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SNK格ゲーはそもそも出荷数が絞られているうえに
買うのはファンだけなので中古市場に出回り難く、値崩れしない――
というのが半ば常識と化していたのだが、KOFXIIが超・神・速で投げ売りとなり、
もはやシリーズの存続すら危ぶまれる中、ひっそり作られていた今作。 |
KOFイズムを標榜したこのKOFXIIIは挑戦的だった
KOFXIIのシステムを全て捨て去り、
KOFXIIのシステムを綺麗サッパリ全て捨て去り、いつものKOF――それもKOF2002の系譜となった。
'02系と言えば難易度の高いどこでもキャンセルが特徴だが、
今作はそれを改良し、発動せずともドライブゲージを消費し、
通常の立ち会いから必殺技≫必殺技のドライブキャンセルが可能となった。
さらに'02の発動コンボに相当するハイパードライブモードも搭載。派手なコンボが可能となっている。
前作で少なかった技関係は、まだ全キャラの遠近通常技が揃ったわけではないものの増加し、
必殺技はパワーゲージを消費するEX必殺技で大幅に水増し。超必もEX超必殺技となる。
さらにそれだけで妥協せず、EX超必をも超えるNEOMAX超必殺技なる最終奥義が各キャラに存在。
地味だったKOFXIIから一転、SNKらしい演出が贅沢に盛り込まれた超ド派手ド迫力路線となっている。
もうコレを超えるにはスーパー超NEONEOギガMAXウルトラMAXギガント超必殺技でも出すしかない。
かつてKOFは超必殺技を全部観たら売って終わりと言われた時代もあったが、
昨今はその超必すらわざわざ見る価値がなかったので、
今回のこのKOFXIIIならば彼らもEX超必殺技、NEOMAX超必殺技を見てからまた売ってくれるだろう。
後、復活した脱衣KOも見てから売ってくれるだろう。
キャラも人気の女性格闘家チームやK'チームが追加され、
ここにKOFは復活した――かに見えた。
しかし、日本最大最高峰の世界に誇る格ゲー大会「
闘劇」に
無理やり間に合わせたせいなのか、
ゲージが溜まってなくてもEX必殺技が出たり、
フリーズ誘発でもはや一部キャラは使用不能とも言える致命的なものまでバグのオンパレード。
その闘劇でも多数の
禁止事項が盛り込まれ,、逆に大恥をかいてしまった。
当然、XIIの失敗でさらに入荷店舗の絞られたアーケード版は、舞の乳揺れだけの話題を残し、終了。
THE KING OF FIGHTERS XIII 家庭用&CLIMAX
ということで簡単にゲームのバージョンUPが可能な昨今、
KOFXIIIにもバグ取りを前提とした様々なバージョンが存在する。
KOFXIII⇒KOFXIII(バグ取り)⇒KOFXIII家庭用⇒KOFXIII CLIMAX(アケ再移植&バグ取り)
となるのだが、家庭用からの凄まじいパワーUPはSNK PLAYMOREの最後の意地と言えようか。
バグと永久、ライデンやK'の暴挙でバランス崩壊していたアケ版から一転、
システムの根底から練り直され、シリーズ屈指の対戦ツールにまで一発逆転。
特に異様に長かったジャンプ攻撃のHITバックが短くなったことで、
超バッタゲーのアケ版にNOを突き付け、大雑把なイメージを払拭したのは影響が大きい。
これで早出しで空対空も兼ねるのか、引き付けてコンボを狙うのかといった駆け引きが戻って来た。
何かXIのときも超バッタゲーだったのを家庭用で同じ修正をしていたような気がするが、まぁ良い。
人は同じ過ちを二度くらいは繰り返すものだ。
'02ベースということでコンボが長く、難しいわけだが、
ハイパードライブモード、'02で言うクイックMAX発動時に自動で前進してくれるようになったことで、
キャンセルからMAX発動! 即ダッシュ! コンボ! という忙し過ぎる操作を簡略。
しかも家庭用からハイパードライブモード中のNEOMAX超必殺技は消費パワーゲージが−1され、
超必殺技からNEOMAX超必殺技に繋ぐMAXキャンセルの使い勝手が大幅に上がった。
難しく、長いループコンボが出来なくとも、MAXキャンセルに持ち込めば威力的には申し分ない。
コンボ廃人以外でも闘える余地を生んだ。
キャラも後述の事情で変身すんなとの要望が多かった斎祀(変身前)、
完全新キャラのビリー・カーンに加え、DLCこと有料ダウンロードコンテンツで炎を取り戻した庵、
ネスツスタイル京、Mr.KARATEといった手の込んだ裏キャラを購入出来る。
ネスツスタイル京は名前に反して服がネスツ編なだけで性能はネスツ編とは言い難いのだが、
その辺のネーミングはまぁ、有名なAYA STYLEのようなものだろう。
