DEATH-TINY 1
魔都(サウスタウン)へ


冥界と来て続いて魔都
今回はこういうノリで行くようだが、中身は全く変わっていないことは
プロローグですでに解っていただけたことだろう。

ドイツ ヴォルフガング城――
アニメ餓狼2のシュトロハイム城とほぼ同じ風景。何かモデルがあるのだろう。
そこではローレンスがクラウザーにテリーとビリーの評価を報告していた。
闘士(バトラー)の資格有り。


所変わってサウスタウンより北に数キロ、リトルタウン。
テリーがホットドックを食べていると、そこに飛んで来るは花蝶扇!
アンディを返せ! とわけのわからないことを口走りながらテリーを襲撃するのは不知火舞だった!
どういうことだ!?

突然襲われながらも「女をなぐるしゅみはねぇ」と紳士的な対応を取るテリー。
しかし舞がムササビの舞を仕掛けると……


 ライジングアッパーッ!!

一瞬で前言を撤回した。
これはボンボンテリーの性根の腐り具合を甘く見た舞の落ち度であろう。
ボンボンテリーはやるときはやる漢である。
ゴシャッ という必要以上にエグイHIT音から見ても
ボンボンテリーの辞書に容赦という二文字はないことが解るだろう。
しかしいくら同じ技とはいえ、コピーと見紛うほどにマイケル・マックスのときと同じ構図だ。
作者様はこの絵、この構図、そして技がよほど気に入ったのだと推測される。

そこに自慢の黒マント姿で現れるジョー。
ジョ――――ッ!
ただ現れ、普通に話し掛けただけでテリーに意図の見えない絶叫をさせるこの威圧感。
間違いなく黒マントの貴公子、ジョー・黒マント・東だ。
やはり町中で半裸は問題があるのでジョーのこの選択は正しいだろう。
むしろ舞にもマントの必要性を感じる

また、テリーはプロローグで背中を切り裂かれたためかジャンバーを新調し、
お馴染みの背中に星マークのテリジャンに変わった。
なかなか芸が細かいが、
やはり下半身はピチピチ&ロングブーツである。
だからそこを衣替えしろよ!!
そのジャンバーも肩のほつれ、シャツの破れがカットされたせいで
著しいマイナスアレンジとなっている。
妙に脇が開いているのでアッパーでも出そうものなら脇毛が見えそうで困る。
なぜ素直に原作に忠実にしないのか

ジョーの話によるとアンディがテリーからの手紙で
サウスタウンに呼び出されたきり行方不明になったらしい。
しかしそんなものを出した覚えはないテリー。そもそも字すら書けそうにないボンボンのテリー。

これがその手紙である。




テリーじゃないと…… 分かれ!!

一応欄外に「と英語で書いてある」と説明が入っているが、この場合そういう問題ではない
なぜ丸文字なのか

伝説の木にでも呼び出しているのだろうか?

「なんだこりゃあ」と訝しげなテリー(そりゃそうだろう)。
アンディもあまりにも怪しいので気になってサウスタウンへ飛んだのではないだろうか?
と好意的に解釈しようと思ったのだがジョーは、
「なに!? おまえこいつ(手紙)におぼえがないと?」素で驚いていた


再びサウスタウンへと足を踏み入れるテリー、そしてジョー、舞、ダック。
ギース亡きサウスタウンには静寂が訪れていたが、そこにまた現れる……

 なんだきさまらぁ――っ!?

やはり襲って来る恥ずかしい帽子の男達!
すぐさま戦闘を始めるテリーとジョーに遅れを取らぬよう
「ボケッとしてんじゃないよ 両側ハゲ!」と舞とダックも戦闘参加。
今ここに大団体戦が始まった。

しかしテリー達が強いと見るや「わひ〜〜っ!」と言いながら逃げ出す変態仮面達。
いきなり襲われて腹が立っているテリー達は当然追い掛ける。そしてその先には……

キム・カッファンがッ!

