SCENE 25 襲って来ない使徒
第壱話 「かけがえのないもの」
現れた使徒はNERVを取り囲み、監視するように停滞している。
民間人の避難はすでに完了したが、未だ状況は予断を許さない。
モニターを見つめるゲンドウのサングラス越しの目は険しいまでに真剣だった。
第六章 大人たちの楽園
EVAに乗り込み、出撃準備に入るシンジ。
だがその胸中はこれから始まる怪物との戦いへの戸惑いに満ちていた。
「全部消えちゃえばいいのに」
シンジが呟いた瞬間、その願いに応えるかのように、全ての使徒が姿を消した。
SCENE 26 控え室で待機〜休憩
第壱話 「かけがえのないもの」
控え室で待機に入るシンジ、アスカ、レイ、トウジ、ケンスケ、カヲル、六人の子供達。
落ち着かない雰囲気の中、荒れていたのはトウジだった。
エヴァンゲリオンに乗って戦う。それはあまりにも唐突な現実。
そこに神妙な顔つきでミサトが現れ、交代での休憩許可が告げられる。
まず、シンジ、綾波レイ、鈴原トウジの休憩が許されると、
トウジはシンジの手を取り、避難している洞木ヒカリの元へ慌しく足を進めた。
だが、これから死ぬかも知れない戦いへ赴くなどとトウジは口には出せず、
そしてそれはまたシンジも同様だった。
トウジが早々と場を離れる。
これから何が起こるのか、ヒカリは薄々感づいていた。
トウジの姿を模した手作りの人形を取り出し、シンジに託すヒカリ。
トウジを追い掛け、シンジがそれを渡すと、彼は怖いと涙を流した。
戦うことの恐怖と、それ以上の、かけがえのないものを失う恐怖。
自分にとってのかけがえのない人は誰なのだろうかと、戦いを前に、シンジは表情を曇らせた。
笑顔で接してくれるレイ。気まずいままのアスカ。
渚カヲルは、眉を顰め、ただ悲しい表情を浮かべていた。
第六章 大人たちの楽園
控え室で
ダラけている子供達。
トウジは
「待ち時間が長いなぁ」とアクビのひとつもかましそうな雰囲気だ。
アスカなどは自分用のベンチを持ち出し、肘を突いて寝転がっている。
人類は大丈夫なのか。
そんな中で、ただ一人
「逃げてしまいたい」と弱音を口にするシンジ。
だがその発言もカヲルの
「ならば僕がシンジ君のお供をするよ」という、
駆け落ちと勘違いをした発言によりシリアスの風味を一瞬にして掻き消される。
それに綾波レイも同調し、
「私も行く」と緊張感に止めを刺した。
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「アンタね、最近、シンジに興味があるようだけれど、
近づかないでちょうだい」 |
アスカも参戦し、
こんな所でレイvsアスカの選択肢が生まれた。
ここでは一応、コミック版の休憩要員がレイであるためレイを選択するが、
アスカを選ぶと、ふてくされてEVAに乗り込んだアスカと初号機で壮絶な戦闘を行い、
負傷したシンジがまた全裸でマヤに治療を受けるという非常に情けない展開が待っていることは、
私の胸の中だけに仕舞っておくにはあまりに耐え難い。
SCENE 27 作戦前、レイとの時間
第壱話 「かけがえのないもの」
トウジに連れられたシンジをレイは追えず、ただ帰りを待った。
戻って来たシンジと一言二言言葉を交わし、休憩時間は終わる。
第六章 大人たちの楽園
傍若無人なアスカの振る舞いに、ついにレイを庇うシンジ。
ふてくされて出て行ったアスカに続き、トウジ、カヲルも控え室を離れ、
シンジとレイだけが残された。尚、ゲーム版ではケンスケは
予備なのでいない。
そこへコミック版同様ミサトが現れるが、
「あれ、 みんなは?」
ミサトの口から警報が解除されたことが告げられた。
だが警戒態勢なのには変わりはなく、彼らに許された自由な時間は48時間のみ。
レイに公園へ行こうと誘われるシンジ。
着替えたレイはヘソ出しルックだった。ヘソをアピールするレイ。
シンジは
「綾波って、なんていい奴」と感動した。
そんな和やかな雰囲気はしかし些細なことで一変し、戦いは多くの人が傷つくから嫌いだ、
いや、人類を救うためには多少の犠牲は仕方ないと
戦争論をぶつけ合う二人。
ついさっきまで
ヘソで盛り上がっていた姿はすでにない。
結局、シンジは男の子だから戦いを受け入れ、
レイは女の子だから愛を説くのだと互いに納得し、ならばそんな僕をどう思うのか?
とのシンジの問いに、レイは
「いいと思う」と答えた。