セットで懐かしの背景をベースにしたステージが付いて来るのも嬉しい。
もちろんアーケードのCLIMAXでは最初から使用可能だ。
問題のドット絵も、クセのあるキャラは相変わらずクセがあるし、
デブばっかじゃねぇか! と批判を浴びた背景も、デブが駄目なら力士にすれば良いじゃない、
とばかりにさらなるデブステージを追加したりもしているが、これらは恐らくXIIの遺産だろう。
XIIIのK'チームや新ステージ等は非常に無難かつ、背景キャラも多彩で豪華な仕上がりとなっている。
「女々しくて」を踊る一団も登場する江坂ステージ
ちなみにゴールデンボンバーの中の人もNEOGEO好きだそうで
この「女々しくて」ダンスを見たがっておられましたが、
'96江坂ステージは有料DLCなので、例え本人でも基本的に
課金しなければ見られません。
多分、世の中の方が間違ってる。
ゲーム部分以外でも消化不良だったアッシュ編ストーリーを補完する自称ビジュアルノベル、
実際はいつものKOFデモの拡張版が追加されたり、手軽で自由度の高いカラーエディットも搭載。
ドット絵でコスチュームチェンジやアクセサリ追加はかなりの手間だと思うのだが、
ユリのお下げや素顔ライデン(ビッグ・ベア)等のあったアケ版からさらに色々と追加までされている。
ストEXより続く、他ゲーではすでにお約束のお題コンボに挑戦するトライアル(チャレンジ)モードも実装。
テキスト、BGMも充実し、エンターテイメント作品としてもボリュームを感じる家庭用だ。
尚、アケ版CLIMAXはこの家庭用をベースに若干のバグを修正した物で、中身はほぼ同じと思って良い。
バランス A 空気 B |
調整が入った結果、元々のキャラバランスが大幅に向上したうえに、
ゲージがあれば全キャラ即死上等のHDコンボが出来るのである意味、キャラ差がない。
システムバランスも良いので長く――あるいは永久に楽しめるKOFだろう。
ただ、やはりHDコンボが異常に長く、セービングシフトのようなシステムもないので、
一度ループコンボが始まると長時間画面を眺めるだけとなる。
というかEX必殺技、ドライブキャンセルを絡めた通常コンボですら充分に長い。
援護に来いや! チームバトルだろ! と叫んでも叫んでも何の意味もない。
この眺めている時間が蓄積されればされるほど段々モチベが下がってしまうのが残念。 |
KOF時代の終焉
今、ここにKOFは復活した――
のはあくまでゲーム性の話で、ブランド的にはすでに瀕死となってしまった。
XIIの失敗が致命傷とも言えるが、その前にXIからXIIまでインターバルがあまりにも長く、
長いだけならまだ良いのだが、その間、アッシュ編のフォローが何もなかったのが大きかったように思う。
元々格ゲーブーム終焉の'99年〜2000年辺りにまだファンとして残り、支えていたのは、
対戦ゲーマーよりもむしろ元々キャラやストーリーに付いて来ていた面々ではなかっただろうか。
その辺の層が興味を他に移すには充分過ぎる時間だった。
しかも散々待たせておいてXIIにはストーリーがない。
旧SNK時代のように魅力的な新キャラを次々投入と出来なかったのもひたすら痛い。
元々時代時代の流行を追っていたKOFキャラのデザイン、旧キャラのデザインがどうしても古くなる中、
彼らを引き立て、さらに自身も輝くようなキャラクターは、せいぜいがキワモノのアッシュくらいだった。
XII、XIIIには実質、完全な新キャラと呼べる存在はいない。
KOFは古いゲームというイメージが漫然と広がり、もはや払拭不可能になってしまった。
一応、現役タイトルなのにも関わらず、「KOFか、懐かしい」という感想が大半を占めるのは屈辱だろう。
KOFイズムと語り、なぜかコンボに傾倒したゲームになっていったのももどかしい。
曰く、格闘ゲームで最も上達を実感出来るのはコンボだから、との話だが、
KOF全盛期のプレイヤーが復帰しようにももはや手が出せない状況になってしまっている。
KOF'94から付いて来たようなファンにもみすみす引退の機会を提供するようなものだ。
そもそもCAPCOMを差し合いゲー、ARC SYSTEM WORKSをコンボゲーとするならば、
SNKの魅力は爽快なラッシュによる固めゲーであったと思うのだが、その辺が薄れてしまった。
かくして俗に言う“オワコン”となりつつあるKOF、及びSNKブランドだが、
今はパチスロ、パチンコ、コラボと呼べば聞こえは良いが、色んなメディアへのキャラの切り売り、
アプリ、ソーシャルゲームでしか息をしていない。
そのソーシャルゲームも高速サービス終了が続いている。
今後KOFの――SNKタイトルの新作格ゲーは果たして再び世に現れるのか?
