2000 682M 
それは、宿命の邂逅。
もはや完全にゲーセン離れ、NEOGEO離れを起こしていたので
偉そうに語るほどやり込んではいないのですが、最後のSNK純正格闘ゲーム、
THE KING OF FIGHTERS 2000です。

'95辺りから「2000年になったらKOF'00?(笑)」
などと冗談が交わされていたこのシリーズ。
とうとう2000年の当来となってのそのタイトルは、KOF2000。
……そのまんまでした。

今作では'99をベースにしながら
ややこしいだけであまり意味のなかったシステムをシェイプアップ。
かわし移動も前転に戻りました。

問題のストライカーは、前作では呼ぶ度にいちいちピカーンと画面停止して
テンポが悪かったのを修正して、なんだかいつでも呼べるようになりました。
つまり連続技でボコッってる最中にストライカーを呼んで
さらにストライカーがボコッてる間にもうワンセットボコる

というのが常識化したのです。

これはやってるほうは楽しいのですが、ヤラれるほうは血反吐のみ。
CPUをボコるならともかく“対戦格闘”としてはあまりにも一方的すぎました。
またダウン中の相手にストライカーを当てると立ち喰らいに戻るという
お得意のバグも存在し、より一層ゲーム性を凶悪にしてしまいました。

隙のフォローにも効果てきめんで、強鬼焼き等をぶっ放してストライカーを呼ぶと
当たり前に反撃に動いた相手にストライカーが襲撃
当然追い打ちまで喰らってしまうので、
ストライカーのストックさえあればどんな大技でも隙なしに近いことになります。
挑発をすることでゲージをストライカーのストックに回せるために
常にストライカーのある状態にしておくことも可能で、
リスクとリターンのバランスが妙なことになってしまいました。

KOFシリーズはこの後も何作も出ていますが販売はSNK PLAYMOREであり、
旧SNK、事実上の終焉はこのKOF2000と言えるでしょう。

思い入れが薄いのでお気に入り度は低いですが、
久々にやると“飽き”というマイナス要素は払拭出来るわけで、
サラッと遊ぶ分には対戦バランスに神経質になる必要もないし、
多彩な懐かしストライカーキャラで実際けっこー楽しめたりします。

SNKの死によって思い出を刺激され、
再びNEOGEOラーとしての魂を取り戻した自分と同じような境遇のオールド戦士は、
涙しながら今一度、戦場を駆けてみるのも良いかもしれません。
そして小学生にボコられて違う涙を流すのも良いかもしれません。

な、なんでこんな弱くなってるんだ、オレ。


hisa画伯

教訓 格ゲーは定期的にプレイしておかないと極端に弱くなる。

壮絶! 明日なきストライカー達!

このゲームで対戦する際に必ずと言って良いほど行われる儀式がある。
まず使用キャラを3人選び、そして「ピッピッピッ」とストライカー選択。
その「ピッピッピッ」を言葉にすると、「ピッ(パッ)ピッ(ンッ)ピッ(ツッ)」
パンツ。ジョー・パンツ・東である

そう、ストライカーとしてのジョーがやたらと強いのである。
スピードも速ければ追撃もし易く、例の起こしバグも容易に引き起こせるのだ。
これによりストライカーはほぼ人類全てパンツ一色となり、
街の対戦台では呪詛のように
「オッシャー!」というジョーボイスが響き渡る大惨事となった。
考えても見て欲しい。
一対一で正々堂々闘っているところに
あろうことかパンツ男が高速で飛び掛って来るのだ。
なんと異様な光景だろうか
さらにそこから二人がかりでボコボコにされる挙句、
パンツ野郎はきっちり挑発までして帰るのである。
最初から最後まで目を覆いたくなる光景だ。青少年にはとても見せられない。

みちろう画伯

しかしストライカーとして輝いているのは何もジョーだけではない。
今作にはアナザーストライカーという要素があり、
ストーリーとは関係のないキャラが裏ストライカーとして多数、登場するのだ。
死亡したはずのオロチ勢、月華の剣士から主人公の楓等、
NEOGEOファン必涙のラインナップである。
京の原案であるボツキャラ霧島翔などはよほどのマニアしか知るまい。
ボツキャラを出すならオサムちゃんのほうがもっと良かったのだが、
やはり必涙のラインナップと言えよう。


オサムちゃん

他にはなぜか他社(韓国)のゲームであるファイトフィーバーっぽいのが混ざっている。
ファイトフィーバーとは、技が異常に出難かったり、
CPUが龍虎2超えの超反応だったり、ヒロインがカタコトの日本語(ヤー・ター等)を使ったり、
音が餓狼、龍虎と一緒だったりする謎のゲームのことである。
機会があれば是非プレイして欲しい。

