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KOF MAXIMUM IMPACT 2 (初回生産版)

KOF MAXIMUM IMPACT 2

永き冬の時代を抜け、ようやく開発体制が整ったのか、ここだ! ここで攻勢に出るんだ!
とばかりに社運を懸けて制作された3DKOFの第二段。
前作が思いがけずにヒットした経緯もあって
この作品に費やされたプロモーションの数々は大ボリュームかつ斬新で、
ファンの期待を煽りに煽ってくれた。
そして肝心のゲームの出来の方は…… これが格ゲーマニアのプロデューサーが付いた効果なのか。
決してインパクトのある新システムがあるわけではないが、基本、前作を踏襲しながら、
前作では実際、成り立っていなかったMIを、プレイヤー視点のマニアックな調整によって
見事な対戦ツールへと生まれ変わらせることに成功していた。

最大の追加要素は何と言っても“さばき”であり、これが追加された影響は果てしなく大きい。
この決して派手ではない存在が、スタイリッシュアート(以下SA)でゴリ押ししつつ、
中下段を揺さぶるだけで終わっていた前作の対戦を根底から覆している。
SAをガード中にB+Cというさばきコマンドを入れることで、
簡単にさばきで割り込み、相手に隙を生むことが出来る
のだ。
(尚、設定した“さばきボタン”ではこの割り込みは不可能)

しかし、一見一方的に強いこのさばきは成功してもダメージ確定というわけではなく、
相手は“さばき返し”という選択を取れる。
さばいた後の追撃をまた相手にさばかれる可能性があるのだ。
当然、さばき>さばき返し>さばき返し〜と何ループかすることも珍しくなく、
ここに熱い駆け引きが誕生することになった。
さばいた後は必殺技(さばき不能も多い)は出せない仕様となっているので、
中下段で二択をかける他、敢えて最速で追い打ちをかけず、さばき返しのタイミングを狂わせたり、
もう通常投げで安定したり等、この選択肢の多さはそのまま読み合いの面白さに繋がっている。

そして、“さばき”があるために長いSAの最後で二択、
といったタイプのSAを覚える必要がなくなった
のがまた非常に大きい。
実際、自キャラのSAを全て覚えるのは難しくないが、
隠しも含めて全38キャラのSAの二択ルートなど覚えられるはずもない。
そこへ来てこの割り込みさばきは二択に入る前にさばけさえすれば、
対戦キャラのSAで覚えるべきは初段、二段目の二択のみで良いことになるのだ。

3D格闘をやらない2Dファンの多くの理由は
異常に多いボタン順押しコンボのルートを覚える労力が馬鹿らしいというのが
かなり大きなウェイトを占めることと思うのだが、MI2にその労力は必要ない。
ゲームにハマれば自キャラのルートも自然に覚えられる範囲だし、
また動きに幅を持たせるために覚えたくなってしまうのだ。
ついでに1キャラ覚えれば他のキャラの傾向も何となく解るようにもなっている。

しかし結果、逆に死に技ばかりになったかと言われればそうでもなく、
SAを途中で止めてさばき空振りの隙にカウンター(1.25倍になる)を取ったり、
途中キャンセルしてさばき不能必殺技を出すというまた新しい択一もあるし、
(ちなみにほぼいつでもキャンセル必殺技が出せるからSAにはディレイが効かないのだろう)
繋ぎの速い技は実際問題、二段目、三段目で確実にさばけるかと言われれば、
それも集中して狙う、という選択肢を自分に課さないことには難しいのだ。

強すぎたSA関連の調整と、プレイヤーの暗記容量削減を一気に実現したこの“さばき”は、
決して聞いたこともないような斬新なシステムというわけでもないのだが、
MIを対戦ツールとして昇華するにおいて最高の追加要素だったと言えるだろう。
ここに辿り着いた発想に拍手! ついでにこの名作の基盤を作ったノイズファクトリーにも拍手!

