考察 ナコルルとガルフォードの恋の行方は?
一般層にまで及ぶ圧倒的存在感を示す、NEOGEO業界最大の女優ナコルル。
いや、もはやゲーム業界最大の女優と言っても過言ではない。
あの春麗や藤崎詩織、ティファ、ピーチ姫らと並んでも何の違和感もないばかりか、
ややもすると最も輝きを放っているのは彼女ではないのか? という幻想をすら抱かせる。
彼女のコスチュームプレイで新たなファン層の開拓を狙った生身アイドルの数も数知れず、
中でも千葉麗子さん、加護亜依さんと言った
人気生身アイドルのプレイは人類に大きな影響を与えた。
だが同時に、そんなナコルルの相方を務める男性の苦労は計り知れないものがあるだろう。
彼女はその清純なイメージとは裏腹に、ほのかにスキャンダルが多い。
まず初代サムスピでは主人公とヒロインということもあってか、覇王丸氏との仲が噂された。
だが覇王丸氏にはお静という婚約者が存在し、
真サムのEDでは
「俺は剣に生き剣に死ぬのだ」と言いながら
接吻を行っている。
剣に生き、剣に死ぬがしかし
接吻はする。
さらにシャルロットとの仲が噂に上ったかと思えば、色との浮気話までもが浮上。
もはやナコルルとの噂などは遠い露と消えた。
そんなナコルルの相方の座を颯爽と奪ったのが、ガルフォード・D・ウェラー氏である。
初代発売後、共に動物持ちという共通点だけでファンにカップリングされた彼は、
真サムのEDで実に潔くナコルルへの想いを認め、告白している。
ナコルルはそれを振り切って大自然に命を捧げるものの、
この真っ直ぐな二人は押しも押されもせぬNEOGEO業界一の公式サワヤカカップルとなった。
だが、実は彼女、ナコルルの過去には覇王丸とのそれとは比較にならない、
仰天すべき大きなスキャンダルがあったのだ。
それは近年発見された文献、
ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜で明らかになる。
そう、カムイコタンの幼馴染、
ヤンタムゥの存在である。
ヤンタムゥは同じくナコルルの幼馴染にして親友、マナリの婚約者であるのだが、
ナコルルは村一番のイケメンであるヤンタムゥへの想いを隠そうともせず、
頬を染め、頬を埋め、その胸の中で幸福の表情を見せる。
この文献の時代背景は天草四郎時貞討伐後、つまり初代サムスピの後、
さらに解り易く言えばガルフォード氏と運命的に出会った後なのにも関わらずこの浮気行為である。
このスキャンダルは業界を激震させ、
清純派アイドルとして窮地に立たされた彼女はとうとう脱ぐしかなくなっていた。
だが、このスキャンダルは果たして突然のものだったのだろうか?
突然と言えばあまりにも突然なヤンタムゥ氏の出現。
そこに何か落とし穴があったりはしないだろうか?
不自然に思った私は調査チームの報告を待ち、そしてやはり見つかった、
ヤンタムゥ氏の疑惑に鋭くメスを入れることになった。
公式サイトを隅々までよく見て欲しい。
まず、アニメ文献ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜の原作である、
ゲーム文献ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜の公式サイトの
キャラ紹介である。
そこには当然のように彼の名が“
ヤンタムゥ”と記されている。
Googleで検索しても、彼の名前はそれなりにヒットする。これは当然の結果と言って良いだろう。
だが次に、アニメ文献ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜の
キャラ紹介を見て欲しい。
なぜか“
ヤムタムゥ”になっている。しかも
ストーリーを見ると“
ヤンタゥ”になっている。
これはおかしい。どうも彼の名前は
公式でさえ安定していない。
つまり彼は、
偽名を使っている可能性が極めて高いのだ。
なぜ彼はこんな怪しい行為を行っているのだろうか?
