作カットが流行っとったんじゃ!」
「聞いてへんわい! そない今頃、細かい時代背景なんぞ!」
「まぁ…… わいの被害妄想っちゅう部分もあるかも知らんしな。
溜めキャラにアイデンティティーを求める姿勢も
これからは必要となって来るんかも知れん」
「確かに…… 溜めキャラは格下っちゅう偏見はようないわな」
「……せやな。主役級やからこそ待ちキャラのイメージが強い溜め技かて
華麗に使いこなせるんやろうし、ケースバイケースなんやろうな」
「……こらちょっとわいらの方がムキになりすぎた面があったかも知らんな」
「すまんかったな、NBCのわい」
「あ、いや、わいの方こそ大人気なかったわ。
年長者やのに恥ずかしいな、ホンマ。いつまで経ってもカッとなるクセが抜けへん」
「気にすることあれへん。そこもまたわいらの魅力や」
「いや、ホントすまんかった。栄作カット似合うとるで」
「ハハハ、栄作カットの話はもうええやないかい。
それで、何や? 今日集まって話し合うテーマみたいのを
そろそろ決めんとアカンのとちゃいますか?」
「そのことなんやけど、どや?
わいとリョウのどっちがホンマの龍虎の主役なんか客観的に話し合うっちゅーのは。
わいはこの問題が世間でどう認識されとるんか気になってしゃーないねん。
ストレスでニキビが出来る有様やねん」
「……そりゃあ、まぁ、わいやろ」
「わいやねんな」
「ホンマか? あくまで客観的に見てやで?」
「まぁ正直、あの名作、初代龍虎の拳でリョウが主役なんは事実やしな。
いくら後半差し返した言うても刷り込まれた固定概念っちゅうんは
なかなか覆るもんやない」
「せやな…… 下手打つとリョウの劣化キャラや思われとる節もある」
「……それはお前がリョウより足短かったり小足連打が効かんかったりしたからやろ」
「せや! 華麗な足技がわいの魅力やのに、あのクソ短い大足は何や!
ふっ飛ばし攻撃のリーチも雲泥の差やないかい!
使い難ぅてかなわんわ!」
「またお前が悪いんかい! 浮かすぞ、ワレ!」
「ちょ、ちょう待ってくれや、お前ら。
そない初期のわいを引っ張り出して言わんといてくれ。
'94のときはゲームバランス上、仕方なかったんや。
チームでわいだけ小足連打効かんかったさかい
しゃがみパンチ連打せなアカンかったわいの心中も察したってくれ」
「……せやな。そう考えると確かに多少同情的な部分は感じるわ」
「まぁ小足連打は実際わいもあんま効かへんかったしな。
'94は基本的にわいの性能をトレースしとるさかい忠実なんは忠実やで」
「お前か! お前のせいでわいはしゃがみパンチを!」
「痛ッ! 痛いがな!
何すんねや! 気力ゲージも持ってへんクセしよって!」
「要らんわい! そんなモン!
ストレスが溜まるだけや!」
「何やて!? そらいくらわいでも聞き捨てならんで!」
「ああ、アカンな。それは言うたらアカン部分や」
「知らんわ! だいたい何や、お前ら!
不人気シリーズのクセしよってからに!」
「お前ええ加減にしとれよ!」
「せや! 脇役の言うてええことやないぞ!?」
「アホか! 不人気シリーズで一本主役張ったくらいで調子コキよって!
お前“外伝”やで! “本編”はリョウが主人公に決まっとるやないか!
何がニキビじゃ! アホか!」
「何やと!? 浮かすぞ、ワレ!」
「浮いとんのはお前の出とるゲームじゃ、ボケ!
コンパネに置かれたカップ麺からは湯気も浮いとったわ、アホが!」
「まぁまぁお前ら、その辺でええやないかい。
気力ゲージかてあるならあるでオモロイし、ないならないでまたオモロイやんか。
わいはどっちもええと思うで。一番ええんはタッグマッチやけどな」
「まぁそこはプレイヤーの好みもあるさかい、
一概に何がええとは言い切れるもんやないんかも知れんな」
「せや、そもそもお前らエキサイトし過ぎや。
どのシリーズのわいもわいはわいやないかい。
そないケンカ腰なってどないすんねや」
「それは…… そうやな。エキサイトのし過ぎは良ぅないわ」
「……せや、わいも周りが見えへんようなっとる部分があった。
そこは反省しとかんとアカンねんな」
「しかし、何やな。
こうして自分と向き合うっちゅうのも、人間として大きゅうなった気がするな」
「その通りや。個性的なわいら同士が語り合い、尊重し合うことで
より人気キャラとしての造詣を深めるんがこの会議の趣旨やからな」
「せやったんかいな。やのにわい、何も知らんとキツイこと言うてもうて……
趣旨も理解せんと迷惑かけてホンマに悪かったわ。すんまへん」
「いや、わいも知らんかったで、ホンマ。
えろうすんまへんでした」
「そらわいが今アドリブで決めた趣旨やさかいな」
「アドリブも利くし、譲り合いの心もぎょうさん持っとる。
それがわいや。それがロバート・ガルシア様っちゅうこっちゃな」
「ほんなところで、今日はお疲れさんでした」
「お疲れさんでした」
「ホンマおおきに、どうもー」