他、今作では単発キャンセルのかかる技が増え、単発牽制から必殺技に繋ぐ比重が増した他、
ジャンプ攻撃からの連続技やめくりでの揺さぶり等を加え、より2D的に立ち回れるようになっている。
前作でもそうだった、超必生当てのダメージが大きく、
しかしSAキャンセルからヒット確認で当てたら結局、生当て程度のダメージに収まるという
絶妙の補正に加え、今回追加されたスーパーキャンセルはその補正を緩やかにする効果があったりと、
ダメージバランスがさらに良い具合となっている。

3ゲージ超必ぶっ放しで下手すると半分以上減るのはどうかッ!
と見る向きがあるのも事実だが、SNK超必の起源は生当てにこそあったという事実も忘れるべからず。
むしろ連続技専用の超必の方が邪道なのである。

バランス  空気
キャラバランスはテリーがぶち壊れているだけで後は良好というなかなかの仕上がり。
ただし、跳び越せない飛び道具はキャラバランスにもシステムバランスにもヒビを入れ、
そしてまた大幅に空気を下げていると言えよう。
また、各キャラの性能が尖っていたり、ぶっ放し超必で半分以上減ったりする結果、
負けるときは何も出来ずに負けることも珍しくないため、それを寛容する心も必要。
回復技等、家庭用ならではと言える調整もアケ派には理不尽感があるのは間違いない。
が、それでも対戦が楽しくて仕方がないのだから、
このゲームの潜在的な面白さには目を見張るものがある。
スタイルの噛み合う相手との読み合い押し合いは他に類を見ない興奮があるのだ。
>MMBB KOF MAXIMUM IMPACT 2

と、対戦派の視点から見ても大満足なのだが、
そうでなくてもガチャプレイでガンガン繋がるスタイリッシュアート。
先の通りぶっ放しで大ダメージが入るために格上にもまぐれ勝ち出来易いバランス。
それから単純に見た目派手な3D演出と喋りまくるキャラクター達で、
そこまで深くやり込まない人でも単純明快に面白いゲームに仕上がっている。
これが“娯楽”として良く出来ているのだ。

とはいえ不満がまったくないわけではないので、
少々気になった点などを対戦部分、それからついでに(?)仕様部分で。

・遠距離で飛び道具連発が不毛
2Dより遥かに広く間合いを取れるうえに、
なんと困ったことにジャンプで跳び越せない飛び道具が多い
お陰で全力でバックステップで去って行き、飛び道具を連発するプレイヤーが実に多く、
不毛なバトルが頻発してしまう。広い空間を利用している感覚は家庭用としては楽しいのだが……

・ぶっ放しが強すぎる
え!? さっきぶっぱ推奨してたジャン!?
と思われるかも知れないが、推奨したのはあくまで餓狼SPでのゲイザーのような超必。
一部、ほぼぶっぱ得な技に長い無敵が付いている場合はその限りではなく、もう少し調整が欲しい。
元々SNK格闘の超必には何でもかんでも無敵を付ける必要はないはず。

・安直な行動でガード切り替え困難な状況がある
ヒットストップが短い影響か、はたまた技性能の方が間違っているのか、
下段が速いキャラのジャンプ攻撃低め当てからの足払いなどが
かなり集中していないとしゃがみガードへ切り替えが間に合わない。
セスの闇月>スライディングも間に合わないし、庵の→B>↓Dの中段>下段も間に合わない。
“不可能”ではないので実際、些細な不満ではあるのだが、ちょっと困るポイント。

・家庭用なのにMMBBでの標準タイムが短い
アーケードではインカムの都合もあるのでタイムを切り詰めるのは解るのだが、
今作は何故か家庭用なのにも関わらずタイムが妙に短い。
基本、攻め倒すゲームなので本来は気になる部分でもないし、実際その通りなのだが、
しかし前述のバックステップ飛び道具を相手にしているとこれが普通に時間切れになってしまう。
逃げ助長になっているので出来るのなら今からでも何とかして頂きたい所。

