自然の息吹 もりそばさん |
これで私以外の脇キャラクターの紹介をする手間が省けましたね。 次に禁止事項ですが、2巻はいつ出るのか?とか、 Amazonではいつまでテレホンカード付き限定版が残っているのか?とか、 そういう質問系統はタブーです。決して言ってはなりません。 これを肝に命じておかないと貴方の人生に不慮の事故が起こるでしょうね。
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「そういうわけで、早速紹介を始めようと思います」 |
「お相手はガルフォードだ! 目は青くても大和魂さ! ナコルルのパートナーはオレしかいないぜ! Yea!」 |
「ふぅ…… ちなみにガルフォードさんは今作に出番はありません」 |
「NOォ! Very Shock! じゃあこのVIDEOでは一体誰がナコルルのパートナーなんだぃ!?」 |
「だから、公式サイトを見て下さいと言いませんでしたか? もう始めるので少し黙ってて下さいね」 |
「ヤ、ヤムタムゥ!? 誰だ、コイツ! 誰なんだ、ナコルル! ちょっと! “ナコルルを巫女として厳格に扱う村人達と違い、 一人の少女として彼女を見ている”って何なの!? ねぇ!? オレ知らないよ!? こんな男、オレ知らない! NO! オレ知らない!」 |
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「NO! 吹雪の中、傷を負ったナコルルがハァハァ言いながら歩いてるヨ! 一体誰がこんなヒドイことを! ハァハァ…」 |
「ガルフォードさんまではぁはぁしなくても良いんですよ。 でも、私の乱れ姿を見てしまっては仕方ないと言えば仕方ないですね。 ちなみにこのシーンでの私は原作に近い、赤基調の服を着ているので、 このイメージビデオの色設定に合わない方もこのシーンだけで“買い”ですね。 そして傷ついた身体で吹雪の中を歩くいたいけな私はついに倒れてしまいます」 |
「NO! しっかりするんだ、ナコルル! 眠っちゃいけない! オレの顔を思い出して立ち上がるんだ、さぁ!!」 |
「ヤムタムゥ……」 |
「NOォォォォォ!! 今何か聴こえたよ! 倒れたナコルルの口から出てはならない言葉が聴こえたよ! 何なの、このVIDEO! ヤムタムゥなんて知らないヨ!! ハッ! そういえば零サムの死にボイスで…」 |
「ここで気を失った私は回想シーンの住人になります。 私は子供に背中から斬られてしまったのですね」 |
「一体何をしたんだ、ナコルル! それ悪人が受けるゴールデンパターンだよ! イメージビデオなのにイメージダウンだろ、コレ! ていうかナコルル、さっきからハァハァしかセリフがないよ!!」 |
「まずは掴みのサービスシーンですからね。 ガルフォードさんのように想像力豊かな方は 私のこの切なげな表情と悩ましげな吐息だけで“買い”です。 そしてここでレラが現れて子供を容赦なく斬り伏せるのです。 サムライスピリッツ零で紫ナコの代わりになぜか登場した、あのレラですね」 |
「アウチッ! レラと正気とは思えない子供の所業! 一体どっちが悪人なんだ!? ナコルルは一体何をしていたんだ!? この子供はなぜこんなことを!? 教えてくれ、ナコルル!!」 |
「ふふふ、それは……」 |
「わかったぞ! それは2巻のお楽しみってことだね、ナコルル! 2巻の発売日はいつだい!?」 |
「お前、それ言うなって言うたやろ」 |
「え、えっ? 今ちょっとキャラ違うくない?」 |
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「日頃の行いが他を圧倒して良い私の願いをカムイが聞き逃すはずはなく、 私は助けに来たヤムタムゥに背負われて無事、カムイコタンへ帰還します」 |
「ム… ヤムタムゥめ、オイシイ場面を持っていきやがって… ナコルル、このサワヤカな笑みに騙されちゃいけない! この男には何か邪悪な気配を感じるよ!」 |
「ヤムタムゥ……」 |
「ノ、NOォォォォウ!! 安心しきった表情で背に頬をうずめているぅー!! ダメだ、ナコルル! こんな公式サイトですら “ヤムタムゥ”か“ヤンタムゥ”か安定してないような男に気を許してはイケナイ!!」 |
「しかし私の傷は深く、幼馴染のマナリに治療して貰うことになります。 傷の部位は背中―― ということではらりと悩ましく白い素肌を白日の下に晒すわ・た・し…」 |
「かつてEDまでナマ足すら見せなかったキミがなぜそこまで…… 世知辛い大人の世界の事情を感じるよ、ナコルル……」 |
「テンションを上げるべきシーンで下げないで下さい。 気を取り直して、生々しい傷を消毒され、思わず喘ぐ私。 この傷は本当に生々しく、跡が残りそうですが、 撮影用の特殊メイクなのでファンの方は安心して下さい。 そして私の苦悶の声を聞き付け、ヤムタムゥが心配して飛び込んで来ます。 きゃああー!!」 |