>参考外部リンク 飛天流格鬪道場さん
(当時は盗作と思っていたのだが、何かの業務提携だったらしい)

旧SNK最後の祭典。レアキャラてんこ盛りのアナザーストライカーの中で、
是非推したいのがやはりこのお方、
キングのアナザーである、獅子王である。
キングだけに裏が王とは声を失う。
雄々しく登場して「キィィングストレートッ!」
もしくは「ダイナマイッッ!!」
その野太い美声に惚れるなという方が無理と言えよう。
しかしグローブをオープンフィンガーに変更しているのは頂けない
いや許されない
普通に考えてオープンフィンガーでなければ
自慢のソードを持ち辛いはずなのだが、許されない。とにかく許されない

そしてさらにもうワケが解らないだろうがアナザーストライカーのさらに裏、
隠しコマンドでマニアックストライカーというモノも存在する。
まさに裏の裏はまた裏。超・裏裏発禁ストライカー。
そう、マニアック…… マニアックと言えば…… マニアックと言えば……!!

そう!

来たァ――――――――――――――ッッ!!


藤堂香澄の裏の裏!


えいやー!


って、ホントに来てる(゚□゚ノ)ノ!?

しかし顔が見えない! なぜか暗くて顔が見えない! 不自然に顔が見えない!
名前は!? ああ! 名前もUNKNOWN!!
誰だ! 誰なんだあなたは! 誰なのですかあなたは――――――ッッ!!

哀☆極限流

ソニックブー  サーマソー

こらアカン、終わっとる。終わった。

NESTS STORY

▼NESTS
世界に新たな秩序を作るという目的で組織された秘密結社で、
その為に武力や科学力を高める過程で三神器vsオロチの戦いを知り、
入手したデータ、そして草薙京の捕獲によって計画を早めようとした。
どうやってそこまでの組織を築き上げたのかは不明。
オロチ編時からなんとなくあったらしい。

だがそれはイグニス(KOF2001ラストBOSS)の父ネスツの目的であり、
彼が息子によって人知れず暗殺されてからは
イグニスによる神への道への道具としての価値しかなく、
そのため初期からのメンバーであるダイアナやフォクシーは
今の組織に疑問を感じている。

故に組織の実情は決して一枚岩ではなく、
むしろ組織として成り立っているのか不安なほどに学級崩壊状態。
ゼロが裏切り、それをダイアナ、フォクシー、クーラが始末し、
しかしその彼女らも今の組織に疑問を感じ、
今度はまたそのフォクシーらがK9999らに裏切られるが、
彼も頭をイジくりまわされたネスツを憎悪している。

そしてそれら首を傾げたくなる状況の答えが全て
“イグニスがわざとやってた”という答えに帰結するのである。

イグニスの目的はまず人間を超える改造人間を作り出すことで科学的に人を超え、
そしてその結果生まれた地上最強の人間を倒すことで
武力的にも人を超えようという、実に独り善がりなものだった。
よって、彼の権力ならば始末しようと思えばいつでも出来た
K'が生きてネスツ本部へ辿り着けたのは、
他でもないイグニス自身が豚を太らせて食おうと育てていたからだったのである。

内部は幼稚だが科学力に根差した武力はすでに世界の脅威であり、
巨大な本部を宇宙に構えることでのコロニー落としの脅しだけで
もはやアメリカ軍でも手が出せない。
結果的に唯一の対抗兵器だった衛星兵器ゼロ・キャノンが奪われ、
あまつさえ破壊された後はもうどうしようもない状況となってしまった。

結果的にというのは、この2000の時点ではハイデルン達でさえまだ
ネスツの本部が宇宙コロニーのような要塞だとは夢にも思わず、
キャノンはあくまで地球上のネスツ支部を
根こそぎ破壊するために使用準備をしていたに過ぎなかったからである。

もしイグニスがそのつもりだったらば、世界は容易くネスツに崩落されていたのだ。



クーラ・ダイアモンド
草薙の炎を反転したら氷の能力になったらしい、それを移植された少女。
アンチK'として対K'用に用意された、というのが表向きの理由だが、
真実は彼女もまたK'を成長させるための駒の一つに過ぎない。

その氷の能力はなぜか本来の草薙の炎よりも融通が利くようで、
能力発動は手からだけという制限をあまり感じさせない。
旧SNK純正作品以外では明らかに足からも能力を発動しており、
恐らく京にも出来ないであろう芸当を多々持っていることになる。
アンチK'というだけあってK'より確実に性能が良い。

