Battle 5
テリー・ボガード
VSアンディ・ボガード

目の前に転がるホア・ジャイの死体に怒り爆発のテリー。

「て…… てめえもギースの手下か……
 どいつもこいつも忠義にあついのもいいかげんにしろ!
 かんたんに人を殺しやがって……」


これには全く同意見であり、この後、餓狼3までマンガ化することになった作者様は後に
リチャード、マイケル・マックス、ホア・ジャイに出番があることを知り、
「え!? もう殺しちゃったよ!?」と、とても驚いたことだろう。

木の陰に隠れ、取り乱すダックにテリーが一喝。
「うろたえるんじゃねえ――っ!!!」
「これ以上 死人はださせねえ……」と、謎の棒男とも戦闘態勢に入った。
それにしても木の陰の使い方が上手いマンガである。

それに対し「ふ…… おまえわたしに勝てるつもりでいるのか……?」と、
なぜか紳士口調の棒男ビリー。
餓狼1時点では各キャラにいまいち性格設定が薄かったのでこうなってしまったのだろう。

「だ…… だめだテリーやめろ! あいつは―― ビリー・カーンは!
そして思わせぶり口調でビリーの解説を行うダック。
もはや立派な解説のスペシャリストだ

息巻くテリーだったがダックが続けてビリーを
「昨年の武闘会優勝者だ!」と解説すると何か普通にビビってしまった
だがそれでもテリーは腕は折れようとも闘志までは折れず、
結局「やるっきゃねー!」と、傷ついた身体でビリーに向かって行くのだった。

しかしダックによるとビリーは昨年のKOF優勝者らしいが、
この大会のルールでどうやったらギースの配下が優勝できるのだろうか?
本当に不思議な大会である。

片手でラッシュをかけるも実力者ビリーには通用せず、簡単に避けられるテリー。
折られた腕を棒で小突かれると「あががああーっ!!」とダウンしてしまい早くも大ピンチだ。
テリーの頭にトドメの照準を合わせるビリー。どうやらテリーの頭も貫通させるつもりらしい。
しかしそこにまた木の陰から現れるタン先生。
もうこの人は木の精か何かではないのか

「タ…… タン大人(たいじん)!!」

驚くビリー。
闘いの中断を勧めるタンに、ギースの許しなくして
タン大人に手は出せないとしぶしぶながら去って行く。

「今夜のこと わたしはわすれません……よ!」

彼は最後まで紳士口調だった
ちなみにこのマンガの彼はファンに媚びず、生々しいまでのスキンヘッドである。


ビリーが去ったのを見届け、突然テリーの腕を「波!」と打つタン。
すると気の力によってテリーの骨折が治った
「ただもんじゃねえや……」とタンに一目置いたテリーは(ホントに何者ですか?
タンに言われるまま、彼を待っている男がいるという武家屋敷のような古道場へと向かった。

道場にいたのはアンディだった。
タンはついに素性を明かし、自分がギースの師であることを告白する。
よくよく考えれば餓狼1時点でタン関連の設定がなくとも
このコミック発売時にはすでに餓狼SPも出ようかという時期。
どうやらきちんと設定があったようだ。

となるとテリー達の反応が腑に落ちないが、
そんなことを言っていてはそもそもこのマンガの存在自体が腑に落ちないので
些細な問題と言えるだろう。

タンは「ギースを殺りたければ闘うことじゃ!」と、
ダイレクトに殺るなどと申してテリーとアンディの決闘を促した。
ギースの師匠の言葉など信用出来ないと拒否するテリーだったが、
アンディはタンの言葉を信じ、テリーの顔面に拳を浴びせた。
鼻血を噴き出して怒るテリー。

「ア…… アンディ てめえ…… てめえよくもお兄さまの顔を……
 
わたしは許しませんよーっ!

鞭のようにしなるフックを弟の顔面に返す兄。
しかしなぜキレ方がフリーザ風なのか

本気で打ち合う兄弟。パンチ! 膝! 頭突き!
そして飛び出す…… 空破だ〜〜ッッッ!!


 昇龍弾―――っ!!

超・燃ゑる


「ゲフッ ゲフフッ」と血を吐くテリーにさらに襲い掛かるアンディのラッシュ!
「斬影拳ーっ!!」「打顎脚!」「掌底突!」「掃襲脚ーっ!!」
通常技まで叫び、ノリノリのアンディに腹がたったテリーは
ついに伝家の宝刀パワーウェーブを放ってアンディを撃墜!!

「どうだ すなおに兄ちゃんにしたがう気になったか……?」

「ま…… だまだ…… こんなもんじゃ…… まいら…… ねえ
 もっと…… 本気で…… や…… れ…… よ!」


「なに……ィ!? こ…… このやろう…… なまいきいってんじゃねーよーっ!!

兄弟ゲンカはますます醜くなるのだった。

その様子を、ああして二人が持てる力を全て出し切って闘うことこそが
ギース打倒の階段を上る事になると達観して見つめるタン大人。

一方その頃、ギースの(見た目はお馴染みのタワー)では
ギースがビリーにタン・フー・ルー抹殺指令を出していた……