・プラクティスが不親切
一応、最低限の機能は付いているのだが、剣サムのようなプログラム機能がないのが後発だけに残念。
後は最速起き上がりと受け身を同時に設定出来ず、ダウンコンボを調べる際と空中コンボを調べる際に
わざわざポーズをかけて切り替える必要性が生じる。
しかも、その最速起き上がりが実は手動での最速起き上がりより遅いので、
プラクティスでは入っても実戦では入らないといったコンボが幾つも発見されてしまった。
さらにこのオプション設定がセーブデータに反映されず、
電源を入れ直す度にいちいち入力し直さなければならないのが何とも面倒くさい。

・隠し要素解禁までの作業が苦痛
隠しキャラや隠しステージ、隠しコスチュームに隠しBGM等、数え切れぬほどの隠し要素のある今作。
それは非常に嬉しいのだが、これを解禁する過程のチャレンジモードやサバイバルが作業的すぎる。
対戦が面白いがために対戦派は他のモードなどやっていられない。
さりとて各キャラ懐かしのBGMが隠されており、
あの名曲達の中でバトルが出来ると知ってしまっては無視することは出来ようもない。
対戦数(MMBB含む)やプレイ時間で解禁される救済措置がないことが悔やまれる。



KOF MAXIMUM IMPACT 2 STORY

今回、きちんと全キャラにフルボイスドラマ仕立てのリアルタイム演技デモが搭載されるということで、
俄然、注目を集めたストーリー要素だが…… とんでもないことになってしまった
前作は確かにあってないようなストーリーではあったが、
一応、サウスタウン内でのギャング達の抗争という基本線があったはず。
にも関わらず、2になって話が何故か宇宙に飛んでいた
主人公のアルバ、ソワレも宇宙人だったらしく、
新キャラのルイーゼやボスのジヴァートマも宇宙人らしい。
すごい発想だ。予想出来た人間は誰一人としていなかっただろう。

ミートマン画伯

3部作の2作目ということで、話がまだ未完のまま引かれている現状、
考察は出来ても感想を出すのは少々無理があるために、ここでは保留として、
Show Timeでのプロモーションムービー等でやはり注目を集めた掛け合いの数々は、
ボリュームもさることながらファンがニヤリとしてしまうネタに富んでいて非常に面白い。
ナイトメア・ギースを前にして「狼は眠らない、か……」(餓狼SPCMのキャッチ)と呟くテリーになどには、
オールドファンはグッと来てしまうだろう。
アルバ、ソワレは当然、デュークやリアンら、前作では記憶の片隅にも残らなかった印象のキャラ達が、
しっかりとKOFの中で立ち位置を確保しているのもお見事の一言。



テリーら一部キャラはストーリーデモでも因縁の相手との専用ドラマが入り、
大幅に強化されたグラフィックと共にキャラゲーとしての出来もレベルの高い作品である。
KOF MAXIMUM IMPACT 2 SOUND TRACK
このデモ時のRPGのような繊細な旋律も聞き逃せないポイント。
当然、バトル時の激しく壮大な曲も素晴らしく、
やはり今回もBGMは思いっ切りハイクオリティ。
隠しステージのサービスである、邪神(真サム 羅将神ミヅキ)
レクイエム(餓狼2〜クラウザー)といった旧曲再アレンジも聴き所だ!

SIDE STORY

KOF MAXIMUM IMPACT 2 〜ファイナルアナライズ〜
MI2ではストーリーに作家の嬉野秋彦氏を起用していることもあって、
サイドストーリー的な小説が三本書き下ろされている。
公式サイトでも公開されている
アルバ、ソワレとフェイトとの出会いを描いた 『サンズ・オブ・フェイト』
リアンとデュークの物語 『背中』
ルイーゼ暗殺の任務を受けたナガセがメインで、組織内の人間模様も見られる 『夜のガスパール』

この上記三本、さすがは本業の小説フィールドだと言うべきか、
唐突に宇宙人が出て来て違う意味でMAXIMUM IMPACTを生んだゲーム内のストーリーとは違い、
やや欝気味に深く気持ちの入り込める素晴らしい出来である。
『背中』 『夜のガスパール』 は攻略本、KOF MAXIMUM IMPACT 2 〜ファイナルアナライズ〜
収録されているので、宇宙人に疑問を持った人こそ必ず読むべし!
※後に公式サイトで全て公開(えー!?)