「NO! 覗きだ! 地上波では放送できない部分まで詳細に覗きやがった!! 野郎ついに本性見せやがったよ! ナコルル、これがこの男の本性だ! 彼は純粋にキミを愛しているオレとは違って下心の塊なんだよハァハァ!!」 |
「ヤムタムゥは本当に心から私を心配してくれていたのですが、 やはり私の素肌を覗き見た罪は重く、リムルルにコンルノンノを浴びせられ 氷漬けにされてしまうのでした。うふふ、微笑ましいワンシーンですね」 |
「甘いよ、リムルル! そこは断末奥義だろ!!」 |
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「夜が来て、夢の中でまた私は回想シーンの住人になります。 子供に刺され、レラに誘惑される私。子供を殺したのはレラ? それとも私? 苦しむ私は布団の中で宝石のような汗を滲ませながら悶えます。 いやっ! 来ないで! やめて! いやぁ――っ!!」 |
「何かナコルルそんなのばっかだね」 |
「うるさいですよ」 |
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「最近、動物や村の子供が凶暴化しているんですよ。 私に“ナコルルなんて帰って来なければ良かったんだ”なんて 暴言を吐くくらいですから、事態はたいへん切迫していると考えられますね」 |
「でもヤムタムゥにはやたらと懐いてるよね。 婚約者のマナリに腕を組まれてキザったらしく登場したかと思ったら、 ナコルルに群れ集っていた子供達が一斉に乗り換えてしまったよ。 これ実はナコルルじゃなくてヤツのイメージビデオなんじゃないか?」 |
「何か最近ガルフォードさん、私に否定的じゃありません?」 |
「ノ、NO! 誤解だナコルル!! オレはキミを裏切らない! Always Love You! ナコルル!」 |
「育ちの悪い子供にイジめられて元気をなくした私を気にかける 誰かと違ってやさしいヤムタムゥ」 |
「ノ、NOォ!!」 |
「そんな誰もが羨む私達からマナリは複雑な表情で目を逸らすのでした。 私と張り合った場合、あらゆる点で勝負は見えてますからね、ふふふ」 |
「ナコルル! だめ! イケナイ!!」 |
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「草むらで休憩する私とマナリ。 ここでまた回想シーンの住人となった私達は子供の頃を思い出します。 かわいらしい幼女時代の私を見たい方は文句なし“買い”ですね」 |
「ナコルル! ほら、これ!」 |
「? 何ですか?」 |
「だから、タムタムゥ。ヤムタムゥの正体はタムタムゥ! なんちゃってね、HAHAHAHA!」 |
「ガルフォードさんはとても面白い方ですね」 |
(良かった! 機嫌を直してくれた!) |
「“ナコルルが旅に出てからヤムタムゥは私を誘ってくれなくなった” と当たり前の告白をするマナリを“そう”と軽く流した私は、 子供の頃のようにマナリの歌が聞きたいとせがみます」 |
「……でもナコルル、これは…」 |
「何ですか? ハッキリ言ってくれて良いですよ」 |
「い、いや、何というか…… その…… オレはジャパニーズポップスにはあまり詳しくはないんだけど… ――下手じゃないか?」 |
「そうですね、下手なんです。 金魚のフンのようにカプエス2にまで現れた腹いせに ちょっとした晒しのつもりで言ったのですが、 まさか1分30秒も歌い続けるとは私も誤算でした」 |
「歌の間に彼女のイメージ映像も挿入されるし、 いよいよもって本当にこれはキミのイメージビデオなのかい? どうもキミのシーンは汚ればかりで、 むしろヤムタムゥやマナリのイメージがUPしている気がするんだけど……」 |
「言われてみれば……」 |
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「雨が降り出したので森の中で雨宿りをすることになった私達ですが、 そこに熊が襲い掛かって来ます。 どんくさいマナリが吠えられただけで失神し、退路も絶たれた私。 熊を必死に説得しますが人語は通じず、 動物さんを傷つけたくないと考える聖女ナコルルさんは死を受け入れます。 しかしそこに現れるレラ。熊の背にはすでに宝刀チチウシが突き刺さっていました。 手に残る感触に呆然とする私。そこに……」 |
「またタイミング良く来やがったよ、ヤムタムゥが…… こういうのをストーカーって言うんだろうね、ナコルル!」 |
「ヤムタムゥ……」 |
「ノ、NOォォォォウ!! 抱きつかれて口説かれて頬を染めているぅー!? NOォォォォォォォォォォォウゥッッ!!」 |
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「さてとうとうやって来ました私の清楚なる水浴びシーンです。 まずはリムルルが元気よく跳び込みます」 |
