考察 飛脚はなぜ王虎ステージで爆弾ばかりを投げるのか?

初代と真において肉や爆弾を投げ散らかし、むやみやたらと勝負をエキサイトさせる飛脚。
彼がなぜこのような奇行を働いているのかと言えばそれは初代の十兵衛EDで明らかになるのだが、
実は彼は妹を天草にさらわれ、仕方なく勝負の邪魔をしていたのである。

故新声社の侍魂の謎によると、彼は瓦版を運ぶだけの毎日に不満を感じ、
瓦版記者に憧れ、記事になるネタを追う内に天草四郎時貞が現世に甦り、
宝珠を使って一城を崩壊させる様を目撃。
それを発行元に売り込んで二重座布団としゃれ込んだ彼だったが、
しかし踏み込みすぎた彼の家になんと直接天草が現れ、妹をさらっていってしまったらしいのである。

そして彼は天草四郎時貞の言うがままに、
爆弾で剣士達を直接襲い、金品で金欲を煽り、肉で飢餓への本能を刺激する。
一見しょーもない行動に見えるが、
その人間の醜い感情の動きがまた暗黒神への捧げ物となるのだろう。

だが、実は彼はひいきをしている。
等しく肉、爆弾、金品を放らなければならないはずの彼、飛脚は、
ある漢のステージでだけボンバーマンさながらに爆弾ばかりを放り続けるのである。

その漢とは、王虎



王虎ステージでは爆弾が引っ切り無しに飛び交うのである。
これが初代だけの話ならば天下に響いた武漢王、王虎の力を恐れた天草の命令とも取れるのだが、
舞台が真サムに移っても飛脚の王虎ステージでの狂行は収まらない。

そもそも別に妹をさらわれているわけでもない真サムの飛脚に
勝負の邪魔をする動機はないはずなのである。
初代では投げていた金品を真で投げなくなったのは
天草というスポンサーを失ったためなのだ。

ではなぜ彼は真サムの世界でも肉や爆弾を投げ続けているのか?
そこには恩人である柳生十兵衛の援護と、そして個人的な理由が存在しているらしい。
故新声社の真侍魂の謎では行為に快楽を覚えてしまったからとあるが、
それではなぜ王虎にだけ爆弾を届けるのだろうか?
何か飛脚と王虎の間には因縁、いや一方的な私怨等があるのではないか?

そう考えた私は、飛脚の王虎への私怨の線を徹底的に当たってみた。
するとどうだろう。驚くべき事実が白日の下に晒されてしまったのである。
初代、真のキャラクター選択画面をよく見て欲しい。


ハゲが多すぎる
真に至ってはサムライよりハゲの方が多い

これではハゲスピリッツである。武士道よりもアデランスが必要だ。
飛脚はそう考えたのではないだろうか?

初代でアースクェイク、不知火幻庵、王虎の三人。
真で花諷院和狆、ナインハルト・ズィーガーが加わって五人。
このままのペースで増幅し続けると、斬で七〜八人、天では二桁に達し、
ポリゴン作品を経へ零、零SPへと回帰の暁には
登場キャラのほぼ全てがハゲになってしまう計算になる。
本来ならばそうなっていたはずなのだ。

だが、実際は斬サムの時点でハゲキャラは完全に消滅し、
実に登場キャラの全てが頭髪持ちとなった。
しかもその半数以上がふさふさロングヘアーである。
この斬サムで飛脚はもう役目を果たしたとばかりに姿を現していない。
肉や爆弾はどこからともなく降って来るのだが、飛脚の姿はどこにもないのである。

そして天サムの時代に入ってもハゲキャラは存在せず、
新キャラ、復活キャラ共に頭髪のある男女ばかりだ。
新キャラの風間蒼月に至っては格ゲー史上でも類稀なロングヘアーの持ち主である。
そしてこの時点でもうサムスピの世界に肉や爆弾は降って来ない。

そう、もう飛脚が仕事をする必要もなかったのである。

結論 ハゲが多すぎるから

ハゲキャラの抹殺、それが飛脚の真の目的だったのだ。

あまりにも増殖を続け、勢力を拡大するハゲキャラの群にサムスピの未来を憂い、
彼はまずハゲキャラの主である王虎から消去しようと爆弾を放り続けた。
今現在のナコリムを筆頭とした目に優しいサムスピがあるのも飛脚のおかげであり、
キャラセレで王虎を選んだと思ったらズィーガーだった、
等の悲劇が起こらないのもハゲと闘い続けた飛脚の偉大な功績なのである。

飛脚が再び戦場へ舞い戻るのは、
またハゲキャラがサムライそっちのけで闊歩し始めたときだろう。
今は眠れ、飛脚とハゲキャラ達よ。
再び戦場に、ハゲと爆弾が乱れ舞うその日まで……