私はさらに調査団に彼の履歴、身長体重、指紋、声紋に至るまで、徹底的な調査を命じた。
そしてついに報告が来た結果、恐ろしいことに声紋が完全に一致した男が存在したのである。
ヤンタムゥ氏とタムタム氏の声紋が
同じ“コヤスタケヒト”という声紋で一致している。
これが何を意味するのかはもはや明白だ。
この、ヤンタムゥ氏の
ヤムタムゥという別名。これは発音によっては
タムタムゥとも読める。
つまり
ヤンタムゥの正体はタムタムだったのだ。
結論 ナコルルの本命はタムタム
だが、タムタム氏はなぜこのような変装をしているのだろうか?
いや変装というよりも骨格からしてすでに違うではないか。
そう思う方もおられるだろうが思い出して欲しい。
タムタム氏は真サムでは
猿に化けている。また
素顔も何度も変わっている。
同じ人族の間で顔、姿を変えるなどタムタム氏にとっては造作もないことなのだ。
姿がまるで違うだけで確実に別人だと言い切ることは出来ないだろう。
それではなぜタムタム氏は変装を行う必要があったかだが、
ナコルルとタムタムは初代サムスピ以前からの知り合いである。
幼馴染みなのだから当然そういうことになるだろう。
“タムタム”は“タムタム”として、カムイコタンで生活していた。
そしてすでにナコルルと互いに惹かれあっていたのだ。
だが、初代の天草討伐で出会ってしまう、運命のナコルル、タムタム、そしてガルフォードの三人。
一目でナコルルに心を奪われたガルフォードはまずタムタムを亡き者にせんと刃を向け、
彼の村の大切な宝珠、パレンケストーンを嫌がらせとして切り裂く。
その後も執拗にガルフォードはタムタムを狙い、
タムタムは姿を変え、ナコルルの待つカムイコタンへと避難したのである。
だがガルフォードの暴挙は止まらない。
先の考察でも述べた天サムのライバルキャラだが、ガルフォードのライバルキャラは、
恋焦がれるナコルルではなく、憧れの服部半蔵でもなく、当然のように
タムタムだった。
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そしてまたタムタムのライバルキャラもガルフォードであり、
やっと天草を倒し、斬紅郎も退け、
「悪イ神 モウイナイ。ヤット(ナコルルのところに)帰レル……」と、
安堵の息を吐くタムタムをガルフォードは暴言と共に襲撃。 |
どさくさでタムタムを亡き者にしようと、まさに嫉妬に狂った暴挙を行う。
この闘いで、仮面に吸われる生気が限界に達したタムタムは実際に死にかけるという、
一時は本当に危険な状態となってしまった。
彼が一命を取り止めたのは本当に奇跡だったという。
その為、本来メインキャラであるはずの彼は、真サムでは猿としての出演しか不可能だったのである。
または、彼らの確執及びすでにトップアイドルへと上り詰めていた
ナコルルのスキャンダル露出を恐れた神の組織、SNKがタムタムを隠蔽したと見ても良いだろう。
神は無理やりにヤンタムゥ、いやタムタムを、
マナリの婚約者という風に情報操作してしまったのである。
ガルフォードの執拗な暴挙から逃れるため、ナコルルのスキャンダルを隠し通すため、
タムタムは我が身を偽り、ただの幼馴染みヤンタムゥとして、
ナコルルを見守り続けていたのだ。それが許されないことと知りながら、それでも……
その後、甦サムでは、光の巫女であるナコルルは封印され聖霊となってしまい、
ガルフォードは20年経ったその時代でも消えてしまったナコルルを待ち、自らの悲恋に殉じている。
一方のタムタムの行方は、ようとして知れない。
闘いの度に骨格を変え、仮面に命を捧げ、
世界のために文字通り骨身を削って闘ったタムタムは、
もう、疲れ果ててしまったのかも知れない。
世紀のアイドル、ナコルルに魂を抜かれてしまった男達の、哀しい恋の物語である。