非常に危ぶまれる状況だが、いつか再び燐火を上げて甦る日を、待ち続けるしかない。
アッシュ編STORY
地球意思は極東の地、日本に眠るオロチだけではなく、西欧にも存在した。
それに仕える者達は現代で言う“悪魔”と呼ぶに等しい異形と力を持っていた。
西欧の地球意思は人間の存在を忌み嫌い、人間もまた悪魔達に恐怖し、畏怖し、敵対した。
力で勝る悪魔に対し、数で勝る人間達。
人間は気の遠くなるような年月を掛けて悪魔を一匹一匹と駆逐して行き、大地は人間の物となった。
悪魔達は緩やかに滅びの道を進み、やがて西欧の地球意思はその力を失った。
人間との生存競争の中、悪魔達の首領、斎祀(サイキ)は、
過去――『遥けし彼の地』から、千年後――現代への時間跳躍、二つの時代を繋ぐ扉を完成させた。
斎祀は戦争や疫病、すぐに効果は現れないだろうが、
いずれ必ず文明崩壊へと導く計画を過去に残る同属達に命じ、千年の刻を未来へと潜る。
しかし、辿り着いた未来ではその全てが失敗に終わっており、やはり人間が隆盛を誇っていた。
三年の潜伏の後、現代への扉を潜った斎祀率いる『遥けし彼の地』より出づるモノ達は、
日本に眠る地球意思、オロチを目覚めさせ、
その力を過去に眠る西欧の地球意思に注ぐことで同属の復興、現代で得た知識による歴史の改変、
すなわち人間に変わっての地球の支配を今度こそ目論む。
『遥けし彼の地』より出づるモノ達、牡丹は神楽ちづるを操り、KOFを利用して闘気を集め、
最後に神楽ちづるの死――八咫一族の消滅によりオロチの復活を成そうとした。
だが、封印は意外な場所から破られた。
翡緑の炎を操る謎の少年、アッシュ・クリムゾンが神楽ちづるから八咫の力を奪ったのである。
さらにアッシュは八神庵の八尺瓊の力をも嘲笑うように奪って行く。
無界と、そしてアッシュの謎の行動により封印は解き放たれ、禍忌が転生したオロチの気を発見する。
しかし、オロチはまだ目覚めない。三種の神器が必要――あるいは邪魔なのだ。
本来、悪魔を狩る使命を持つアッシュの、まるで悪魔に与するかのような行動に、
幼き日より共に育ったエリザベート・ブラントルシュは困惑する。
エリザベートにはもう、アッシュ・クリムゾンが分からなくなっていた。
――黒炎を操る斎祀は、過去からやって来たアッシュの先祖だった。
しかしアッシュは『遥けし彼の地』より出づるモノ達の中でも謎の行動を取り続ける。
斎祀の立てている同属を使い捨ての駒とした計画をシュルーム達に伝え、反逆を促し、
妹ローズを牡丹に操られ、KOFの新たなる開催者とされたアーデルハイドにも接触。
彼を助けるかのような助言を残した。
アーデルハイドからの連絡を受けたハイデルンはオロチの気の場所を特定。
KOFを闘い抜いたエリザベート達はその最奥で斎祀と激突する。
だが、一族最強の斎祀を倒すまでには至らない。
その時、最も重要な過去への扉が閉じ始めた。シュルーム達の離反である。
その動揺を突き、アッシュが背後から斎祀の胸を貫く。
神器を集めていたのは斎祀に信用させるフェイク。
その実、斎祀の魂を自分の内に封印することがアッシュの目的だったのだ。
これで歴史は変わらず、『遥けし彼の地』より出づるモノ達は史実通り緩やかに滅び行く。
かと、思われた。だが、アッシュの身体は先祖の斎祀に馴染み過ぎたのだ。
目論見は崩れ、血の螺旋に狂うアッシュ。
しかし斎祀にも時間がない。何しろ扉が閉じ始めているのだ。
今回は失敗したかも知れないが、扉を潜って過去へさえ戻れば何度でもやり直せる。敗北はない。
なのに、まだ残るアッシュ・クリムゾンの意思が扉を潜らない。
その結果、生まれるのはタイムパラドックスによる斎祀の――、
そして斎祀を先祖とする自分自身の消滅だというのに。
彼を連れ戻そうとしたエリザベートの手は届かず、
アッシュ・クリムゾンは少し照れ臭そうな、哀しい笑みを残して消滅する。
