COMIC ORIGINAL SCENE
第肆話 「理想の世界」
ゲーム版と違いはっきりと告白されたコミック版では、
その辺の心情変化のエピソードが抜かりなく挿入される。
綾波レイに告白されるも困った顔しか出来なかったシンジ。
休みが明け、アスカの家のチャイムを押すが彼女は出て来なかった。
風邪のこともあり、何かあったのかと心配する。
だがアスカはすでに一人で登校していた。衝突する二人。
そこに現れたレイはいつもと変わりなかったが、シンジはそうはいかなかった。
何かあったことを敏感に悟るアスカ。
浮かない顔のシンジを心配し、カヲルが声をかけてくれた。
包み隠さず悩みを打ち明けるシンジ。
何かが変わってしまう。どうしたら良いのか解らない。
「変わりたくないよ」
その言葉を聞いて、カヲルはどうしようもなく悲しい表情を浮かべた。
そしてそれは同時に綾波レイへの怒りの引き金でもあった。
シンジの望む世界を壊した存在。珍しく感情を露わにレイを責めるカヲル。
だがレイはいつかのように気圧されることはなかった。
何も変わらない世界。それはシンジが望んでいるのではなくて……
「それはあなたの理想の世界なんじゃない?」
一方その頃、相田ケンスケはアスカを呼び出し、
改めて交際を持ち掛けるという奇行を働いていた。
その奇行をシンジに話すアスカ。
どうしたら良いのか解らないシンジはアスカを怒らせてしまう。
初めて胸に感じた痛みの意味も、今は考えられなかった。
SCENE 24 使徒、襲来
第肆話 「理想の世界」
第3新東京市が再びざわめく。光の巨人、アダムが再び現れた。
騒然と動き出すNERV。一体だけではない。
数体が包囲するように第3新東京市を包んでいる。
巨人を眺めるカヲルの目は、誰よりも寂しそうだった。
第六章 大人たちの楽園
「やれやれ、やっと我々の出番か」
「最終章のお膳立てに過ぎんからな」
冬月とゲンドウが颯爽と掛け合いを行い、使徒の襲来を告げる。
観測された使徒は合計9体。警報が鳴り響くNERV。
今、人類の存亡を賭けた壮絶な戦争が始まろうとしていた。