■ サンズ・オブ・フェイト
親もなく、サウスタウンへ流れ着いた少年アルバ、ソワレ兄弟に信じられるのは互いの血だけ。
特に大人の裏切りを知るアルバは弟以外、誰も信じず、
またそれが明るい弟を守る唯一の道だと信じていた。
そこで出会う“お人好し”のフェイト。
彼の情に絆され、少しずつ心を開いて行く少年アルバのドラマに涙が滲んでしまうのは、
この後に訪れる別れを僕達が知っているからだろうか。
個人的に好みの話というのもあるのかも知れないが、素で涙ぐんでしまった名作。
先に書いた通りこれは公式サイトで公開されているので読んでおいて損はないだろう。タダだしね!
これがあるからこそゲーム本編での、静かな男、アルバが声を荒げるシーンがグッと来るのだ。

「フェイトをくだらない男と言った貴様を、私は決して許さない!」

まさかここから宇宙人へ飛ぶとは……

■ 背中
“KOF”というとすでに非日常のイメージがあるが、
ここに明確な“殺し屋”が現れたことでファンタジーでない形での非日常が提示され、
これが意外にも新鮮な印象を受けた。気持ち悪いくらいに生々しいのだ。
今までのKOFキャラにも人を殺しているキャラが多々存在するのは確かだが、
彼らの殺人は現実のニュースで言えば“狼男が現れて人を殺しました”のような、
遠い世界の物語に感じる。
だが、リアンの殺人は生々しい。彼女は本当に居そうな殺し屋だ。
アニメ的に置き換えるのが難しい彼女の闘いは、想像するに正視に耐えないものがある。
そう感じさせる文章が紡がれている。

そんなエゲツないまでの殺しの技を武器に、壮絶な感情をデュークへ浴びせるリアン。
それを豪腕のみで微に砕くデュークの強さ、迫力。余裕。
あれだけ恐怖を感じたリアンの技が全く通用しそうにないし、事実、通じない。
ラストシーン、尚、デュークへ凄絶な殺意を持ちながらも、
どこか穏やかな自嘲を浮かべる感情の交差は、
ゲーム本編のストーリーへと繋がり、痛々しく胸を打つものがある。
正直、僕はリアンにもデュークにもキャラクターとして魅力を感じていなかったし、
今も特別好きなキャラでもないのだが、この物語にはズシリと来る物を感じた。
読んだ後にリアンでストーリーモードをクリアしてみよう。盛り上げBGMも相まって、これは来る。

しかし、デュークに手も足も出ず、
アニメ版でもビリーに何も出来ずに一方的にやられる設定上のリアンの弱いこと弱いこと……
特にアニメでは衛星兵器まで使ったにも関わらずボコボコにされ、
後はビルから落ちそうになってプルプル震えるだけという見苦しさだ。
弱い。衛星兵器まで使って棒の男に完敗。ちょっとそれは弱すぎないか? というほどに弱い。
MIでのヘタレ王は彼女で決まりだろう。正視に耐えない見苦しさである。

この女にガチで負けたらしいフェイトとは一体……

■ 夜のガスパール
冒頭、支給された錠剤を噛み砕くナガセ。
ゲーム中では舞の痛々しさばかりが目立った彼女のストーリーだが、
この苦い安定剤らしき物を噛む姿にはアデスの強化人間としての悲哀が滲む。
どういった経緯で実験体となったのかは語られていないが、
ナガセの成り立ちに深みを感じてしまうシーンだ。
と同時にゲームをプレイした限りではとにかく小うるさく、やかましく、
しつこいまでに美形嫌いの親父趣味といったイメージしかなかったことに驚かされる。