肉体的にもK'同様強化を受けており、
能力を発現することで目や髪の色素が変異する他、
やはり精神にかかる副作用で年齢の半分程度しか内面的な成長がない。
また、例によって記憶もブロックされている。

K'との関係だが、これは具体的には不明のまま投げっ放しにされている。
一応、イグニスがK'に「共に育ったクーラとの記憶も封印され〜」
言っているところから見るに互いに見知った関係で、
ウィップに「研究室で生まれ、人間らしい生活を知らずに育てられた人間」
言われている点からするとK'が拉致された後にネスツ内部で交流があり、
兄妹のように育ったのだろう。

研究所で生まれたということは恐らくクローンか人工授精ということになるだろうが、
いずれにしても能力移植に成功している体質を見るにK'と他人ではないはずだ。

MoMo画伯



ダイアナ フォクシー
叩き上げの組織の幹部であり、クリザリッドよりも上の地位を持つ。
権限としてはゼロと同等のようだ。
肉体強化も受けておらず、ネスツで言えば古いタイプの存在と言える。

彼女達は揃って初期のネスツへの強い忠誠心を持っており、
徐々に変貌を来たす組織に疑問を感じている。
新たな秩序を作るべく自ら望んでネスツへ入っているので
良心派と表現するのは違和感があるもののそれに近いネスツ幹部で、
一人では活動出来ないクーラの保護者として
実の娘のような愛情を注いでいる。そこに裏表は存在しない。

フォクシーは2001で元々険悪な関係のチームメイト、
K9999、アンヘルに裏切られ重症を負うが死んだわけではないらしい。



ゼロ
ネスツに造反したネスツの大幹部であるオリジナルゼロのクローン。
だが恐らく自分がクローンだとは知らずに育っており、
真実を知った結果、2000でのネスツへの反逆に繋がったものと思われる。
悪党には違いないが、同じ境遇のウィップにシンパシーを感じたのか、
自分が集めたネスツの真実をディスクに込めて渡すという一面も持っていた。

顔がオリジナルゼロとは違うが、
これは世界的に組織された対ネスツ機関の司令である
リングへ化けた姿であり、しばらくニセリングとして活動した後は
リングのクローンと入れ替わって計画を裏で進めていた。

KOF2000はリング機関がネスツ開催と思わせてK'達を誘き出し、
捕獲して事情聴取を行うという目的で開催されているのだが、
上記の通り作戦初期の段階でリングとゼロが入れ替わってしまい、
作戦失敗どころか対ネスツ用攻撃衛星、
ゼロ・キャノンまで奪われるという大失態に終わる。
ゼロを倒したのも結局ネスツ――フォクシーらによる粛清であり、
リング機関&ハイデルンは完全敗北を喫する結果となった。

尚、オリジナルのゼロはイグニスに絶対的な忠誠を持つ忠実な部下で、
KOF2001優勝者であるK'達と戦い、その末に堕ちる船と運命を共にしたようだ。



さてどうだっただろうか?
'99の項から続いて長々と書いたもののそれでも意味の解らない人も多いだろう。
私も解らない。よって質問はしないで頂きたい。
むしろ間違っていたら指摘して頂きたいのでよろしくお願いします

PICKUP
FIGHTER
新キャラ勢

2000になって追加された新キャラクター。
左からヴァネッサ、セス、ラモン、麟、四条雛子。
見ての通り、旧キャラの登場はない。全てKOFの完全新キャラである。
そして濃い。たまらなく濃い

業界のタブーである30女のヴァネッサに続いてもう見たまんま濃いセス。
なぜか技が今更タイガーマスクのラモンに弁髪というだけで濃い麟。
そして最後の雛子は「濃い系」ではなく「媚び系」に見えるが
女子高に相撲部を作るために闘う相撲女子高生という設定が濃い。
ある意味こいつが一番濃い

何がどうなってしまったのだろうか?
今までのあの萌えコス路線はどこへ行ってしまったのだろうか?
というかお祭りゲーだったはずなのに旧キャラなしとはどうなのか?

真剣に事態が把握出来ないのだが、
ファン離れが深刻になってしまったNEOGEOに再び濃いキャラを投入。
かつての濃い味を呼び起こし濃いオールドマニアを呼び戻そうと思ったのだろう。
多分そんなところだろう。

しかしそれはただ同人層が離れるだけの結果を残し、結局逆効果だったのであった。
その後の悲劇は知っての通りである。

時、すでに遅し。さらばSNKーー

エフェクト画伯