這炎ドット師 KOFヒロイン会議 〜僕の一番大切な君へ〜
「まるで出口の見えないトンネルに差した一条の光。それが私のヒロイン会議。
 定説のないKOFのメインヒロインは誰なのか? という問題を議論する、
 この会議も5回目を数えることになりました。不知火舞です」



「前口上ありがとうございます。
 それでもういっそWeb投票で決めてしまおうという結論になったのが
 今から一週間ほど前の前回なんですよね」







「そろそろ答えは出たのかな?」




「ええ、なんと5000票にも及ぶ投票で見事にヒロインが決まりました。
 投票してくださったファンの皆様に感謝ですね」




「まぁ、なんと私に一週間で5000票も……
 さすがにそこまでは予想できませんでした。感謝いたします」




「ナコルルさん一人にではないです」




「で、どうだったのかしら?
 ホームページ作りに詳しいのはのはあなただけなんだから、しっかり司会してよね」




「ええ、もちろんそのつもりですよ。
 それではまず下位から何名かピックアップして行きましょうか」





■ボビー・バレンタイン 1票(99位)


「バレンタイン監督かぁ。名監督よねー
 メジャー式の休養を取り入れてるんだけど、出す選手出す選手みんな活躍するの。
 ホークスとの首位攻防戦で前日大活躍の福浦選手を休ませた日にはビックリしたよ。
 そしてまた代わりの選手が福浦選手並に活躍するんだから、
選手の調子や伸びしろを見る目が鋭いんだろうね。
タイガース4タテしちゃってロバートさん大荒れだよぉ」


「何にでも詳しいんですね……」




「ハイスクールでソフトボールやってたからね! エースだったんだよ!
 DOMにも高校生で出たかったなぁ。まだまだいけると思うんだけど。
 ちなみに舞ちゃんはNPBではどこのファン?」



「そうね、特別好きってわけでもないんだけど強いて言えば私は巨……って、待てーい!
 なんでいきなり野球の監督が出て来るのよ!」




「ホントだ! KOFのキャラじゃないじゃん!?」




「女性ですらないです」




ここまで混沌とした投票は初めて見ましたと各界で大絶賛でしたからね。
 ちなみに私は生まれたときから千葉ロッテマリーンズの大ファンでした。
 初芝選手の引退は本当に残念です」



「え? 18年前はまだ前身のロッテオリオンズじゃ……」




「ああ、こう言っておけば便乗して野球関連の仕事が来るんですよ。
 来年の開幕戦では始球式狙ってます。それでは続けてガンガン行きますよ」





■朝青龍 0票(157位)


「すっかり大横綱よねー
 高砂部屋が幕内力士不在になったときはどうなるかと思ったけど、
 朝青龍の活躍でそんな心配吹き飛んじゃったよ。
 やっぱり相撲にもこういう個性が必要な時代なのかな?
前人未到の7場所連続優勝も期待できそう!」


「本当に詳しいんですね……」




「え? 相撲はあんまり詳しくないよ。
 ただお兄ちゃんが相撲好きだからさ」




「村の若い殿方達も相撲はお好きみたいです」




「いやいや力士じゃないの! なに普通に盛り上がってるわけ!?」





■スライムベス 1票(99位)


「スライムベスってメスなんだよね」




「マジで!? っていうか、どこがKOFのヒロイン!?
 そりゃあメスかも知れないけどもう人間ですらないし」





■右のインド人 2票(70位)


「インド人を右に」




「インド人を右に」





■ケビン・バーン 37票(21位)


「おー! ライオンズキラーのケビンにこんなに票が!
 きっとオリックスバファローズから戦力外通告受けちゃって、
 去就の気になるファンが大勢いたんだね。
 確かに今年は13敗もしちゃったけど、序盤で負け癖付いちゃったからねー
良いピッチングしたのに敗戦投手ってこともあったし。
やっぱりまだまだあの速球は魅力だから、どこか獲得しないかな?
タイガースとか噂あるみたいだけど。どう思う? 舞ちゃん」


「とりあえずヒロインではないと思うわ」




「阪神へ来てくれると嬉しいですね。
 生まれたときから阪神の大ファンでした。赤星選手の盗塁が大好きです」




「え? アテナちゃんはマリーンズファンだったんじゃ……?」




「ああ、関西では阪神ファンを名乗ってるんですよ。
 開幕戦の君が代狙ってます。CMも欲しいところですね。
 ユリさんお詳しいなら後で通ぶれるウンチクを教えてくださると助かります。
 とりあえずホームランは10点で良いんですよね?」


「あ、ああ、うん…… 後でね……」





■福留孝介(中日) 岩瀬仁紀(中日) 川上憲伸(中日) 谷繁元信(中日) 合わせて1票


「おおー、ドラゴンズ勢がこんなに。票はあんまり入ってないみたいだけど。
 私、福留選手の契約改正がこの時期の楽しみなんだよねー
 今年はいったい何度保留するのか!?
 4番料! 越年辞さず! 自費キャンプ! ノート持参!
こんな単語聞くだけでわくわくしちゃうよ!」