陰険なジヴァートマとのやり取りでまた静かに不快感を増したナガセのぶつけ所のない苛立ちが、
ルイーゼ・マイリンク暗殺という仕事に向けられるのは自然の成り行きか。
日々積もった不快な感情を爆発させるべく、明確な殺意を持って相対するナガセ。
ゲームのナガセではシリアス味を感じない場面だが、ここのナガセの殺意はリアン同様の怖さがある。
しかしナガセが目にするのは薄気味の悪いルイーゼの動き。
何か踊りながら素人くさい攻撃をしつつ眼だけは動体視力で動きを追っているのだ。
さらに繰り出される宇宙人パワーによる“反逆のバラード”。

「何モンだよ、おまえ!」

まさに未知との遭遇である
よくよく考えれば強化人間のナガセも充分に未知なのだが、
ヒロイン格のルイーゼがそれ以上に気味が悪い
気味の悪さでは遥かに 宇宙人>強化人間 だった。
二つの未知をぶつけて一方を人間寄りに、当初、人間だと思われた女こそが遠い未知へ。
ここへ持って行く展開を見ればこそ宇宙人設定も充分に有りと思えてしまう。

ラスト、決して後読感が良いとは言えない、
また苦い錠剤を噛み砕くナガセの吐き出せないストレスの描写も、
ここでは逆にゲームを起動してナガセで暴れたくなる衝動を与えてくれるのだ。
これを相乗効果と呼ばずして何と言うのか。
そしてストーリーモードで大暴れするのは痛々しい舞
ナガセはナガセで小説で感じたアンニュイな苛立ちからはどうにも遠い。

ここまで見事な出来の小説を立て続けに読んでしまっては逆に、
他の仕事がどれだけ勝手が違ったのか想像するだに恐ろしいものがある。
と、同時に今回得たノウハウで次(MI3)がどうなるのか、ストーリー面でも結局、楽しみなのであった。

2Pモデル、隠しコスチュームの怪奇

さて再び怪奇に触れる時間がやって参りました。
とりあえずの2Pモデル、まず触れるべきはクーラ・ダイアモンド嬢でしょうか?



トレードマークだった長い髪をバッサリと切り捨てた驚愕のベリーショート。
正直、……誰?

スカート着装で、

(C)ピューと吹く!ジャガー うすた京介

のは良いのだが、知らない子のパンツを見せられても困る男性も多いのではなかろうか。
まぁクーラに関しては2Pモデルよりむしろムービーの方が誰? という感じなので
それはそれで良いのかも知れないが、



前作の2Pモデルを引き継ぎながらさらにメガネ強制着用になったアテナの誰? 度もかなりのものだ。
しかも今回、1Pモデル(これは個人的には好き)にも大幅に手が入ったことで、従来のアテナはどこにもいない。
これでは旧SNKのゲームは買ってたけど、PLAYMORE後は買っていないという層が
アテナやクーラのパンツ目当てで飛びつくこともないだろう。飛びつくパンツがない。
または、飛びつきはしたものの前作の別人ぶりに懲りて今回はスルーに入ったか。
実際、このパンツ層が離れたのかは知らないが、
今回、ゲームとしての完成度が大幅に上がったにも関わらず、売り上げは大幅に下回ったらしい。
僕はやはりこのパンツ問題がたたっての結果だと思うのだがどうか。パンツパンツ書きすぎた。

確かにデザイン上、すでに古くなってしまっているキャラも何人か目に付くのだが、
アレンジにしてもここまで記号を消してしまっては一体誰が喜ぶのか、少なくとも僕には解らない。
そして実際、相手に使われると試合が始まるまで対戦キャラが誰なのか解らない
何かネイティブアメリカンなの来た! ラルフか? マキシマ? あ、ワイルドウルフだ――ッ!
のような事態が度々にして起こる。

