COMIC ORIGINAL SCENE
第弐話 「過去の残像」
使徒が消えたわけではないのでまだ警報は解けず、
交代で休憩となった漫画版では当然、この後、アスカ、ケンスケ、カヲルの休憩となる。
だが、暗い表情のシンジを気にかけ、カヲルは休憩を取らずにシンジの横へ座る。
逆隣りにはレイが座り、それを見たアスカは何も言い出せずに唇を噛んで部屋を出た。
追うケンスケ。そこで彼は思いつく限りの甘言を用い、アスカを褒め称えるが、
彼女の表情は戸惑いに曇るばかりだった。
アスカはその言葉を、彼ではない男の子から聞きたかったのだ。
それを理解しているケンスケは俯いて謝る。
その滑稽さに
「バカじゃないの? アンタ」と返したアスカの目からは、
大粒の涙が零れ落ちていた。
一方、加持は司令室でゲンドウと向き合っていた。
渚カヲルの正体。それを碇ゲンドウは遠い過去に知っているはずだ。
しかし、ゲンドウの返答は「記憶にない」の一言だった。
それは碇ユイに聞いても同様、なぜか思い出せない存在として
記憶の引っ掛かりとなっていると彼女は語る。
だが、司令室で遠くを見つめるゲンドウの視線の先には、
遠き日の渚カヲルの姿がぼんやりと、しかし確実に残っていた。
使徒が再び侵攻を開始する。
SCENE 28 出撃
第弐話 「過去の残像」
再び警報が鳴り響き、EVAへと走るアスカ。
合流したレイはこんな時だからこそとシンジに告白したことを告げる。
ごめんと謝って走り抜けるレイ。残されたアスカは泣き崩れそうなほど困惑していた。
各々がEVAに乗り込み、ミサトが点呼を取る。
相田ケンスケと渚カヲル以外はすでに搭乗している。
遅れているケンスケと、待機を命じられるカヲル。
正体の怪しい人間をこの人類の存亡を賭けた戦いへ送り出すことは出来ない。
それがミサトの判断だった。
氷のような視線でミサトの背を睨み付けたカヲルは踵を返し、
道に迷っているケンスケの元へ現れる。
次にミサトが目にしたものは昏倒した相田ケンスケと、肆号機の中の渚カヲルだった。
第七章 最後の戦い
9体の使徒が陸から、海から、宇宙から侵攻を開始する。
全隔壁の緊急閉鎖が行われ、防衛兵器が稼動するがまるで効果がない。
「エヴァンゲリオン、全機出動!」
碇ゲンドウの号令と共に、レイの零号機、シンジの初号機、アスカの弐号機、トウジの参号機、
そしてカヲルの量産機が第3新東京市に並び立った。
繰り返すが、ケンスケは
予備なのでいない。