SCENE 11 シンクロテスト
第参話 「悲しき心 優しき心」
テスト用のエントリープラグに乗せられ、バイオパターンデータを取ると
内容をぼかされた実験を行なわれるシンジ達。
高いシンクロ率を誇ったのはレイだった。だが、彼女は特別。「このためにこちらに来た子」
なのに、そのレイを超える数値を叩き出した少年が居た。名を、渚カヲル。
なぜここまでの数値を出せる子供が今の今まで調査に上がらなかったのか。
モニター室は騒然となった。
今、研究所で開発している乗り物のシステムデータを取った。
リツコの説明は曖昧なまま、後は怒り狂うアスカの形相だけが残されていた。
第一章 たのしい学園生活
L-5の与圧室に一人で行けと言われ、NERVをさ迷うことになるシンジ。
エレベーターでL-5に直行するだけでは無駄なフラグ立てが大好きな今作では
当然の如くシナリオは進まず、ミサトにゲンドウを捜して来いと言われる。
シンジはあっさりと
「わかりました」と答えた。
父を見つけるが、話し掛けると
ゲームオーバーになるのでそのまま無視して与圧室に戻る。
なのになぜかミサトから「お疲れさま」と褒められ、シナリオが進行。
相変わらず前後の繋がりがない。
与圧室を潜るとそこには人造人間エヴァンゲリオンの雄姿があった。
それを見てシンジは
「これが大人達を夢中にさせる物の正体か…………」と、
どこか達観した反応を見せた。シンジ達もエヴァを見るのは初めてだったらしい。
乗り込んだシンジは
「結構、カッコイイかも」とノリノリの表情。
尚、ケンスケは綾波ルートでは綾波に、アスカルートではアスカにモーションをかける、
完全なお邪魔虫キャラである。
SCENE 12 NERVから帰る
第参話 「悲しき心 優しき心」
阿修羅の形相を浮かべるアスカに必死に謝るシンジ。
とはいえ、なぜ怒っているのかが解らないのでますます火に油を注いだシンジは
結局、アスカにお小遣いをむしり取られ、ハンバーガーを奢らされるのだった。
すっかり上機嫌になったアスカ。
だが、道路の向こうからの
「碇くーん!」という声でまた雲行きが怪しく……
声の主、綾波レイとにこやかにおやすみをするシンジに、アスカのビンタが飛んだ。
「最っ低!! バカ!!」
第一章 たのしい学園生活
帰り。今度はアスカと帰る(=行きもアスカ選択)アスカルートである。
この場合、アスカは怒っていないので楽しくハンバーガーを食べ、
アクセサリーショップに寄って帰り、一緒にテレビを見て良い雰囲気になって終わるだけである。
基本的にシンジと1対1で、他キャラ間の掛け合いの少ない単調な展開が続くのが今作の特徴。
アスカがべったりのアスカルートは尚更その傾向が強い。
渚カヲル耽美的発言集
「我思う、故に我在り…………
僕は考える。この世界に存在を許された自分…………
死んだはずのロミオが起き上がる。
聴衆は囁きあい、オペラ座は響動めきに包まれる」
COMIC ORIGINAL SCENE
ここからはコミック版オリジナルエピソードが続く。
いずれも学園生活を掘り下げた秀逸なエピソードばかりである。
シンジへの気持ちを近づけて行くアスカとレイ。
だが、レイは明らかにNERVに特別の扱いをされている。彼女は何者なのか?
原作ゲームにはない謎の展開も面白い。
ちなみに、原作ゲームでもレイは普通の人間ではないことが
ギャグ調のバッドエンドで唐突に明かされるが、それが本筋のストーリーに絡んで来ることは
ない。
ゲーム版鋼鉄2に無数に散りばめられた、無意味な設定のひとつである。