じゃあ1Pモデルの隠しコスチュームを使ってれば良いじゃないか、
ということになるわけだが、これがカッコイイコスチュームが揃う前にネタに入るキャラが多い。
基本、1Pコスの色違いが揃って行き、そこからかなり手の入った新コスが入り、
そして最後にコスプレや獣人化などのネタコスが開放されて行くようになっているのだが、
実際の所は上記の通り。最も重要なはずのカッコイイ新コスがどうにも少ない。

ネタは確かに面白い。
が、一回笑ってそれっきりで結局、自キャラのカラーにして闘おうという人は、
MMBBでウン十人と闘った結果、僕なりの統計ではほとんどいなかった。
特にロックはほぼ1Pのノーマルカラーか青カラーしか見掛けない。
僕の目から見ても確かに彼にはロクなコスチュームがない
K'やチェ・リム、ナガセらカッコイイコスの充実しているキャラと比べるとかわいそうなものである。

リョウに至っては1Pですら誰なのか判らない

ネタは自キャラに選びたくなるようなカッコイイコスチュームを複数入れた後に、
そこでお遊びとして初めて入れて貰いたいものである。
ついでに髪型が変わり過ぎるのはもうそのキャラと認識するのが非常に困難なため、
コスと同じく髪型も選ばせてくれればこういった不満も出ないことと思う。
最後にSNK世界の壁どころか版権の壁さえ超えかけている脅威のネタコスチュームを幾つか紹介。

やはり注目はまずコレか。
ギャース! そ、そんな…… レオナの元ネタが綾○さんだったなんて……








しかもア○カまであるという。
セカンドチルドレン育成日誌、よろしくお願いします。








ル○ン・ザ・サード♪

ええい! 連邦のモビルスーツは…… ってもうやめとこう((((;゜Д°)))

もちろん、前作同様、SNKキャラへのコスプレネタも多彩で、
集めては笑い、集めては笑えるラインナップとなっているのだ。
やっぱり実用的なのは少ないがな!

メガネ泥棒

またコスチューム関連の話題で申し訳ないが、このゲーム、やたらとメガネっ娘が多い。
先の通りアテナの2Pは全て強制的にメガネ着用で決して外すことは出来ないし、
新キャラのナガセもメガネ、ルイーゼの隠しコスもメガネ、フィオもメガネ、
リアンの隠しもメガネ、リアンは2Pもメガネ。



いやメガネというか、シャアだな、これは。
K'やクラーク等、男集のサングラスも入れればこんなにメガネ率の高いゲームもそうそうない。
これからメガネ戦争でも起こるのかというほどメガネである。
メガネっ娘好きには天国(パラダイス)なのだろうが、僕のようなアンチメガネっ娘としては
隠しを解禁する度に「またメガネかよ!」と叫び続けることになったのは言うまでもない。
せめてアテナくらいは前作のようにメガネ着脱可能にしてください……

なかったことにしてください



また真ん中分けかッ!



PICKUP
IMPACT
ニノン・ベアール
 
決め台詞 つまんないし
「我が前にラファエル!」 「我が右手にミカエル!」 「我が左手にウリエル!」
「ザーザース ザーザース ナースタナーダー ザーザース!」


特徴的な長台詞を読み上げながら魔力を行使する、冷笑家のゴスロリ黒魔術師。
その人形のような佇まいで無表情にクスクスと笑う姿はまさしく悪魔と踊る少女。
ベアールの名の通り、あのミニョン・ベアールの妹である。
萌えキャラでコケ続けたSNK PLAYMOREだが、
このキャラのインパクトはもう外れなどとは呼べますまい。
語尾に「〜し」と付けるのも何気に新鮮かつしっくり馴染んでおり、
公式サイトでも見られる公式ストーリーがまた妙に面白くてついつい語尾を真似してしまう。
真似してしまうし。