そこでジョーは颯爽と黒マントを脱ぎ捨て、肌を晒した。

「こいつはオレにまかせろ おまえは仮面を追え
 アンディのこと ……きっとなにかつかめる」


頼もしいうえに賢いボンボンジョーは仮面軍団とアンディ失踪の関係をあっさりと見抜き、
そしてキムの相手も引き受けた。



ジョー・文武両道・東 最高に男前だ。

一方、仮面集団になぜか振り切られているテリー達。意外に足は遅い
走り回った末にダックの指差した方向を見ると、
そこには前作で廃墟にされたはずのパオパオカフェが幽霊屋敷のように復活していた!!
不審に思ったテリーはドアを足で蹴り開けて中に入る。
来て欲しくない客の筆頭である。

中にいたのは本来の店主であるリチャードでは当然なく、サングラスの太ったおっさん――

「ここは血のカクテルのます店アルからね
 腕におぼえのある客しかはいれない
アルよ」

インチキ中国人のような口調だがチン・シンザンだった。
日本に現れたリチャードはあれからどうなったのだろうか?
以後、彼の姿はおろか名前すらも出て来ることはなかった


場面は移って、キムに押され気味のジョー・漢気・東。
ジョーが冷や汗を流す中、ついにキムの勝利宣言が飛び出した。

「おまえはわたしの技をしらない……
 だが…… わたしはおまえの技をしっている……」


!!

驚くジョー! そして浮き上がるキムの体!!
これはあのッ! 出た! 飛燕ざ〜〜〜ッッ!!!


飛燕返し!!!


…………


┗(゚Å゚)┛なんだこりゃ?

キムの最初の必殺技は半月斬でも飛燕斬でもなく、
飛燕斬に余計なアレンジの加わった飛燕返しなるうさんくさいボンボン奥義でした。
「おまえはわたしの技をしらない」と得意気に語っていたキム氏ですが、
私もこんな技は知りません。きっと作者様以外、誰も知りません

しかしよく見るとこれはこのマンガの連載時には影も形もないはずのRB餓狼から加わった
飛燕斬の追撃に似ているではありませんか!
まさか! まさか! 飛燕斬追撃の天昇斬はボンボン餓狼から!!?

そんなわきゃあない
と、思ったのも束の間、次の瞬間には……

 
リアルバウト餓狼の遠距離CでジョーをKO!!?

まさかぁ――――っ!!


また場面は移ってパオパオカフェ。
チンと仮面男達との関係を問いただすテリーだが、チンはとぼけるだけだった。
するとテリーは即刻「体にきくぜ!」と拳を振るい出した。
チンと仮面の関係を証明するたいした根拠もないのにこれはどうだろうか

しかしその拳を身軽に避け、電灯の上に着地するチン。
そこでチンが取り出したのは…… アンディの髪の毛!? 激昂するテリー!!

「アンディになにをした…… アンディはどこだーっ!?」


…………

本当に何をしたのだろうか。なぜチンはそんなものを大事に持っているのだろうか。
あのラブレターが如き丸文字手紙を見るに様々な可能性を予感させるが、
どうやら深く考えないほうが良さようだ

「知りたければそこの男たおしてからきくよろしね」
と、あまり聞きたくはないのだがさらに挑発を続けるチン。
そこの男とは何者? 気配を感じてテリーが振り返った先には……!!

 キム・カッファン!!

ということはまさか!!



ジョ、ジョォォォ――――ッッ!!(笑)



DEATH-TINY 2
皆殺しの饗宴(うたげ)


今度は皆殺しの饗宴(うたげ)と来ました。
どうやら妖怪系というよりも70年代の特撮系のようだ。

前回、アンディのことはキムを倒してから聞くよろし、と言っていたチンだが、
「大サービス」と称してあっさり口を割り出した
「アンディしゃんもその男にたおされた……アルよ」

その言葉を聞いて暴れ出すテリー。

うっお――っ!!

くっあ―――っ!!

ざけんな―――っ!

落ち着け

突然キレてチンピラ以下の行動を取り出すテリー。
当初はチンやキムを狙っていた器物破損行為も、
よく見れば後半はただ店を壊すことに目的が変わっている。

キムに店から叩き出されるテリー。
これはまぁ当然の報いだろう。店はすでに半壊である。

なし崩し的にテリーとキムのバトルが始まった。
テリーは流れるような通常技連携から得意技の「サニーパンチ!」を繰り出すが、
全てキムに躱されたうえに回し蹴りからネリチャギのコンビネーションを喰らって逆にダウン!
サニーパンチが効かない!?

さらに攻め込むテリーだったがやはり全て躱されてカウンターを貰うのみ。
「わたしはおまえのすべての技を見切れる」
キムはジョー戦に続いての意味深なセリフを残すのだった。

その頃、テリーがやられている隙に舞はチンに詰め寄っていた。

後ろで糸を引いている黒幕は誰か? アンディはどうなったのか?
チン達は何者で何を企んでいるのか? 仮面との関係は?