「OH! この時代のジャパニーズ下着はこういう風になってるのか! このシーンは知識吸引にも欠かせないネ! Yea!」 |
「ガルフォードさんも無駄に盛り上がって参りました」 |
「ノ、NO! よく見たらヤムタムゥまで一緒に入っている!! NO! ヘンタイ! 性的嫌がらせだよ、ナコルル! 弁護士を呼ばないと!!」 |
「なぜそんなピンポイントな日本語を知っているのですか。 混浴しているのはリムルルとマナリだけですから安心して下さい。 心身共に清らかな私はいかにヤムタムゥと言えども 殿方との入浴はできないのです」 |
「そ、そうか! それなら良し! そういうことなら早くフィルムを進めようよ! オ、オレ、色々と後がつかえてるからさ!」 |
「何がつかえているのかは知りませんが、 ついに私の芸術品とも言える美しい肢体の全容が明かされます。 水の音と、頬を滑る雫の感触。小鳥達の囁きが一層、私の清らかさを引き立てます。 この完全なる美を見てしまっては、 正常な殿方なら誰もが例外なく声を失ってしまうことでしょう」 |
「ウヒョー!!」 |
「…………」 |
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「水浴びの最中、ふとまた回想シーンの住人になる私。 これは現実? それとも幻? 滅び、朽ち果てた村で子供の頭蓋を抱えたレラが私にきつく語りかけます。 戦えと、私が戦わなかった結果がこの惨状だとレラは言います。 苦しむ私、そこに現れるヤムタムゥ」 |
「またかよ! ナコルル、そいつ絶対怪しいよ!」 |
「隣の村が疫病で滅んだとヤムタムゥは言います」 |
「そいつが疫病なんだよ!!」 |
「ガルフォードさん、ちょっと静かにしてくれませんか? 唯一の生き残りの女性は長老の家に住むことになりました」 |
「どうせ2巻は出ないのにそんなストーリー的な要素はどうでも良いんだよ! それよりナコルル! ヤムタムゥはだな!」 |
「……黙れって言うとんのがわからんのか」 |
「え、いや、すんませんでした。ホント。恐縮です」 |
「ひとり崖に立ち、苦悩する私。 私はただカムイコタンで静かに暮らしたいだけ。 なのに私の圧倒的な人気がそれを許してはくれない。 チチウシを投げ捨てようとし、それが亡き母様の姿と重なって腕が止まります。 本当の父様のようだった今は亡きあの人。でも巫女として結婚が許されない母様。 まさに今の私の心の鏡像。揺れる乙女心。 ここでかかるゲームでもお馴染みの私のテーマ曲は マナリのやるせない歌と違って感動しますね」 |
「つまりナコルルのママもナコルル同様、浮気がちだったってことかい?」 |
「私がいつ浮気などをしましたか」 |
「え? いや、オレとヤムタムゥで、その… ジャパニーズフタマタ? っていうか…」 |
「私は思うのです。母様はあの人を父様と呼んではいけないと言うけれど、 あの人は本当の父様だったんじゃないかって…… だって母様は本当にあの人を愛していましたから…… そう、最期… 村が厄災に包まれる最期の日まで……」 |
「OH! その辺の謎は2巻で明かされるんだね!」 |
「学習能力ゼロですか、あなたは。 耳、生きてますか?」 |
「それよりナコルル! もう放送時間が残り少ないヨ! ここから一体、どんな展開が待ってるんだい!?」 |
「えーと、ですね。この崖が崩れるんです。それで終わり」 |
「え?」 |
「終わりです」 |
「んじゃつまりアレかい? 崖から落ちただけに、これが“オチ”と…」 |
「そういう日本語だけは無駄に博学ですね。 後は私が歌うやさしく美しいエンディングテーマを聴いて 余韻に浸って下されば結構だと思います。 ではお開きにしましょう。ごきげんよぅ〜」 |
「ちょ、ちょっと待って! マトメとか総括とかそういうのしようよ! ヤリ逃げは良くないとミーは思いマース!」 |
「何ですか。もう私の魅力は十二分に伝わったので そのようなことをする意味はないと思いますが」 |
「待ってくれよ、ナコルル! オレはもう少しキミと一緒に居たいんだ! そ、そうだ! その、30分のOVAにしてはレビューがやけに短かったよね!」 |
「そうですね。 イメージビデオなので私のイメージが伝わればそれで良いわけですから、 内容の濃さ、つまり紹介の長くなる要素はあまりなかったということでしょう。 まぁもう一つ要因を挙げるならばマナリの歌が長すぎたと。余計だったと。 そんなところでしょうか」 |
「そ、そうか! そうだよネ! オレはもうナコルルの魅力は骨の髄まで知り尽くしてるけど、 まだ知らないユーはこのVIDEOを手に取ってみると良いヨ! Amazonだとまだまだ2年前のテレホンカード付き限定版が残ってるからネ!!」 |
「お前、それ言うなって言うたやろ。ええ加減にせえよ」 |