「ご趣味が多いのですね……」




「それでスポーツ新聞に“銭闘”“2時間の交渉を終えた○○は顔を真っ赤に紅潮させ〜”
 “怒りで目を充血〜”とかいう文章が出て来たらもうたまんないんだよね!
 キター! って感じ!」



「はぁ…… その辺も含めてよろしくお願いします」




「ねぇあの、だから、まだ一度もKOFのキャラが出てなくない?
 女の子もスライムベスだけだし。というかメスだし、これは」





■チバレイ 1票(99位)


「な、なんということでしょう……!」




「なんとなく下位にいたので目立たなかったようですが、
 もし一度でも火が付いていたなら……」




「私達ではとても対抗できなかったでしょうね」




「私は今、心の底からの恐怖と安堵を感じています……」





■ユキ 3票(59位)


「ふぅ、やっとKOFのキャラが出て来たわね。今までのは何だったのかしら?
 まぁそれにしてもこの子、初代主人公の彼女という
 ヒロインポジションなのに驚くべき人気のなさね。
 もはやとてもヒロイン候補とは呼べないわ……」


「やっぱり彼氏持ちはマイナスイメージなのでしょうか?
 モーションをかけて来る男性は敵と認識すべきなのかも知れませんね」





■ゲニ子 80票(14位)


「誰?」




「この方はデミトリさんのミッドナイトブリスを受けたゲーニッツさんだそうで、
 カルトな人気を誇っているそうですよ。
 今回の投票でも14位という高位置にランクインされましたからね」







「むむ、確かにちょっとかわいいかも」




「中身はおっさんよ! 騙されないで!」





■紫苑 111票(13位)


「で、今度は誰のブリス?」




「ああ、舞さんはクビになったのでご存知ないと思いますが、
 KOFXIの中ボスさんですね。まだメディア公開されていないのになんと13位。
 末恐ろしいニューヒロインの誕生でしょうか?」



「出る杭として打たれないと良いですね」




「……私だってエンディングに出てるわよ」





■不破刃 125票(11位)


「あ、不破さんだ」




「この不破さんはなんと11位!
 あわやベスト10入りか!? というところまでヒロイン達を追い詰めてくれました」




「また男!? なぜヒロインが不破に追い詰められるのか」




「コメントの方も届いていますね」





■不破刃
・わ……本当にH(エッチ)な漢だけどそれだけじゃない
 声もしぐさも叫びかたも ゾクゾクするほどの色気で……
 まるで本当に抱かれてるみたい
 温もりが雄叫びが体の中に入ってくる
 触れられて……ジラされて あの指先であの頭巾で……
 身体中が熱くなって気が変になりそうで……



「この方は何かのご病気なのでしょうか?」




「親御さんは大変でしょうね」





■リアン・ネヴィル 葉花萌 華守純 フォクシー 李香緋 0票(最下位)


「あ…… 普通に女性でKOFのプレイヤーキャラなのに……」




「登録だけされて一票たりとも投票されなかったようですね」




「笑ってやろうかとも思ってたけど、いざ実際に目の当たりにすると……」




「とても笑えないですね……」




「だ、大丈夫だよ! 登場一作だったり本シリーズじゃない人達ばかりじゃない!
 MI2できっと嬉野さんがなんとかしてくれる!
 それでも嬉野さんなら! 嬉野さんならきっとなんとかしてくれる!」



「香緋さんは……」




「…………」




「…………」




「…………」




「……そ、それじゃあそろそろトップ10の発表へ行ってみましょうか?」




「……あ、ああ、うん」




「どうぞ、お願いします」




「はい、それでは第10位
 137票獲得、受け継がれし暗殺術、クールな女戦士、レオナさんです!」




「おおー!」




「まぁ順当なところじゃないかしらね」




「コメントの方も届いています」





■レオナ
・かつて確かにKOFヒロインを狙える時代があった……のはたぶん気のせいなんだろうな。
 ともあれレオナ愛!



「この方のような控えめなコメントが目立ちましたね」




「ほほう、あの子のファンはマナーが良いようね。
 10位入賞おめでとうと言っておくわ」




「続いて第9位! とほほほ…… もう私の登場です。
 167票獲得、永遠のサイキックアイドル、朝焼けの前奏曲、麻宮アテナです」




「まぁまぁ、150以上エントリーされた内の9位だから良いじゃない」




「健闘されたと言って良いでしょうね。正直、見直しました」




「私はランク外だろうしねー」




「皆さん余裕ですね。正直、私はショックです……
 一応、頂いたコメントの方も紹介させて貰いますね。
 こんな私にコメントを下さってありがとうございました。しくしく」



「まぁまぁ、良いじゃないの。上出来上出来」





■麻宮アテナ
・そろそろ趣味はホームページ作りからブログ作りに変えたほうがいいと思います



「あれ? ひょっとしてもうブログじゃないと古いですか?」




「今やアイドルの日記と言えば大抵ブログみたいね」




「そうですか。後で代筆に今後はブログでやるように言っておきます」




代筆!?




