考察 草薙親父は何者なのか?
京の親父こと草薙柴舟。
何の変哲もない親父かと思いきやこれがオメガよりもオロチよりも不思議な存在である。
ここで彼の半生を振り返ってみよう。
KOF'94
突然出て来て死ぬ。
京率いる主人公チームでラストのルガールまで行った場合のみこのデモが入る。
京に父が居るなどという設定は発売当時の事前情報にはなかったため、
文字通り突然出て来て死んだ格好だ。
しかも血みどろ半裸でスネ毛までアピールしてくれる。何から何まで目の毒だ。
柴舟曰く「強者に挑むのは格闘家の常」らしいが、
ルガールが持つオロチの力に引き寄せられたのだろう。
ルガールは'95で
「新たに手に入れたこの力!」と言ってオロチパワーを解放するのだが、
'94の時点でマチュアが監視に付いていることから、すでにオロチの力と接点があったことが解る。
その後、怒りの京により巨悪は倒され、ルガールは空母を爆破して京もろとも自爆。
しかし素早く脱出していた京たちは再び闘うことを誓い合い、それぞれの旅路へと向かうのだ。
その際、親父は無視される。
ついさっき死んだ親父のことは忘却の彼方である。
親父の“お”の字も出てこない。
空母爆発の時点で父の遺体を完全無視して脱出したうえに存在を忘れている。
ここで柴舟は
実は息子に嫌われていたことが解る。
ちなみにこの後、京は格ゲー主人公らしく修行の旅に出るのだが、
それが原因で出席日数が足りず、二度目の留年が決定することになった。
KOF'95
なぜか生き返る。
彼曰く
「フッ、ワシはルガール様の手によって蘇った。」らしいが
理由になってない。
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しかも厄介な事にオロチの力で洗脳まで施され、闘うハメになってしまう。
それもこれも'94での京の親不孝が原因なのだが、
やはりとても迷惑であると言わざるを得ない。
死んだはずの父の姿に動揺を隠せない京。 |
柴舟蘇生洗脳はバイスが行ったらしく、
結局のところ
オロチの神秘で蘇ったということなのだろう。
実際には命を失うまでには至っておらず、治療しただけなのかも知れない。
どちらにしてもここで
人間ではなくなったのではないだろうか。
しかし自分で自爆しておきながらきっちり脱出しているルガールも大した悪党ぶりである。
その際、彼は片腕を失いマチュアによって機械化されるのだが、柴舟は無傷で救出している。
身を呈して柴舟を助けたのだろうか。愛憎入り乱れる惨劇と言えよう。
だが、
また死ぬ。
また召される。
ややもすると死にすぎの感がある。
今際の際で洗脳が解ける柴舟。
しかし京も命尽きるまで殴らなくても良かったと思うのだが、
やはり密かに親父嫌いだったことの証明と言えるだろう。
'95ED
とってつけたようにフォローされる。
前作での親父無視事件を
「あの程度で死ぬ訳ないと思っていた」とフォローする京。
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これ(←)をあの程度と言い切るところに
草薙家の並外れた生命力を感じさせる。
しかもこの後、空母爆発に巻き込まれているにも関わらず、
あの程度、である。 |
ついさっきの
「ば、ばかな!?親父が生きているはずが・・・!」
というノドの奥から搾り出された驚愕は何だったのだろうか。
言ってることが
全く違う。これでは留年も已む無しだ。
しかしここを逆説的に読み解くと、
「ば、ばかな!?(確実に葬ったのに)親父が生きているはずが・・・!」
となり、やはりこの京は
何かしらの理由で親父を消したいと思っている。
そう考察が可能だろう。
また蘇る。
実はどういうわけかまだ生きていた柴舟はオロチパワーによる洗脳も解け、
元気な姿で腕組みを見せてくれる。つい先程死にかけたダメージは
皆無だ。
蘇生させたオロチパワーが抜けたようだがそれで肉体が死ぬようなこともなく、
やはりすでに
超人化していることが解る。
これから始まる辛い戦いを知る父は息子の宿命を嘆くが、
しかし私の考察では
なぜかその息子に命を狙われていることは明白であり、
ここで彼が
「京よ・・・・。」と言いたくなる気持ちもよく解る。
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そして柴舟もその後の'96では
京とちづるの闘いを立ち見で眺めているのだが、 |
戦闘後、暴狂風が会場を襲い、ゲーニッツが現れると……
どっかに飛ばされている。
どこにもいない。
どうやら他の観客と一緒に
どこかへ飛んで行ってしまったようだ。
と、言っていた彼、しかし自分だけはしっかりと
逃れている。
当然、京チームのエンディングでも親父の話は
ノータッチで終わった。
まさに、
結論 親子共々人間離れ
した家系であると言えよう。
ちなみに京の母は医者であり父よりも収入が良いらしい。