また、この散々ミニョンをイジり倒すキャラが登場したことによって、
前作で悲惨なまでにコケた萌えキャラの姉はこれでイロモノに専念出来るとばかりに
前作以上のブッ飛んだ言動で立ち位置を確保したように思える。
ストーリーモードのエンディングでニノンにイジられ、
「世界平和より先に家庭内の平和を守らねばぁ!」と叫ぶミニョンのオチは実に面白い。
一番平和なのはアンタの頭だよ! ツッコんでしまっては負けなのだろう。

MM画伯

PICKUP
IMPACT
ナイトメア・ギース
 
決め台詞 悪夢に怯えるか…… 惰弱な
何年越しだろうか、この圧倒的な存在感。
KOF'96のコピペしか見られなくなって久しい昨今、ついにギース・ハワードが帰って来た!
そう思わせるに充分すぎるモデリングとモーション、そしてボイスの数々。
間違いなく餓狼SP以来、最高のギースだ。
ギース様好きがこのギースをスルーするのは絶対になしだぞ!
はみだしギャルも確かに良いだろうが、漢の魅力に溢れているのもMI2のソソるポイントである。
正直、感動した!

小板橋篤記画伯

尚、“ナイトメア・ギース”となっているのは、ストーリー上、ギースはすでに死んでいるからである。
MI2のサウスタウンは一応、RB餓狼後をベースにしつつ、
ロックがすでに成長している等、MI1ですでに歪んでいる時間軸を内包したKOFのパラレル、
という設定と解釈していれば良いらしい。
簡単に言えば餓狼・龍虎のパラレルで始まったKOFのさらにパラレルな世界がKOFMIなのだ。

The King of Fighters:Another Day

怒涛のMI2プロモーションの核と言えばこのプロダクションI.G制作、
ショートアニメ、The King of Fighters:Another Dayだろう。
一話、7分程度の短い尺ながらも
さすがはI.Gのクオリティで動き回るKOFキャラは圧巻の一言。
実はKOFのアニメ化はDREAM MATCH 1999KOF'94RE-BOUTのOPアニメ、
後はKOF京での超必アニメくらいのもので、これが実質の初アニメ化なのである。
それがShow TimeやGyaOでなんと無料公開されたものだから
自然、ファンの盛り上がりは半端ないことになる。

このDVDはMI2初回版に付属され、設定資料や監督による解説、
英語音声など色々と愉快なオプションが付くことになった。
わざわざ扇子を取り出して龍炎舞を繰り出す舞の謎や、火事でしっちゃかめっちゃかな中、
さらに龍炎舞を繰り出す舞の謎などが解説によって解き明かされる他、
しがれた声の英語アルバなど非常に笑えるのでMI2を買うなら初回版を絶対オススメ。

実際、これを単品で発売した所で誰が買うのかは正直、疑問が残る。
作品のクオリティの問題ではなく、かつての餓狼、龍虎、サムスピのように
地上波での放送など夢のまた夢、映画化など以ての外な現在、
じゃあKOFのアニメをわざわざOVAという形式で発表して売れるのか? と聞かれればNO!! だろう。
この無料公開、そして無料特典として再利用という選択は現状の中で最も効果的な戦略に思えた。
分をわきまえてると言えば響きに悪いが、
ピンキーの一件といい何気に空気が読めている昨今のSNK PLAYMOREだった。

ちなみにこの作品、アッシュやウィップといった面々も出演しているのだが、MI2に彼らは登場しない。
実はこのKOF:Another Dayもまた本家KOFとMIのパラレルで、
両時間軸の干渉し合ったまったく新しい世界での物語だったかららしい。
もはやワケ解らんというのが多くの本音だろうが、
MI2の宣伝と共に、本家KOFの方のアピールも盛り込まれた結果だそうだ。
ついでにアニメとゲームでビリーの声も違うわけだが、その理由は…… 考えるまでも、ない、か……