「続いて第8位行きますね。
 241票獲得、自由奔放 これが私の生きる道、恋と修行に燃える女忍者、
 元祖お色気ヒロイン、魅惑のくのいち、不知火舞さんです!」



はぁ!?




「おおー!」




「おや、もう陥落ですか。案外呆気なかったですね」




「ちょっと! これどういうこと!?
 これ本当に厳選な投票なんでしょうね!?
 なんで私がこんなところで出て来るのよ!」



「いえいえ、ちょっと力士とか入ってましたけど厳選ですよ。
 150名以上の中からの8位なんだから良いじゃないですか。上出来上出来」




「これでいつでも引退出来ますね」




チクショウ! チクショ―――ッ!!




「コメントの方も良いですか?」





■不知火舞
・最近の体を張ったアピールには涙を誘いますが昔から好きなんで頑張って欲しいです。



「昔からのファンには深く、ライト層にもまた広く人気があるみたいですね」




「何だかんだでフィギュアになるのはいつも舞ちゃんだもんねー」




「――――」




「放心されてますね。
 よほど自信がおありだったのでしょう。かわいそうに」




「ではその間に舞さんよりも上の第7位を発表させて頂きます。
 288票獲得、華麗なるムエタイ・マジック、美しきムエタイレディ、キングさんです!」




「えー! もうキングさん出ちゃうんだ!
 私、もっと上かなって思ってたよ」




「キングさんは健闘されたのですが、そげキングと票が割れたのが痛かったですね」






「な、何でそんなのと割れるの!?」




「続いて後一歩でベスト5入りを逃した第6位
 298票獲得、プロレスシューズの蛮勇、テリー・ボガード(ボンボン)さんです!」




「テ、テリーさん!?」




「へぇ…… 初めて来たけどいい会議(とこ)じゃないの……
 この会議にはどんな格闘家(おとこ)がいるかなぁ」




「え? あの、ゲストをお呼びするのはベスト5からという台本なのですが……
 それにこの会議は基本的に男子禁制ですから、格闘家(おとこ)はおられません」




「なぜ男性が6位にまで入っておられるのでしょうか?」




なんだきさまらぁ――っ!?
 
ま、まさか…… オ…… オレが……? 来る場所を間違ってい……る……!?




「え、ええ、ですからKOFヒロイン会議の投票結果でテリーさんは6位でして……
 声大きいですね。もう少し小さくても聞こえますよ」




「なんだぁ…… ヒロインだぁ……
 いったいなんのヒロインだよてめ―――っ!!




声でかっ! 人の全然話聞いてないですね! この方」




「……ちょ、ちょっと待ちなさいよ……
 なんで私がギリギリベスト10をさまよってボンテリが6位なのよ……」




「そりゃあおれの方がハンサムだからだわよ。
 おれって決してケチンボじゃないけど、この賞は譲れないからね」




うっお―――っ!! くっあ―――っ!! ざけんな―――っ!




ゲェー! 舞ちゃんの顔がボンボン調になっちまったー!!




「おやめなさいよ。おれにゃあ女を殴る趣味はねぇの」




やかましい!!











躊躇せず殴った―――っ!?




う…… ぎゃああーっ!! ごが ごががあっ!! い いてぇぇーっ! おぐ おぐう




「ムササビのノド笛かっきる牙ってのはこんなもんかい。
 そんな乳じゃハエも殺せねぇぞ―――っ!!」




「別にムササビと闘う技ではないと思いますが……」




「なめんじゃねぇ。おれはまだヒロインのままだ。
 自分の手を汚さぬ投票を仕掛けたてめぇこそヒロインじゃねぇだろ」




「自作自演カミングアウト!?」




「私が主役のゲームに妖怪腐れ外道という方がおられるのですが、
 その方に並ぶ外道というものを私は初めて拝見させて頂きました。
 まるで知性を感じませんよ」



「あ、あたしの乳揺れ……は世界最強…… ボ……ボンテリごときに敗れるはずが……」




「なさけねぇ。そりゃあなさけねぇ話だな、舞。そんなことでヒロインの魂売っちまうとはよ。
 男ってのはいつも強く正しい服の合間から揺れを見ていたいもんだ。
 人気のために布面積を削ぎ落とすヒロインではなく、
 正しい道を歩んでほんの少しだけはみ出しこぼれ見えるモノを待っているんだ!
それが…… チラリズム派の教えだ―――っ!!


う……ぎゃああああ!!





強ぇーっ! 舞ちゃんの露出が―― 相手になんねぇーっ!!




「ヒロインなら…… 不自然に湯気が多いシャワーシーンひとつで勝負せんかい!」




「お前はもう―― 死ね!




う…… ぎゃああーっ!! ごが ごががあっ!!





「…………」




「…………」




「…………」




「やっと静かになったようですね……
 少々イレギュラーはありましたが、ベスト5からはご本人をお呼びさせて頂きます。
 これより怒涛の後半戦ですので、次のページへどうぞ!
 私、司会がんばってますよ〜」