そして、人々の記憶からも。
全ては存在しなかったことになった。
ただ、エリザベート達の心に空虚な涙を残して――
西暦2003年末より始まりしアッシュ編も西暦2011年末の家庭用KOFXIII、
ストーリーモードで完全完結ということで、もはや前代未聞の大長編超大作となって完成したわけだが、
ここではそのあらすじを追ってみた。
一見、綺麗にまとまったように思えるが、
同時に西暦2003年末より張り続けた伏線がかなり放置、もしくはおざなりにされている。
まず誰もが思うところに、妹を操られたにも関わらず、プレイヤーキャラにもなれず、
やったことと言えばちょっと妹を調べてハイデルンへの連絡だけという情けなさのアーデルハイドだろう。
超美麗なストーリーモードのデモのお陰で今まで顔色の悪いカクカクドットの人だったのが、
え? FINAL FANTASY VII? と見紛うような美顔を手に入れたのに台なしである。
まぁ……ドットが間に合わなかったからなのだろうが。
次点で次々と神器の力が奪われる中、「第二の草薙」、「二つ目の草薙の炎」と持て囃され、
草薙京が陥落した際の活躍が期待された――あるいは京ではなく、彼の炎が奪われるのでは!?
と期待と妄想を膨らませてくれたが結局、何もしていないK'だろう。
悪の気に対抗する保険とは何だったのか。本来、存在しなかったはずの科学の奇跡とは何だったのか。
また、解かれたオロチの封印とは何だったのか。
その影響で確かにマチュア&バイスが復活しているのだから、
他の四天王達がスルーされているのは残念極まる。
KOF2003の←の意味深なデモは何だったのか。
主を愚弄されたオロチ一族vs『遥けし彼の地』より出づるモノ達の
ガチンコ勝負を見たかったファンも少なくあるまい。
まぁ……ドットが間に合わなかったからなのだろうが。
さらに龍の気の伏線が完全スルーなのはもはや伝統の域に達しているとしても、
XIのエンディングで『遥けし彼の地』より出づるモノ達と組んでいた龍、ミスティ、
その龍を追っていたはずなのに何故か仲間になってるっぽい麟の伏線まで見事なるスルー。
意外なのはあなた方のスルーされっぷりである。
後、まりんが所属してるとかいう組織は……探偵サークルか何かだったんじゃないかな、多分。
一応、家庭用で色々とフォローはされたが、最後の最後にシュルーム達と合流する紫苑を含め、
まだまだストーリー展開が期待されるKOF……であって欲しいと切に願うのである。
他、
・XIで京と庵は誰の墓参りをしていたのか?
・2003でタクマを襲ったのは何者か?
・オズワルド関連
等々、放置設定募集中。
PICKUP
Type X2 |
斎祀(変身後)
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全裸だ。マッパである。
草薙柴舟、神楽ちづる、炎のさだめのクリス、荒れ狂う稲光のシェルミー、乾いた大地の社ら
そうそうたるメンバーが演じて来た栄えあるKOFの中ボスが全裸である。
変身前は中性的な美青年なのだが、ちょっと変身すればコレだ。一皮剥けばコレだ。
やはり恥ずかしいのかその顔は自慢の黒炎で隠してあるが、もっと他に隠すべき部位があるだろう。
具体的に言えば陰部……局部といった辺りか。
だが、その部位だけが燃えていてもそれはそれで嫌だ。変態か。
もし彼にも家庭用の売りでもあるカラーエディットが施せたとしても、
いったい何をエディットすれば良いのか正直、解らない。
ともかくここへ来てKOFに不知火舞やジョー・東らを超える露出キャラが誕生したのである。要らない。
PICKUP Type X2 |
アッシュ・クリムゾン
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