考察 如月流の歴史

如月流忍術を我々が最初に目にしたのは龍虎の拳2での如月影二だが、
その技を一代で築き上げ最強を求めた修羅こそがこの月華の剣士の斬鉄である。



忍として時代の裏を駆けた斬鉄には常々浮かぶ疑問があった。
「我が流派は最強か?」
最強と信ずる己が流派、如月流への疑念、それは弱さ。
斬鉄に確証のない最強を無条件に信仰することは出来ず、
そしてそこに生まれた矛盾は彼を苦しめた。

ならば最強の確証とは何か?
忍として影に潜み、多重の罠を潜り抜けながら行った数々の暗殺も最強の確証へはほど遠く、
そして弱者をいくら斬ったとてそれはただの虐殺でしかない。
しからば東西全ての強者を見付け出し、かたっぱしから斬り伏せよう。
それこそが己の求める最強への確証。

考えることをやめた斬鉄はひたすらに強者を求め、そして斬った。
しかし斬り捨てた敵は敗者であり、彼の中ではすでに弱者なのだ。
修羅となり、永遠に弱者を斬り続ける呪われた矛盾との闘いの果てに斬鉄は最強の常世の使者、
黄龍と刺し違えてその生涯を閉じる。

その信念は後の時代にも受け継がれ、
影二の“極限流は強者、ゆえに討つ”といったリョウ達にしてみれば
「お前ら何なんだ?」
と、愚痴のひとつも溢したくなる行動理念に繋がっているのが解るだろう。
もはや危ない宗教のようである。


斬鉄の小刀、流(ナガレ)と影(カゲ)?

ちなみに影二の名字は“如月”であり、
如月流の正統血統のように思われるだろうが彼は総帥が拾った捨て子である。
斬鉄の孫である三太は斬鉄の死後、二代目斬鉄を名乗っているため、
龍虎の時代の総帥も○代目斬鉄と名乗っていても良いはずなのだが……

新たに総帥となった影二は斬鉄とは名乗っておらず、
斬鉄の名は斬鉄波(斬鉄の鋼断ち・改、断鋼刃)、斬鉄蟷螂拳(斬鉄の蟷螂双刃)に残っているのみ。
どうやらいつの間にか総帥が継ぐのは“如月”の名になったようである。

また不破流だが、斬鉄が生み出した忍術はすでに如月流忍術だったため、
影二と共に修行を行った不破刃が使うのも如月流のはずなのだが、
どうやら彼は(恐らく袂を別った後)図々しくも不破流を名乗っているようだ。
しかし影二が伝承していない斬鉄の奥義“水面隠れ”を“忍隠れ”として
受け継いでくれているので、斬鉄としては有り難い漢…… なのだろうか?
いずれにしても不破刃、……すごい漢だ

結論 永遠に受け継がれる修羅の歴史