全ての疑問をぶつけたが、はぐらかすチン。すぐさま拳の洗礼に移る舞。
「ひょひょ この娘さんも短気アルね」
身軽に躱すチンだったが、この女が普通ではないのはその格好を見れば一目瞭然だ。
返礼の氣雷砲を舞はガードで耐え切る。
その様子を見たチンは「リストにはないけどこの娘もつかえるんじゃないかね」と、
キムに続いての意味深発言を行った。
すると「リスト」という単語がなぜか勘に触ったようで、そこでまたキレるテリー。

「なんだぁ…… リストだぁ……
 いったいなんのリストだよてめ―――っ!!


「それはおれがききだそう」

そこに颯爽と現れたのはそう!
大の字で寝そべって1ページ使っていた贅沢なあの漢!!

ジョ―――ッ!!・東
復活!!

ボロボロの姿ながら尚もキムと闘おうとする不屈のジョー! ジョー・不屈・ヒガシ!
しかしその態度にまたしてもキレるテリー!

「ばかぬかせーっ!?」

だがテリーの「ばかぬかせーっ!?」発言もごもっともで、なんとジョーはッ!
「おまえ肩がはずれてんじゃねーか!!」

肩が外れていたのだ!

それでも尚! それでも尚! 闘志の消えないジョー・東! っていうか!!

 

この闘いでどうやって肩を脱臼したのだろうか?

どう見ても致命傷は頭部へ行っているように見えるのだが、これは素人考えだろうか?
しかもよく見たらどうも、
 
蹴られた逆の頭から出血している

おそらく絵で描かれていない部分で(肩が外れるほどの)激闘が展開されていたのだろうが、
どうもやらせ臭いと勘ぐってしまうのは私が素人だからだろうか?
あるいは来る途中でまた車に轢かれかけでもしたのだろうか。

 はおっ!!


「こ…… こんな肩でも今のおまえより闘える」
冷静さを欠いたテリーにクールな一言。今のお前では子供にだって勝てない。
「オ…… オレが……? 自分を見うしなってい……る……!?」
ここで初めて自分がキレていたことにテリーは気付いた。驚愕。
「わかったらどけ…… もう不覚はとらん」
ジョーはテリーに悟らせるように言ったのではなく、あくまで自分で闘うつもりだ。


ジョー・不屈・東 最高に男前だ。

その闘志がついにテリーに冷静さを取り戻させる。
ジョーの言葉に、「わかったよ!!」とボディブロー浴びせ、
テリーは気を失うジョーをダックに預けた。帽子のツバを下げ自嘲気味に笑うテリー。

「さすがだ……丈…… おまえはいいアドバイスをくれたよ」

もはや今までのテリーではない。

「さぁて やろうかい!!」

これがテリーだ!!
号砲一閃、半月斬で突進して来るキムの脚撃を跳ねるように躱しながら
同時にカウンターのあまりにも重い拳!!
あんな動きはデータにはない! チンの表情がテリーの強さを物語っていた。
もはやキムは敵ではない。今だ! 必殺!!

「おれの技はすべて見切れる…… そういったよな
 
んならこいつ見切ってみろやーっ!!!!
んならこいつ見切ってみろやーっ!!!!



バーンナックルハリケーン!!!!

「うおおーっ
 
あれは丈のハリケーンアッパーと
 バーンナックルのあわせ技!!


ま…… まさか!!




っていうか要するにただのコークスクリューパンチじゃん


見事キムを倒したテリーは鋭い眼つきでチンに睨みを利かせ、
約束通りアンディの居場所を問いただした。しかし……
チンの返答は上空!!
突如としてパオパオカフェ上空へ降りて来たヘリの中には確かにアンディの姿が!
が、卑劣にも今は姿を見せるだけと居直るチン!
「彼はクラウザーさまにささげるみつぎ物アルからね」

クラウザーの名にひとりダックが顔色を変える中、
チンは上空のヘリに軽く飛び乗りそのまま去って行ってしまった!
再び取り乱すテリー! しかし今度の感情は怒りではなく焦り!!

「うああ まてこのやろ……
 
まちやがれ〜〜っ!!

一体アンディはどうなってしまうのか!? そしてテリー達の運命は!?

それにしても、何が皆殺しの饗宴だったのだろう